あなたへ
この辺りでは、桜の景色も終わりを迎え、
気が付けば、若い緑色の景色へと移り変わりました。
まだ見慣れぬ緑色たちを見つめながら、今日の私は、
今年の私が桜の景色の中で集めたひとつひとつを思い出していました。
雨上がりの水溜りに映った桜の景色が、とても綺麗だったこと。
ねぇ、あなたは知っていましたか。
雨上がりの大きな水溜りに映った桜の景色ってね、とても綺麗なんだよ。
今年の私は、初めて、
水溜りに映る桜が、とても綺麗であることを知りました。
それから、車で通らなければ見ることの出来ない桜の景色たち。
例えば、5年前、10年前の私にとっての日常の景色であったものは、
今の私にとっての日常の景色ではなくなったように、
この桜の景色もまた、今しか見ることの出来ない景色なのかも知れないなって、
今年の私は、今の私の日常の中に溶け込んだ桜の景色を横目に見ながら、
こんなことを考えた日がありました。
人生の中で見つめる日常の景色は、いつまでも同じじゃなくてさ。
いつか、ずっとずっと、遠い未来を歩む私は、
かつての日常の中に溶け込んでいた筈の桜の景色を見てみたくなって、
用事もないのに、この道を態々通ってみたくなる日も来るのかも知れないなってさ。
今日がきっとラストチャンスであると、様々な公園へ出掛けたあの日は、
本当にラストチャンスとなってしまったけれど、
でも、今年の私は、いつかの桜の季節に叶えたい夢をひとつ、
見つけることが出来ました。
桜の木が並ぶ土手の上は、
いつかの私が見つけた菜の花が咲く辺りよりも、
ずっとずっと先に続いています。
菜の花と桜が見えるあの場所まで行くと、
その景色に満足して、引き返してしまう私だけれど、
いつか、菜の花が咲くあの場所を超えて、終着点まで行ってみたいと、
今年の私は、ずっと先まで続く桜の景色を見つめながら、
こんな新たな夢を持つことも出来たのです。
今年の私は、思い通りの桜の景色を集めることは出来なかったけれど、
数年前でも、数年先でもなく、
今の私にだからこそ集めることの出来た景色たちが、
この胸の中へと集まったような気がしています。
集めたばかりの桜の景色をしっかりとこの胸の中へと収めたのなら、
これからやって来る季節もまた、
楽しんで歩んで行こうと思っています。
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