あなたへ
そちら側へあなたを見送ってからの私は、
あなたに関する様々な夢を見て来ましたが、
位牌が登場するのは、思えば今回が初めてのことだったなと、
見たばかりの夢を反芻してみたのは、昨夜のことでした。
いつでもあなたの顔を見て、声を掛けていた私は、
思えばこれまで一度も、位牌に声を掛けたことはありませんでしたが、
ふと思い立って、位牌に声を掛けてみたのは、
あの夢が、少し特別であったようにも思えたからでした。
ねぇ、あなた
聞こえる?
位牌に向かって静かに声を掛けてみた時に起こったあれは、
一体、何だったのでしょうか。
私があなたの位牌に声を掛けた直後、右耳だけ、
プツッと現実世界の音が遮断されると、やがて音が聞こえ始めました。
初めは、小さく、そして徐々にはっきりと聞こえて来たそれは、
暫く続いた後、やがてピタリと止んで、
何事もなかったかのように、また現実世界の音が聞こえたのでした。
あの音を耳鳴りと呼ぶ以外に、
どう表現すれば良いのか、私には分かりませんが、
私にはそれが、そちら側から聞こえるものであると感じました。
遺影がきっとそうであるように、
位牌もまた、この世界とそちら側の世界を結ぶものであり、
あの瞬間の私たちは、これまでとはまた違った方法で、
繋がることが出来ていたのかも知れませんね。
あの夢の中のように、あなたのその声を聞くことは出来なかったけれど、
きっと私の声は、あなたのところに届いていてさ。
右耳に聞こえたあの音は、
聞こえてるよって、こんなあなたからのメッセージだったのかも知れません。
あなたを見送ってからの私は、
様々に不思議なものを見つけた来たけれど、
またひとつ、不思議なものを見つけたと同時に、
そちら側の世界が、確かに存在している証拠を、
またひとつ見つけることが出来たようにも感じています。
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