あなたへ
あぁ、そうか。
あの子は、あの夏から、丁度、倍の年齢を迎えるんだなと、
こんなふうに、あの子の成長を見つめたのは、
あの子が間も無く、24歳の誕生日を迎える頃のことでした。
あの夏にいた12歳だったあの子は、毎日、毎日、少しずつ成長し続けて、
丁度、12の2倍となる24歳を迎えるのだと、
あの日の私はこんな気持ちで、それまでのあの子の成長を振り返ったのでした。
私が、あなたと過ごした時間よりも、
あの子と過ごした時間の方が、長くなって行ったように、
あの子にもまた、そんな時がやって来て、
此処からは、あの子の人生という景色の中に、
あなたがいない時間の方が長くなって行くのだと。
0歳から12歳と、13歳から24歳とでは、記憶への残り方がきっと違う。
そんなふうに考えてしまえば、実は、あの子にとってのそんな時など、
とっくに過ぎているのかも知れないけれど、
それでもやはり、私には、あの子が、
ある種の大きな節目を迎えるように感じたのでした。
これからのあの子がどう成長して、どんな笑顔を見せてくれるのか、
より一層、大切に見守るからね。
あの子が24歳の誕生日を迎えた日には、あなたへ手を合わせながら、
こんな報告をしましたが、
あの日の私の声を、あなたは何処かで聞いてくれていたでしょうか。
今日の私は、手帳を巡りながら、
あの子が間も無く24歳を迎える頃に考えていたことを、
そして、あの子が24歳の誕生日を迎えた日のことを思い出していました。
あの夏から先へと歩んだ私は、
大人になることと、年を重ねることの違いを知りました。
私がそうであるように、
これから、どんどん大人へと成り行くあの子もまた、
きっといつの日か、年を重ねるあの子へと成長して行くのでしょう。
あの子が幾つになっても、やっぱりあの子は、私たちの可愛い子。
その年齢を迎えなければ分からない可愛さが、
きっと、永遠に待っていてくれるのだろうと考えれば、
此処から先で見せてくれるあの子の姿が楽しみでもありながら、
私は、きっと何度でも、
あの夏の運命が違っていたのならと、考えてしまうのでしょう。
ある種の大きな節目を迎えた先で見つけるあの子の成長は、
これまでの私が知らなかった痛みを伴うものなのかも知れないけれど、
私は、そこでどんな痛みを知り、
新たに知った痛みを咀嚼することで、何を見つけ、
どんな自分へと成長することが出来るのか。
自分自身の成長もまた、大切に見つめながら、
あなたが私に託してくれたこの景色の中を、大切に生きて行きたいと思っています。
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