拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたが守り続けてくれていた約束

あなたへ

 

ホットカーペットがくれる温もりに癒されながら、

あれ?と、思わず小さく呟いたのは、

昨夜の、あなたへの手紙を送り終えてからのことでした。

 

ホットカーペットのカバーを買いに出掛けたあの日、

きっとあなたは側にいてくれたのだと、

昨夜の私は、感じたままに手紙を綴りましたが、

改めて、ホットカーペットのカバーを買いに出掛けたあの日を振り返ってみれば、

実はあなたは、密かに、あの約束を守り続けてくれているのではないかと、

ふと、気が付いたのです。

 

買い物でも、何処でも、一緒に行こう。

 

これは、私たちが家族になる頃にあなたがくれた約束でした。

 

コンビニでも、スーパーでも、出掛ける時は、何処へでも一緒に行こうねって、

こんな言葉をくれたあなたは、あの夏がやって来るまで、

あの約束を守り続けてくれていました。

 

私たちは、何処へ行く時も、いつも一緒でした。

 

あなたを見送ったばかりだった頃の私は、

近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアへ出掛ける度に、

そこにあなたを探しては、泣き出したい衝動を必死に抑えていたし、

家電量販店や、カー用品店へ行かなければならなかった時には、

知識のない私にとって、ある種の覚悟を決めての出陣でした。

 

でも、本当は違ったのかも知れません。

 

よく思い返してみれば、

あの子を道連れにして、パソコンを買いに出掛けたあの日も、

そして、ひとりで洗濯機を買いに出掛けたあの日も、

こうして思い返してみても、笑ってしまうくらいに、

とてもはっきりと、あなたが側にいると分かる痕跡が残されていました。

 

あなたを見送ったばかりだった私にとっての小さな一歩は、

車のワイパーのゴムを交換しに行くという一歩だったけれど、

私の心配を他所に、物事はスムーズに展開されて。

あの日の帰り道には、

自分の小さな初めての一歩を、なんだか誇らしくも思えたのでした。

 

そこからの私が、自信を持って歩んで行けるようにと、

実はあの日の私は、

見えなくなってしまったあなたに、静かに守られながら、

小さな一歩を踏み出していたのかも知れません。

 

出掛ける時は、何処へでも一緒に行こう。

 

あなたは、何処にいても、

あの日の約束を、ずっとずっと、

守り続けてくれているのかも知れませんね。

 

当たり前だった景色は、いつでも突然に終わりがやって来るけれど、

此処にある真新しい景色は、

人生を共にする前のあなたがくれた約束を、私の中へと蘇らせると、

ひとつ、新たな視点を見つけさせました。

 

ねぇ、あなた。

人生とは、本当に不思議なものですね。

 

こうして、痛みを感じ切った先で、またひとつ、

これまで持ち合わせてはいなかった新たな視点を、

見つけることが出来るだなんてさ。

 

 

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