拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

主人とテレビのリモコンとの関係性

あなたへ

 

うちの主人はね、

いつもテレビの前に寝転がって、テレビのリモコンを絶対に離さないのよ

電池交換の頃になると、なかなかリモコンが反応しないでしょう?

そうするとね

こう、太ももに、リモコンをパシッパシッと叩き付けて、またテレビに向けるの

電池くらい自分で変えたら良いのにね

 

私の中へとふと蘇ったのは、いつかのこんな先輩の声でした。

 

こうして文字にしてみれば、悪態にも感じるけれど、

あの日の先輩は、笑っていました。

きっと先輩は、然程、不満にも思ってはいない日常のご主人の様子を、

面白おかしく話して聞かせてくれただけだったのでしょう。

 

テレビのリモコンと主人はセットであると、

いつかの私は、そんな悪態とも取れる雑談の中にいることが出来たのならと、

こんな視点を見つけましたが、

こうして、蘇った先輩の声を反芻すれば、多くの家庭において、

主人とテレビのリモコンというのは、深い関係性にあるものだったのかも知れません。

 

思えば、この世界は、あの夏から随分と、時代が変わりました。

例えば、あの子の家にテレビはありませんし、

テレビは必要がないとあの子は考えています。

 

こうしてあの夏からの時代の流れを見つめてみれば、

主人とテレビのリモコンとのセットというのは、

実は既にひと昔前のものでもあるのかも知れません。

 

もしもあの夏の運命が違っていたのなら、

あなたもまた、時代の流れを見つめながら、

他の何かを選び取り、テレビのリモコンとあなたが常にセットであったのも、

ひと昔前の光景ともなっていたのかも知れませんね。

 

そんなあなたを見つけることが出来たのなら、きっと私は、

新たな主人あるある的な視点から、あなたあるあるを見つけていたのでしょう。

 

あの夏から先へと歩んだあなたは、

様々な選択肢の中から何を選び、何を辞めていたのかな。

そんなあなたも知りたかったなって、今日の私は、

私が知らないあなたの姿を思い描いてみたけれど、

上手く思い描くことが出来ないままに、

テレビを見つめるあなたの姿ばかりが思い浮かんで。

 

私の中でのあなたは、相変わらずに、

テレビのリモコンとセットであり続けているから、

なんだか笑ってしまったけれど、

そこにいるあなたは、相変わらずに、とても楽しそうでした。

 

あの夏から先へと歩めば歩む程に、

上手く思い描けないままの見てみたかったあなたの姿は、

こうしてどんどん集まるけれど、

こんなふうに、見てみたかったあなたの姿や知りたかったことも、

大切に集めて行くよ。

それもまたきっと、この人生を大切に生きるってことだと思うから。

 

 

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