拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あの疑問への結論

あなたへ

 

お盆が過ぎた頃から聞こえていた秋の虫の声は、いつの間にか止んで、

気が付けば、風に乗って、金木犀の香りが届くようになりました。

 

日が暮れるのも、だんだん早くなり、

朝晩には、僅かに肌寒さを感じるようにもなりました。

 

少しずつ、変わり行く季節を見つめながら、

私が時々考えていたのは、あの疑問へ対する結論でした。

 

あの疑問。それは、

一年中、夏の国へ永住出来る機会がやって来たとするのなら、

私はどうするのだろうか、という、

今年の夏の始まりにふと考えたあの疑問です。

 

朝晩に肌寒さを感じれば、何故だか思い出してしまうのは、

今年の梅雨から夏の間に遭遇してしまった虫たちの存在です。

 

恐怖に震えながら、Gとの戦いに挑んだあの夜は、

思えば今年一番の恐怖体験でした。

 

虫との遭遇という点から、この国にある四季を見つめてみるのならば、

これから迎える季節は、

私を虫とは無縁の世界へと連れて行ってくれるものとも言えるのかも知れません。

そこは、私にとっての最も安全な世界とも呼べるのでしょう。

 

肌寒さを感じながら毛布に包まるという、私にとっての幸せな夜が此処に流れ、

私にとっての必需品ともなったキャラメルは、

もう、冷蔵庫へ入れておかなくとも良くなりました。

 

大好きな夏が過ぎれば、相変わらずに、寂しさを感じてもしまう私ですが、

私の中での丁度良い様々なこともまた、確かに此処に戻って来たのです。

 

夏が過ぎた寂しさや、

様々な視点からの私にとっての丁度良さを感じることが出来るのは、

当たり前に季節が巡るこの国だからこそ、

知ることが出来た気持ちでもあるのかも知れません。

 

この人生を選んで生まれたとするのなら、

四季のあるこの国に生まれ落ちたこともまた、

生まれる前の私が望んでいたことなのかも知れないと、

移り変わる季節を見つめながら、

私は不意にこんな視点を見つけることが出来ました。

 

思えば、四季のあるこの国に生まれ落ちたからこそ、

私は季節の中で、

あなたが見せてくれた優しさを、集めることも出来たのでしょう。

 

季節が巡る中で、あなたが見せてくれた優しさを思い出すことが出来るのは、

私たちが共に四季があるこの国に生まれ落ちたからこそであったのだと、

私は改めて、春の、夏の、秋の、

そして冬のあなたが見せてくれた優しさを思い返しました。

 

これから、やがて冬を迎えれば、虫とは無縁の日々に安心しながらも、

寒さに身を竦めれば、私は、やっぱり夏が良いと、

小さなため息を吐き出してしまうのかも知れません。

 

一段と寒い朝には、きっとまたオイルが凍ってしまうけれど、

そんな朝に思い出すのは、きっと、

起こしても、起こしても、

起きてくれなかったあの子が見せてくれた、ミノムシみたいな姿だし、

ホットカーペットがくれる温もりに身を委ねながら、

うっかりを装って、お昼寝をしてしまう時間を楽しむことが出来るのは、

寒い冬であるからこそだと言えるのでしょう。

 

一年中が大好きな夏の季節で埋め尽くされた場所も、

やはり私にとっては、とても魅力的ではありますが、

私は、四季のあるこの国で、季節の移り変わりを見つめながら、

それぞれの季節の中で見つけることの出来る素敵な瞬間を集め続けながら、

生きて行きたいなと、こんな結論を出しました。

 

 

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