拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

のど飴を選んだ時間

あなたへ

 

先日みつけた、さくらんぼのキャンディを味わいながら、

やがて小さくなって行ったキャンディを噛めば、不意に蘇ったのは、

あの子の巣立ちの前日の日のことでした。

 

あの日の私は、あの子が新居に着いたら、直ぐに食べられるようにと、

お弁当を持たせるために材料を買いに出掛けていました。

 

どんなお弁当を持たせようか。

 

あの子が好きなものを様々に思い浮かべながら、

次々に、材料をカゴに入れ、私が最後に選んだのは、のど飴でした。

 

あの頃のあの子は、ほんの少しだけ風邪気味で、

時々、咳をしていて。

 

あの子が1日も早く、万全な体調に戻りますようにと、

こんな気持ちで、様々なのど飴を見比べながら、

暫くの間、そこへ留まっていたのでした。

 

のど飴には、様々な種類があるけれど、癖のあるものは、あの子は好みません。

かと言って、同じ味だけのものというのも、きっと飽きてしまうでしょう。

それなら、色々な味が楽しめる方が良いのかも知れない。

 

あの時間は、この人生の中で、最も真剣に、のど飴を選んだ時間でした。

 

そうして迎えたあの子の巣立ちの日には、

お弁当を入れた袋の中に、こっそりと、こののど飴を忍ばせたのでした。

 

まさか、先日みつけたさくらんぼのキャンディが、

記憶と記憶の間に紛れてしまっていた、

僅かだけれど大切な時間を、こんなふうに思い出させてくれるだなんてね。

 

鮮明に蘇ったあの日の記憶を反芻しながら、

思えば、あの、のど飴を選んだ時間も、

私にとっての、とても大切な時間だったなと、

もう一度、胸の中へと大切に収め直しました。

 

www.emiblog8.com

 

www.emiblog8.com

 

www.emiblog8.com