あなたへ
過去のひとつひとつの出来事が、不意に線で結ばれてみれば、
それはやがて多面性を持ち、全く別な視点が見えて来る。
これまでの私の中では、幾つくらい、
こんなふうに、過去の出来事同士の繋がりを見つけて来たでしょうか。
いつでも不意にやって来るその時を、新たに迎えたのは、
あの子の帰省を間近に控えた頃のことでした。
不意に結ばれた点と点。
そこから見えて来た新たな視点。
それらを見つめてみれば、今の私が必要とする何かが見つかるような気がするのに、
その輪郭はボヤけたままで。
あと一歩というところで、考えることを辞めたのは、
あの子との非日常生活の始まりの時間がやって来たからでした。
目の前にあるあの子の笑顔を、
全力で集めることだけに専念しようと決めた私は、
一旦、ボヤけたままの輪郭をそのままに、
あの子との時間を大切に過ごしていましたが、
暫し、ひとりという時間の流れの中に戻ってみれば、
自然と私の頭の中は、新たに持てたばかりの視点についてで一杯になりました。
あと少しで、完成された何かが見えて来る筈なのに、
どうしても、それ以上のものが見えて来ない。
あの子との非日常生活の始まりの直前の形以上のものが見えないままに、
今日の私は、なんだか、溜め息が漏れ出てしまいましたが、
やはり、こんな時には、何度でも、人生の面白さを感じてもしまいます。
一見すれば、今の私にとっては、遠い過去の出来事である筈なのに、
そこにはちゃんと、今の自分に必要であろう何かが隠れていたりして。
過去の自分が何気なくとった行動のひとつひとつには、
実は大きな意味があったりしてさ。
そんな点と点を漸く結ぶことが出来たのに、
ボヤけた輪郭しか捉えることの出来ない今の私は、きっともう少し、
別な何かを集めなければならないのかも知れないけれど、
いつの間にか、必要な何かが集まっていて、
自らがピントを合わせようとしなくとも、
ある日、突然に、今の私には見えない輪郭を捉えられる日が、きっと来るのでしょう。
本当は、少しだけ焦れるような気持ちもあるけれど、
今回のあの子の帰省は、あと少しだけ残っています。
今はまだ、非日常生活の中を楽しみながら、歩んで行く時なのかも知れないなと、
今日の私は、こんな気持ちで、締め括ることにしました。
さて。旅行から帰ったあの子は、
どんな話を聞かせてくれるのかしらね。
あの子の笑顔を楽しみにしながら、今夜はゆっくりと眠りに就きたいと思います。
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