あなたへ
何気なく車のハンドルに刻印されたAIR BAGという文字を見つめて、
無意識に、アイラバジと読んで、笑ってしまったのは、今日の私です。
アイラバジ。
この懐かしい言葉は、あなたも覚えているでしょうか。
あれは、あの子が小学生高学年になった頃のことでしたね。
ローマ字を習うようになったある日のあの子は、
アイラバジって書いてあるねって、
車内に書かれたAIR BAGという文字を、自信満々に指差していましたっけ。
それはね、エアバッグって読むんだよ
あの日の私たちは、笑ってしまったけれど、
あの日のあの子の声は、
ローマ字と英語の違いを教えるきっかけにも繋がりましたね。
でも、確かに。
まぁ、アイラバジと、読めなくもない・・・かな。
そうして、我が家の中では、エアバッグをアイラバジと呼ぶようになったのでした。
ほぼ毎日、車に乗っているにも関わらず、
特に目にも止まらなかった筈の文字に目が止まれば、
不意にあの頃の私たちにだけが分かる言葉が蘇って。
あの日から随分と先へと歩んだ私のことも、
あの日のあの子は、笑顔にさせてくれました。
ねぇ、あなた
アイラバジって覚えてる?
もしも今夜、あなたにこんな話をすることが出来たのなら、
そんなこともあったねと、きっとあなたは笑って、
じゃあ、この言葉は覚えてる?って、
私の胸の奥へと眠らせたままのいつかのあの子の言葉を、
思い出させてくれたのかも知れません。
あの子が生まれて来てくれたから、我が家の中には、
私たちにしか理解の出来ない多くの言葉が生まれましたね。
それは、どれもが、私たちにとっての掛け替えのない言葉たち。
ねぇ、あなた。
今夜のあなたの胸の中には、どんな言葉が思い浮かびましたか。
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