拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

寝言一家

あなたへ

 

自分の寝言で目が覚めたのは、先日の私です。

 

何を話していたのかは、覚えていませんが、

自分の声で夜中に目が覚めたことだけは、はっきりと覚えています。

 

自分の寝言で目が覚めるのは、恐らく数年振りのことですが、

目が覚めていないだけで、

私は、相変わらずに、頻繁に寝言を言っているのかも知れません。

 

昨日の夜、寝言を言っていたよ

 

初めてあなたにこんなことを言われたのは、

私たちが家族となってから、どのくらいが経った頃のことだったでしょうか。

 

結婚をすれば寝言を言わなくなるのだと、こんな話を聞いたことがあったのは、

私がまだ、子供の頃のことでした。

 

私はどうやら、子供の頃から、

とてもはっきりとした寝言を言うタイプであったようですが、

結婚をすれば寝言は言わなくなるのだと、

確かに、誰かからこんな話を聞いた筈だったのに、

全然、治らないではないかと、いつかの誰かの言葉を恨むと共に、

あなたと家族になるということは、本当は知られたくない秘密ごとも、

こうしてあなたに知られてしまうことであるのだと、

あの時の私は、密かにこんなことを考えてもいたのでした。

 

久し振りに、寝言の途中で目が覚めた私は、

未だに寝言を言っているのだと、なんだか落胆してもしまいましたが、

寝言という観点から、我が家の歴史を振り返ってみれば、

思えば我が家は寝言一家であると、こんな視点を見つけて、

なんだか笑ってしまいました。

 

あの子が聞かせてくれた寝言の数々には、随分と笑わせて貰ったし、

思えば、あなたの寝言を初めて聞いた時は、なんだか嬉しかった。

 

我が家が寝言一家であるのなら、

私は、一生このままでも良いかなと、

初めてこんな気持ちを見つけてしまいました。

 

寝言を言っていたよというあなたの声は、もう聞こえないけれど、

これもまた、あなたがよく知る私が、

変わらずに此処にいると解釈することも出来るのかも知れません。

 

ねぇ、あなた。

寝言の途中で目が覚めても、

一応、言いたかった言葉を最後まで言ってみるよね。

 

もしも今、あなたにこんな話をすることが出来たのなら、

あなたはどんな顔で笑うのだろう。

 

時々、寝言を聞かせてくれたあなたなら、

こんな私の気持ちに頷いてくれるのかしら。

 

 

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