拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

花火大会の日にあなたが届けてくれた想い

あなたへ

 

先日のこちらでは、花火大会がありました。

 

私が暮らすこの場所から、初めて花火を観たのは、

此処へ越して来た年のことでした。

 

ベランダに出てみれば、高く打ち上がった花火が少しだけ見えて。

 

此処からでも、少しだけ、花火が見えるのだと、

あの日の私は、暫くの間、ベランダの柵にもたれ掛かって花火を見つめながら、

あなたとあの子と、最後に花火大会へ出掛けた日のことを、

思い出していたのでした。

 

この辺りで開かれる花火大会は、あれから、幾つくらいあっただろう。

 

ベランダに出て、僅かに見える花火を見つめていた筈の私は、

少しずつ、花火を見つめる時間が短くなって、

やがて、ベランダに出ることはせずに、

花火の音だけをただ聞きながら、コーヒーを飲む私へと変わって行きました。

 

花火の音が聞こえれば、

最後に家族3人で花火大会へと出掛けたあの日のことを、

此処に見ることの出来なかった景色を、そして、

きっと生まれ変わったのなら、を、何度も思い描くようになった私にとって、

少しずつ、花火大会というものが、今の自分には、

あまり関係のないものへと変わって行ったのかも知れません。

 

だって、何を思い描こうとも、

花火大会の前日にはワクワクが止まらなかったあの頃の私はもう、

此処にはいないもの。

 

でも、私は、それで良いって思っていました。

 

この人生を生きる私には、

ちゃんとテーマがあって、やるべきことも目標もある。

 

花火大会という言葉に、

ワクワクとした気持ちを感じることはなくなってしまったけれど、

私はそこに、寂しさを感じることもなくなって行きました。

だって、この人生を生きる私は、とても忙しいもの。

 


先日の花火大会もまた、音だけを聞きながらやり過ごす筈だったのに、

何故なのだろう。

不意に、ベランダへ出てみようって、こんなふうに思い立って。

 

ベランダに出れば丁度、一際高く打ち上がった花火が見えて、

私は思わず驚いて、小さく息を飲みました。

だってそれは、建物の影に一切隠れることなく、

全てが綺麗に見えた花火だったんだもの。

 

打ち上げる位置の関係だったのか、それとも、風向きの関係だったのか、

よくは分からないけれど、あの日の私の瞳に映ったのは、

きっと、偶然に偶然が重なって見えた花火でした。

 

此処から見た過去の幾つかの花火大会を思い出せば、

私にとってのそれは、

あなたが見せてくれた景色であるようにも感じていました。

 

ねぇ、あなた

とても綺麗に花火が見えたよ

 

あなたに手を合わせながら、こんな報告をしたあの夜、

私の中へと確かに流れ込んで来たのは、あなたの強い想いでした。

私に見せたかったのだと。

 

あなたのその想いは、温もりとなって、

私の中へと、いつまでも留まり続けました。

 

花火大会を楽しみにしていた自分が、過去の自分となってしまっても、

私は、ちゃんとそんな自分に納得をして、

この人生を歩む私となった筈だったのに。

 

私にとってのそれは、前を向いて生きることであり、

今の私にとっての必要な成長であると、こんなふうに受け入れて来た筈だったのに。

 

それなのに、

あなたは、

あなたはさ・・・。

 

花火大会の前日になれば、

あの子と一緒に、はしゃいでいたあの頃の私の姿を、

花火を見上げて笑っていたあの頃の私の姿を。

私が、過去として心の奥深くに隠したあの頃の私を、

あなたはきっと、大切に持っていてくれたんだね。

 

空がよく見えて、雨上がりには、虹が見える。

金木犀の木があって、夕日がとても綺麗に見える場所で。

影遊びも出来るし、シャボン玉も出来る。

そして、あんなにも綺麗な花火を観ることも出来た。

 

あなたが連れて来てくれたこの場所には、

どれだけのあなたの想いが詰まっているのだろう。

 

私は、どれだけあなたに守られながら、歩んで来たのだろうって、

あの日の私は、あなたのその想いを大切に受け取りながら、

そんなふうに考えていたよ。

 

 

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