あなたへ
俺ね、初めて挫折感を味わったよ
これは、先日のあの子の電話の声。
前回の電話から、それまでの間のあの子は、
仕事での大きな挫折感を味わい、実は大きく落ち込んでいたのだと、
今回の電話の向こう側のあの子は、こんな話を聞かせてくれました。
来年の自分がどう在りたいかのか。
2年後、3年後の自分がどう在って、
やがて、あなたの年齢と並んだ時の自分は、どんな景色を見ていたいのか。
あなたの年齢をひとつ、ふたつ、みっつと超え行く中で、どんな自分で在りたいのか。
しっかりと前だけを見つめ続けて歩むあの子は、いつでも前のめり。
前例にない実績を上げ続けて来たあの子は、
自分自身に対するハードルをどんどん上げては、
必死に飛び続けながらそれまでを歩みました。
ですが、今回のあの子は、
自らが手を挙げ引き受けた仕事であったにも関わらず、
どう頑張っても、今現在、抱えている案件との折り合いが付かずに、
ひとりで成し遂げることが出来ないことに気が付いて、
助けを求める決断をせざるを得ない状況となってしまったようです。
既に複数の大きな案件を抱えているあの子には、休日など、ほぼ皆無。
思い描く未来の自分の姿を追いかけて、
休みらしい休みも殆どないままに、
ただひたすら真っ直ぐに歩み続けたあの子は、今回、
初めて、自分の限界を知り、大きな挫折感を経験したのでした。
自分から、俺にやらせてくださいって、手を挙げたのにさ
やっぱり出来ませんって、ないよね
上司にも、凄く迷惑を掛けちゃったよ
でもさ、俺が助けを求めなければ、最終的に迷惑を掛けるのって、お客様なんだよね
あの日のあの子は、こんな想いを聞かせてくれました。
あの子の話を聞き終えた私は、
本当に良い経験をしたねと、こんな言葉を伝えると共に、
誰かに助けを求めるという、
実はとても勇気の入る決断が出来たことを褒め称えました。
学生の頃とは、何もかもが違う。
社会人になってからのあの子の口からは、時々こんな言葉が聞こえて来ますが、
今回のことに関してを言うのであれば、
課題に追われた学生時代のあの子は、
時に明け方まで課題と向き合った日もあったけれど、
でも、実は、追われているように思えても、
ちゃんと成し遂げられるように出来ているのが、
学生時代の課題であったのかも知れません。
何でも器用に熟すことの出来るあなたによく似たあの子は、
学生時代には、大量の課題も、何とか熟し、
そして、社会人となってからも、
様々に挑戦し、それらを成し遂げることが出来ました。
今回初めて、自分にとっての限界を知ることが出来たのです。
それは、これからのあの子にとって、
とても大切なことであると、私は思いました。
あの日の電話の向こう側にいたあの子は、
既に初めての挫折感を味わい尽くし、立ち上がった先にいるあの子でした。
堕ちて堕ちて、這い上がった先のいつかのあの子が、
とても強くなっていたように、
今回のあの子もまた、新たな強さを身に付けて、大きく成長し、
また一段と、素敵な大人へと成長することが出来たようです。
さて、相変わらずに多忙なあの子ですが、
お盆には、帰って来れる予定でいるそうです。
どうやら、お盆中にも、やらなければならない仕事があるそうですが、
こちらで仕事をする予定でいるようです。
この夏のあの子は、どんな笑顔を見せてくれるのでしょうか。
とても楽しみですね。
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