あなたへ
見たばかりの夢の中を反芻しながら、
なんだか不思議な気持ちを感じていたのは、先日の私でした。
あの日の私は、爺、と呼んでいた、
6つ年上だった友達と過ごす夢を見ました。
他愛もない時間を過ごす夢でしたが、夢の中の私は、
彼と共に、とても穏やかな時間を過ごしていました。
電話だけの友達であった筈の彼と、
まさか、こんなふうに夢の中で会える日が来るだなんてね。
電話で話すよりも、とても穏やかで、優しくて。
あの日の私は、会うことでしか知ることの出来ない彼だけが持つ空気感を、
初めて知ることにもなりましたが、
あの頃、当たり前のように、電話の向こう側にいてくれた彼は、
きっと私が電話で感じ取っていたよりも、
ずっと穏やかで、優しい空気感の持ち主だったということでもあったのでしょう。
でも、夢の中の私は、
確かに彼の顔を見て話をしていた筈なのに、
何度、夢の中を反芻してみても、
彼だけが作り出すことの出来る空気感だけを私の中へと残したままで、
もう、その顔を思い出すことは出来ませんでした。
それは、彼が電話だけの友達であり、
顔を知ることがなかったからなのかも知れません。
或いは、顔を知らないからこそ、何でも話せる関係性を、
彼もまた大切にしてくれているからなのでしょうか。
どんなに記憶を辿ってみても、
彼の顔を思い出すことの出来ないままの私ですが、あれからの私が時々、
あの夢を反芻してしまうのは、
もう二度と話すことの出来なくなってしまった筈の彼と、
久し振りに話をすることが出来たことが、とても嬉しかったからなのだと思います。
実は今頃、爺とあなたは、
そちら側で友達になっていたりしてね
何気なく小さく呟いてみれば、私の中へと見つけたのは、
なんだか楽しくて、とても嬉しい気持ちでしたが、
よく考えてみれば彼は、あなたと出会う前の私をよく知っている人です。
そう。例えば、
若さ故に尖っていた部分とか、
若さ故の私の黒歴史とか、
忘れて欲しい私の過去が、彼の記憶に刻まれているとするのなら。
まさか、爺は、昔の私のことは話していないわよね?と、
こうしてここへ文字を乗せておいたのなら、彼は黙っていてくれるのかしら。
それとも、もう遅いねと、今頃2人で笑っているのかしら。
私の大切な人と大切な人が、もしもそちら側で、
繋がってくれているとするのなら。
もし、ふたりで私の黒歴史を笑っていたとしても、
まぁ、いいかな。
本当はちょっと複雑だけれど、ふたりが笑っていてくれるのなら。
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