私たちは、幸せになるために、この世界に生まれて来た。
この世界へと誕生した瞬間に私たちは、
向こう側の皆からも盛大な祝福を受けるのだと言う。
【幸せになりなさい。】
その深い祈りに応えるように、私たちはこの世に産声を響かせる。
それはただの最初の泣き声なんかではない。
この世界で生きることを選び、幸せを掴みに来た、魂の宣言。
「私は幸せになるために、ここに来たよ」と伝える、力強い約束なのだ。
『それなのに、人はいつの間にか忘れてしまう。
何故、此処に生があるのかを。』
今、夫がいる世界。即ち、向こう側の世界では、これまでの長期に渡り、
静かにこちら側を見守るという方法が取られていたけれど、
何かを変えなければまずいのではないかと、
こんな考え方へと変わって来ているらしい。
『さっき少しだけ話したけれど、
この世界がどんどん進化を続けるように、
本当なら、向こう側もどんどん創られ進化し続ける筈なのに、
向こう側は殆ど何も変わらないどころか、
少しずつ、退化するようなことが起き始めているんだよ。』
「それは、プラスのエネルギーが届かないからよね?」
『そう。勿論、全く届かない訳じゃないよ。
この世界には、幸せに生きている人だってたくさんいるから。
でも、進化出来る程じゃない。
それにも関わらず、いつの頃からか、
本来なら届かない筈のマイナスのエネルギーが届くようになったんだ。』
これまでの長きに渡り、この世界に存在するマイナスのエネルギーは、
プラスのエネルギーを発生させるための起爆剤のようなものと捉えられており、
向こう側では、特に悪いものとしては捉えられていなかった。
ネガティブな感情を感じることも、経験のひとつとして、大切なことでもある。
だから、それらも含めて、私たちは、向こう側から見守られて来ていたのだと言う。
『俺たちはね、この世界の皆のことを信じているんだよ。
必ず幸せに生きることが出来るって。
だって、幸せになるために生まれて来たんだからさ。』
本来なら届く筈のないマイナスのエネルギーが届くようになった向こう側では、
実はもうひとつ、不可解なことが起きていると言う。
『人は死んだら、こっち側に還って来るんだけれど、こっちに還って来る時ってね、
本当なら、プラスのエネルギーだけを持って還って来るんだ。
マイナスのものって、全部、置いて来るの。』
それは、夫のいる向こう側の世界はプラスのエネルギーだけで創られた世界であり、
マイナスのエネルギーは、この世界だけのものだからなのだそうだ。
『だからね、死を迎える瞬間がどんな状況であったとしても、
こっちに還って来れば、皆、プラスのエネルギーだけになるんだよ。』
それなのに、マイナスのエネルギーが届くようになったことに加えて、ここ最近では、
マイナスのエネルギーの塊のような魂が、
向こう側に還って来るようになったのだと言う。
『これはね、大問題だよ。』
「それは、囚われたままの人がそっち側に還るってことなの?」
『まぁ、多分そうなんだけれど、本当ならこんなことは起きない筈なんだ。
原因は分かってはいないけれど、何かのバランスが崩れていることだけは確かなの。』
幸せに生きることは、魂を成長させることでもあり、
人生を全うした魂は、生まれて来る時よりも、
更に素敵な存在となって向こう側へと還るのだと言う。
でも実は、向こう側もまた、
その魂が出発した時よりも更に素敵な場所へと進化しているのだそうだ。
『だって、向こう側を創るために生まれたとも言えるのにさ。
自分が還った時に、何も変わっていなかったら、おかしいでしょ?』
本来であれば、魂も、向こう側も、
双方のレベルが上がるという循環が起こる筈なのに、
進化するどころか、不可解な状況まで起こってしまっている。
そこで向こう側では、新たな取り組みが様々に始まっているのだそうだ。
『取り組みはね、幾つかあるんだよ。』