拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

優しい雷

あなたへ

 

まただよ

もう・・・

 

梅雨が明けて、私の大好きな夏がやって来てから、

小さくこんな言葉を呟くのは、これで何度目だっただろう。

 

これは、雷の音が聞こえた日の私の小さな声です。

 

苦手な雷との向き合い方は、私なりに見つけては来たけれど、

歓迎出来るほどに、克服出来たわけではありません。

 

大好きな夏の季節であるにも関わらず、雷の音が聞こえれば、

やはり静かにテンションが下がってしまうのが、夏の私の特性のようです。

 

遠くに雷の音が聞こえれば、家中の窓という窓から、

様々な角度で空を確認して、雷具合を観察するのも、

毎年の私の恒例となりましたが、

幸いなことに、今年はまだ、飛び上がる程の轟音は聞こえていません。

 

つい先日の私も、遠くに聞こえる雷の音を気にしたばかりですが、

あの日の私が、

ふと、これまでにはなかった新たな視点を見つけることが出来たのは、

遠くに聞こえた雷の音が、更に遠くへと行くまでに、

あまり時間が掛からなかったからなのかも知れません。

 

季節を感じる音ってあるけれど、夏に聞こえるのは、

力強さを感じさせるような大きな音が代表的だなって、あの日の私は、

こんな視点を見つけて、

音という視点から、この国にある四季を見つめてみたのでした。

 

夏には、力の強さを主張するかのような蝉の鳴き声や、雷。

そして、その美しさを強く主張するかのような花火の音が。

 

秋になれば聞こえる虫の声は、鈴を鳴らすかのような静かで美しい音色で。

 

冬の始まりに聞こえる枯葉が風に舞う音は、

耳を澄ましてみなければ、気付くことの出来ない繊細な音。

 

やがて、厳しい冬を迎えれば、

キラキラと光る銀色の景色が作り出すのは、音のない世界。

 

音のない季節の続きを魅せるピンク色の景色が静かにやって来たのなら、

やがて一斉に新緑が芽吹き、風に揺れながら、若く爽やかな音を鳴らして。

 

そうしてまた、夏がやって来れば、

待っていましたとばかりに、蝉たちが元気いっぱいに鳴き出して。

 

こうして新たな視点から季節を見つめれば、

季節には、それぞれに何かの特別な力があって、

それはそのまま音となって、私たちに届いているのかも知れないなって、

あの日の私には、季節の音が、こんなふうにも見えたのでした。

 

夏の音は、眩しい太陽のように力強くて。

秋の音は、静けさと余韻を大切にするようで。

冬の音は、凛とした空気をそのまま閉じ込めたみたいで。

春の音は、柔らかで、でも確かに何かが始まる音がする。

 

あの日の私は、見つけたばかりの新たな視点を、

宝物を見つけたかのように反芻し、大切に心の中へと収めたのでした。

 

私にとっては、苦手な雷の音である筈なのに、

先日聞こえたばかりの遠くで鳴る雷の音は、

私の中へと新たな視点をひとつ置くと、更に遠くへと去って行きました。

 

私はもしかしたら、この人生の中で初めて、

優しい雷と出会うことが出来たのかも知れませんね。

 

 

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