あなたへ
それは今朝のことでした。
車へと乗り込んで、駐車場から出発し、
ゆっくりと走り出した私の車の前に飛んで来たのは、1羽のハトでした。
何故でしょうか。
私の車は動いているにも関わらず、私の車の前にハトが降り立ってしまったのです。
あらら、ポッポちゃん
危ないよ
そんなところに降りちゃダメ
思わず私は、車の前へと降り立ったハトへこんなふうに呟きながら、
ハトを避けて運転しましたが、
何気なく口にした自分の言葉を反芻し、驚いてしまいました。
私は今、確かに、ハトをポッポちゃんと呼んだのです。
それも、ごく自然に。
そうして、よく思い返してみれば私は、いつの間にか、
カラスのことも、カーコちゃんと呼ぶようになっていたことに、
ふと気が付いたのです。
あの子が幼かった頃の私は、確かに、
ハトさん、カラスさんと、呼んでいました。
それなのに、一体いつから。
記憶を辿ってみれば、これは、
此処へ越して来てからのことだったのかも知れないと気が付きました。
家族3人で暮らしたあの家から、然程離れていないにも関わらず、
何故だか此処では、ハトやカラスをたくさん見かけるようになりました。
此処は、緑がより近くにある場所でもあります。
それは、鳥たちにとって、住みやすい環境でもあるのかも知れません。
そうして私は、身近に感じられるようになった鳥たちに対して、
いつの間にか、その呼び名を変えていたのかも知れません。
誰かが側にいる時には、決してそのようには呼ばないけれど、
ひとりでいる時には、つい、私の中で出来上がった呼び方で呼んでしまう。
此処へ越して来てからの私は、
いつの頃からか、こんなふうに変わっていたようです。
先日の私は、ちゃん付けで呼ぶ動物と、
さん付けで呼ぶ動物に関しての境界線を見つけましたが、
此処へ越して来てからの私にとって、
ハトとカラスが身近な動物となり、私はきっと無意識にも、
その呼び名を変えていたのでしょう。
先日は、動物に対して、
私は、ちゃん付けやさん付けは、あまりしないとこんな文字も綴りながら、
その記憶など全く見当たらないままでいましたが、
前言撤回とし、私は、
とても身近に感じられるようになったハトとカラスに対してだけは、
独自の呼び方でのちゃん付けであったことを、
あなたにも報告しておこうと思います。
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