拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ティッシュペーパー交換の儀

あなたへ

 

香りというのは、とても不思議です。

 

非常に懐かしい香りを嗅いで、記憶が鮮明に蘇り、

朝から笑ってしまったのは、今日の私です。

 

先日の私が購入したのは、懐かしい香り付き、

との謳い文句のあるトイレットペーパーでした。

 

フルーツのイラストが描かれたそれは、とても可愛らしく、

懐かしい香り付きという点にも惹かれた私は、

迷うことなく、それを購入することにしました。

 

丁度、これまで使っていたトイレットペーパーが切れて、

いよいよ楽しみにしていたトイレットペーパーを使う時がやって来たわけですが。

 

楽しみにしていた香りを嗅いでみれば、

私の中へと鮮明に聞こえて来たのは、誰かの声でした。

ティッシュ持ってる?と。

 

この声は、特にティッシュペーパーを必要としている誰かの声ではありません。

 

この声から始まるのは、まだ幼い女子たちの間で交わされる、

ティッシュペーパー交換の儀、なのです。

 

当時、即ち、私が幼かった頃に、

同じ年頃の女子たちが必ず持ち歩いていたアイテム。

それは、香り付きのポケットティッシュでした。

 

うん、持っているよ

 

誰かの声に、こう返事をすれば、

そこで始まるのが、ティッシュペーパー交換の儀なのです。

 

やり方は、とても簡単です。

 

先ずは、互いに持っている香り付きポケットティッシュを見せ合って、

何故か、中身を1枚ずつ交換する。

 

そうして、

このデザイン可愛いね

とか、

とても良い香りだね

と、互いに交換したティッシュペーパーを褒め合い、

交換したばかりのティッシュペーパーを、

自分が持っているポケットティッシュの袋の中へと丁寧に収納してから、

更に交流を深めて行くのです。

 

これは主に、

初めて出会った同年代の女子同士での共通の挨拶のようなものであり、

当時の私たちにとって、初対面の女の子と仲良くなるための、

最もポピュラーな方法だったと言っても過言ではありませんでした。

 

そう。探検好きだった幼い頃の私は、

探検へと出た先で出会った初対面の子たちとも、確かにこの、

ティッシュペーパー交換の儀から仲良くなったのでした。

 

探検へと出た先で出会った子の中には、

中身を使い終わったポケットティッシュの袋をコレクションしていて、

たくさんの可愛い袋を見せてくれた子もいました。

 

初対面であるにも関わらず、

その子は、別れ間際になると、好きな袋をあげるよと、プレゼントしてくれて。

 

あの日は、私にとって、

初めて出会った子の優しさに触れた日でもあったのでした。

 

あの儀式は一体、何だったのだろう。

 

長らく記憶の隅へと追いやられていた記憶が鮮明に蘇れば、

その全てが可笑し過ぎて、今朝は、爆笑しながら、

トイレから出て来るという朝となりました。

 

あれから長い年月が経ち、男の子の母となった今の私には、

あの儀式が今も引き継がれているのかどうなのか、

知る術はありません。

 

でも、どんなに時代が変わっても、女子の世界には、

どこか共通するものが受け継がれているような気がします。

 

大人になって、不意に振り返った時に、

思わず笑ってしまうような謎の儀式は、

今の子たちにも、存在しているのかもしれませんね。

 

 

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