拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ずっと私を苦しめていたもの

あなたへ

 

私が記憶と戦うようになったのは、いつからだっただろう。

 

これは、こうしてあなたへの手紙を綴りながらも、

一度も、あなたに話すことの出来なかった私の中での戦いでした。

だって、こんな私が此処にいることは、あなたには知られたくなかったもの。

 

でも、漸く、私の中で腑に落ちるものを見つけることが出来たので、

今日は、あなたを見送ってからの私を苦しめ続けていた記憶についてを、

あなたにも話してみたいと思います。

 

いつからだっただろう。

 

あなたを見送ってからの私の中へと不意に蘇るようになったのは、

私を傷付けたあなたの言葉でした。

 

それは、喧嘩をした上で発せられた言葉ではなく、日常の中でのあなたの言葉。

 

私の中には存在しない感覚からのあなたの言葉に傷付いたにも関わらず、

それを伝えることをしないままに、

静かに飲み込んだ言葉は、幾つくらいあっただろう。

 

こうして改めて、あの頃のことを振り返れば、

あの頃の私の中には、それをあなたに伝えるという選択肢はなく、

聞かなかったことして、自分に付いた傷もまた、

見ないようにするという選択肢しかなかったような気もしています。

 

それは、あの、早い流れの中で出会った彼女から見た私への印象が、

関係していたからなのかも知れません。

 

それでも、いつでも前だけを向いて歩んでいたあの頃の私にとって、

あなたの言葉に傷付いた出来事など、

どんどん忘れ去られる過去に過ぎない小さな出来事でした。

 

それなのに、あなたを見送ってからの私の中には、

いつの頃からか、あの頃のあなたの言葉が不意に鮮明に蘇るようになり、

そんな時には、私を酷く感情的にさせました。

 

あの頃の私は、ただ黙って受け流すことが出来ていた筈なのに、

一度、記憶が蘇れば、私は、

記憶の中にいるあなたへ強い怒りの感情を向けて、

受け取った言葉以上の言葉で、あなたを罵倒し続けました。

 

あの夏から先へと歩めば歩む程に、あの頃の中にいるあなたよりも、

多くのことを学んだ私へと変わり続けている筈なのに、

あの頃の中にしか存在していないあなたへそんな感情を向けるだなんて、

あまりにもフェアじゃない。

 

それなのに、一度、記憶が蘇れば、感情を抑えることが出来ないままに、

私は何度でも、記憶の中にいるあなたへ、強い感情を向け続けました。

 

人は、鏡なのだと言います。

きっと、あの頃の私もまた無意識にも、

あなたを傷付けてしまうような言葉を発していたのだと思います。

 

私たちは、たくさん喧嘩をしたけれど、きっと互いに飲み込んだままの感情だって、

たくさんあった筈なのです。

それなのに、私は、自分に付いた傷しか知ることが出来ないままに、

何度でも、同じ時間を繰り返しました。

 

感情に任せた時間を過ごせば、やがて怒りの感情が姿を消して、

代わりにやって来るのは、

あなたに逢いたくて仕方がないという気持ちでした。

 

あなたを見送ってからの私は、

何度くらい、こんな感情と向き合い続けて来ただろう。

 

私は、不意に訪れる、この、怒りの感情が、とても嫌で堪りませんでした。

だって、あなたと過ごした時間の中には、素敵な時間がたくさん詰まっていたもの。

それなのに、ほんの僅かな一部に過ぎない部分だけを切り取って、

そこに強い怒りの感情を向けるだなんてさ。

 

やがて私は、このような感情を見つけた時、

私には、まだまだ成長が足りていないのだと、考えるようになりました。

 

運命の相手というのは、研磨し続ける相手でもあると、

こんな視点を見つけて、ひとつの区切りを付け、

更にそこから先へと歩んだ私は、

あなたは、あの子に出会わせてくれた人なのだと、

ただただ、たくさんの感謝の気持ちだけを感じるようになりました。

 

例えば、あの時、とか、あの時。

長く一緒に居れば、小さな不満のひとつやふたつくらいは、

きっと誰でもあるけれど、本当は、そうじゃない。

 

あなたという存在が側にいてくれたから、

今の私が、ほんの僅かなズレもなく、此処に存在することが出来ているのだと、

こんな視点から、あなたへの感謝の気持ちだけを持つようになって行ったのでした。

 

それなのにです。

 

私にはもう、あのような怒りの感情と向き合う日は、

きっと訪れない筈だと思っていたのに、

何の脈絡もなく、不意に蘇る記憶に、

強い怒りの感情を向けていたのは、ここ最近の私でした。

 

私は、新たな視点を見つけ、成長することが出来ていた筈だったのに、

何故だか、感情を抑えることが出来ないままに、

記憶の中にいるあなたへ強い怒りの感情を向け続けて。

その先にあるのは、相変わらずに、あなたに逢いたくて仕方がない気持ちで。

 

何故だか、連日に渡り、蘇る記憶に向き合い続けなけばならず、

私には、まだ、成長が足りていないのだと、考えさせられながらも、

湧き上がる自分の感情を、これまでとは、

別な視点から観察してみたのは、先日のことでした。

 

そう。丁度、怒りの感情が去り、

あなたに逢いたいという気持ちへと切り替わった時に、

あなたを見送ってからの私が、幾度となく戦い続けて来た、

怒りとも、憎悪とも呼べるあの感情は、

実は、上手くバランスを取って、前に歩むことが出来るようにと、

私を守るための術であったのではないかと、ふと、こんな視点を見つけたのです。

 

無意識に、自分自身でそうしていたのか、

または、密かにあなたの力が加わっていたのかは分かりませんが、

前へと歩むための出来事であったのだという視点は、私を納得させ、

漸く、大きな答えを見つけることが出来たのだと、

あの日の私は、感じていたのでした。

 

ほんの少しだけ、視点を変えてみるとするのなら、

あなたと過ごした、あの16年間の中に、

インパクトの強い言葉が散りばめられていたのは、

実は私を傷付けるためではなく、

あれからずっと先の未来の私が、上手くバランスを取って、

前へと歩んで行くために必要な言葉たちだったと、

こう考えることも出来、

そして、人生とは、

とても上手く作られている、という視点へも繋がって行くのでしょう。

 

そして、ここ最近の私の中へと、

自分の中で、決着を付けた筈の気持ちが再び蘇るようになっていたのは、

この、新たな視点に気が付くためのタイミングが、

来ていたからなのだと思いました。

 

こうして、新たな視点を見つけた私の中へと、

記憶を蘇らせてみても、もう、怒り感情は湧きません。

やはり私は、ひとつの大きな終着点へと辿り着くことが出来たのでしょう。

 

記憶の中にいるあなたへ怒りを向け続けた時間は、

私にとって、とても苦しい時間でした。

でも、お陰で、今の私が此処に存在することが出来ています。

 

あなたと喧嘩をした記憶。

そして、あなたの言葉に傷付いた出来事。

 

こうして文字を並べれば、一見して、ネガティブな物事のようにも思えるけど、

その裏側に隠されたことは、決してネガティブなことなんかじゃなくて。

その裏側に隠された答えを見つけるには、自分の成長が必要で。

 

運命の相手とは、本当に容赦なく、

成長を促す相手でもあるのかも知れませんね。

 

お陰で私は、自分の人生をしっかり生きたいと思える私へと、

成長することが出来ましたよ。

 

 

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