あなたへ
前世の記憶らしきものが蘇ったのは、
あなたよりも7つ年上になったばかりの頃のことでした。
7、という数字が、私たちにとっての特別な数字であったからこそ、
あなたよりも7つ年上となったばかりだったあの頃に、
不思議な記憶らしきものが蘇ったのでしょうか。
今日の私は、あなたよりも7つ年上になった私が歩んだ景色を、
ゆっくりと振り返っていました。
あなたが息を引き取ったあの病院と向き合ったのも、
堕ちて堕ちて、堕ちた先で、
私はこの人生に、真剣に向き合っているのだと気が付くことが出来たのも、
この年齢での私でした。
あの子の言葉をきっかけにして、筋トレを始めたのも、思えば、この年齢でのこと。
筋トレという新たな扉を開いた先では、
本当に様々な視点を見つけることが出来ました。
今の私が、こうして、中身だけは筋肉隆々に日々を歩むことが出来ているのは、
筋トレを勧めてくれたあの子のお陰です。
そして、そう。
あまり思い出したくはなかったけれど、
ひとりで立派に、Gとの戦いに挑んだのも、この年齢でのことでした。
こうして振り返ってみても、あの夜は、本当に恐ろしい夜でした。
出来れば、もう二度と、あのような時間は過ごしたくはないなと思っています。
今の私として、あなたの隣に立ちたい。
ある種の到達点を迎えた私が知ったあの痛みは、今でも忘れることが出来ません。
ですが、此処まで成長することが出来たことは、
こうして振り返ってみても、なんだか誇らしく、
この人生においての自分の成長と痛みは、きっと常に対ではあるけれど、
私は、この人生を通して、成長をし続けていたいなと思っています。
お盆には、あなたからの改めてのプロポーズがありましたっけ。
プロポーズの言葉に対して、
え?何故、今、プロポーズの言葉を?という最低な言葉を返してしまったことは、
こうして思い返してみれば、なんだか笑ってしまいます。
あのプロポーズの意味を理解するのに、
少しだけ、時間が掛かってしまったけれど、
その後の私が綴った文字は、ちゃんとあなたのところまで届いたでしょうか。
毎年のお盆には、不思議なことが起こりますが、
あなたよりも7つ年上となった私が過ごしたお盆には、
本当にたくさんの素敵な瞬間が散りばめられていました。
これもまた、あなたとの7つという特別な年齢差であったからだったのでしょうか。
ゲームを好まない筈の私が、飽きずに楽しんで来たゲームアプリは、
実は私のために作られたものではないのかと、
ふと、こんな視点を見つけたのは、
秋の音が僅かに聞こえるようになった頃のことでした。
新たに持った視点には、なんだか驚いてもしまいましたが、
あの視点を見つけることが出来たお陰で、
あの夏からの私が、どれだけ強く、
あなたに守られながら歩んで来たのかを、気付くことが出来たようにも感じています。
こうしてあなたへの手紙を綴りながら、時々には、
小さな物語を書いてみるようになった私ですが、
あなたよりも7つ年上となった私が描いたあの物語は、
なんだか不思議な流れの中で、文字を綴っていたように感じています。
あの物語を描き始めた当初は、あなたと過ごす7日間の物語を、
緩く短く、描く予定であった筈なのに、
何故だか、次々に、ストーリーが浮かんで来て。
物語を書き進めながら、
それまで知らなかった自分を発見したり、新たな視点を見つけたり。
物語を書いているのは私でありながらも、
実は見えない力のようなものが働いていて、
私は、書いているのではなく、書かされているのではないかとも感じていました。
あの物語の中に散りばめられた言葉たちは、
あれから先の私の背中を、力強く押してくれるものともなりました。
こうして振り返ってみれば、あの物語は、
実は、あなたに書かされていたのではないかとも感じてしまいます。
この人生の半分以上を、
私は、あなたと同じ姓を名乗っているのだと気付いたこと。
新たに迎えた人間の成長期。
ずっと私を苦しめていた時間に、区切りをつけることが出来たこと。
過去の自分が思い描いた自分に、ちゃんとなれていたことに気が付いて、
空へ向かってガッツポーズを決めたこと。
あなたを見送ってから、
初めての厳しいお告げから感じた私の成長。
此処に、あなたよりも7つ年上の私が歩んだ景色が、いっぱいに集まりました。
こうして振り返ってみれば、
あなたよりも7つ年上になった私にとってのこの1年間は、
学びの連続の中で、
大きな成長を遂げると共に、
知らなかった、たくさんの自分との出会いがあったようにも感じています。
私のこの胸の中には、1年前の私が知らなかったものが、いっぱいに集まりました。
私、凄く頑張ったよ。
今日は、胸を張って、あなたへこんな報告をしたいと思います。
あなたよりも、7つ年上という、
私にとっての特別な年齢は、今日で終わりを迎えます。
とても素敵な1年間でした。
私は明日、またひとつ、新たに歳を重ねます。
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