あなたへ
あゝ、良い
実に良いですね
燦々と降り注ぐ太陽の光を浴びる時間を楽しみながら、
私の中へと夏パワーが蓄積される様子を感じていました。
ただ日向で過ごす時間を、光合成をする時間としていたのは、
子供の頃の私でしたが、
夏に関してのその時間を言うのなら、光合成と呼ぶよりも、
充電と呼んだ方が相応しいような気もしています。
人間である私は、どんなに日の光を浴びても光合成は出来ないけれど、
夏が好きな私には、実は、
ソーラーパネルのようなものが備わっているのかも知れません。
だって、夏の光を存分に浴びた日の私は、
夜になっても、とても元気だもの。
もしも、一年中夏の国に住めるとしたのなら、どうする?
これは、私の中へと蓄積される夏パワーを感じながら、
不意に見つけた小さな疑問でした。
もしも突然に、一年中夏の国へ永住出来る機会がやって来たとするのなら、
此処、日本に住み続けるのか、それとも、
夏の国に永住するのか、私はどちらを選ぶのだろうって。
もしも一年中、大好きな夏に囲まれながら暮らすことが出来たとしたのなら、
きっと、とても楽しいのでしょう。
暑くてとても良いですね
最高ですね、の略として、
今日も暑いですねと、一年中、こんな挨拶を交わしながら歩む私には、
年中無休で、夏パワーが蓄積され続けるわけです。
大好きな季節の中だけを歩み続けられるとするのなら、
そこでしか出会うことの出来ない新たな自分を、
発見することも出来るのかも知れません。
夏の終わりは、なんだかいつも寂しくて、
冬の訪れには、ちょっとだけ、ため息が出てしまう。
これは、毎年の夏を過ぎてからの私の心の色ですが、
洋服に関して言うのなら、夏の服も好きだけれど、
冬の服の方が好きかも知れません。
この冬に私は、黒のストールと、ピンク色のストールを買いました。
黒のストールには、襟元にファーが付いていて、とても可愛いデザインです。
ピンク色のストールは、意外と何にでも合わせやすく、とても重宝しました。
私は、寒さに弱い生き物ではありますが、
寒い日に、ストールに包み込まれるあの感じは、好きかも知れません。
キャラメル事情から考えてみると、
散歩に出掛ける時には、キャラメルを持ち歩くようになった私にとって、
夏にはそれが出来ないのが難点です。
冷蔵庫で冷やしたキャラメルも好きですが、
やはり私は、キャラメルをバッグの隅へと潜ませておきたいのです。
でも、です。
アイスクリームという視点から見てみれば、
冬のアイスクリームも美味しいですが、私はやはり、
アイスクリームは、夏に食べたいのです。
四季のあるこの国では、
冬を過ぎて、春の訪れには、桜の景色が素敵だし、
秋の深まりを感じる頃には、銀杏の木が黄色に色付きます。
そして、私は日本語が好きです。
より多くの日本語に触れるのならやはり、
日本で暮らすことが一番なのでしょう。
ですが、もしも突然に、一年中夏の国へ永住しませんかと、
こんな話が舞い込んで来たとしたのなら、私は首を横に振ることが出来ないままに、
固まってしまうのかも知れません。
だって私は、夏が好きだから。
困りました。
ふと浮かんだ小さな疑問だった筈なのに、
実はこれは、私にとっての難問だったのかも知れません。
こうして改めて考えてみれば、私は、夏が好きだとしながらも、
他の季節にもまた、私が思っていたよりもずっと魅了されながら、
四季のあるこの国で生きていたのかも知れませんね。
今日の私は、結論を出すことが出来ませんでしたが、
いつか、この、小さかった筈の疑問へ、
私なりの結論を見つけてみたいなと思いました。
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