あなたへ
亡くなった人を想うと、天国に花が降るらしい。
私がこんな言葉を見つけたのは、いつの頃のことだっただろう。
いつかの私が見つけたこの視点は、
私を、どこか穏やかな気持ちにさせてくれたと同時に、
花というのは、実は、
そちら側と繋がる特別な何かでもあるのかも知れないなと、
こんなふうにも考えさせてくれるものとなりました。
そちら側に花が降るのだと言うのなら、
実は花は、元々、そちら側に存在していたものでさ。
そちら側が、私たちの本当の故郷だとするのなら、
故郷を忘れないように、この世界には、たくさんの花が咲くのかも知れないなって。
思えば人は、その姿でこの世界に存在する最後の日を迎えると、
花でいっぱいに飾られます。
故人となった人へ、最後に贈るのが花であるのも、
実は、それが関係しているのかも知れません。
この世界を去る時がやって来たのなら、
私たちが贈ったたくさんの花で飾られた道を通って、
そちら側へ還るのかも知れないと、こんなふうにも考えてみた日がありました。
花という存在は、実は、
分断されているようにも思えるこちら側とそちら側の世界を、
繋ぐものでもあるのかも知れないと、今の私には、そんなふうにも思えるのです。
あなたを見送ってからの私に見えるこの世界は、
少しずつ変わり行きました。
あなたの側で笑っていたあの頃の私が、全く興味がなかった花たちに、
何故だか興味を惹かれるようになって行ったのも、
そちら側という世界についてを様々に考えるようになったことが、
実は関係しているのかも知れませんね。
今日の私は、あなたを想いながら、
あなたに降る花を思い描いていました。
私には、いつでも、色とりどりで、
キラキラと光る花たちが降り注いでいるように見えていますが、
あなたには、何色の花に見えましたか。
今日の私は、あなたに、どんな花を贈ることが出来たでしょうか。
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