拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

青春の1ページの先で待っていてくれたもの

あなたへ

 

真っ直ぐに続く道を運転しながら、私がふと思い出していたのは、

あの、青春の1ページの日のことでした。

 

思えば中学生の頃の私は、

この道を歩きながら、あの時間を過ごしたんだったな。

 

またいつか、この道を歩いてみるのも悪くないのかも知れないな。

 

いつの間にか、車で通ることしかなくなってしまったあの、

真っ直ぐな道を見つめながら、

不意に私の中での新しい遊びが思い浮かんだのも束の間に、

でも、今の私は、この道のずっとずっと先を知っていて、

あの頃の私が知らなかった景色を知っているのだと気が付けば、

新しく思い付いた筈の遊びが、急につまらないものへと変わったような気がして、

私の中へと見つけた小さなワクワクは、急速に萎んでしまったのでした。

 

私はいつから、この道のずっと先の景色を知っている私へと変わったのだろう。

 

急速にワクワクが萎んでしまったことが、なんだか悔しくて、

私が初めて、あの道のずっとずっと先の景色を知った日を思い返せば、

そこには、あなたがいました。

 

その道をね、ずっとずっと真っ直ぐに来ると、左側に広場が見えるから

そこで待ち合わせをしよう

 

私たちの家から丁度、真ん中にあるあの広場へ行くために、

思えば私は初めて、あの道をずっとずっと真っ直ぐに、車を走らせたのでした。

 

あぁ、そうだった。

この道のずっとずっと先には、あなたと待ち合わせたあの広場があって。

 

私は、あなたと出会ってから初めて、あの道の先の景色を知ったんだった。

 

私は、あなたと家族になれたから、

あの広場の更に、ずっとずっと先の景色も、知ることが出来たんだ。

 

あの、真っ直ぐに続く道を見つめながら、思い付いた筈の遊びが、

急に、つまらないものへと変わってしまった筈だったのに、

ワクワクが萎んでしまった代わりに、私の胸の中は、

あなたへの愛おしさで、いっぱいになりました。

 

胸の中へいっぱいになったあなたへの愛おしさをただ感じれば、

やがてそれが、泣きたいような気持ちへと変わって行ったのは、

あの、青春の1ページを歩いたあの日のあの道のずっとずっと先には、

まだ高校生だったあなたが居たのだと、

初めてこんな視点を見つけてしまったからだったのかも知れません。

 

互いに、顔も名前も知らないままに、

あれから、それぞれの道を歩み、大人になって。

 

真っ直ぐに続く道のこちら側と、向こう側にいた筈の私たちは、

偶然を装いながら、出会ったんだね。

 

青春の1ページ。

 

こんな言葉に笑いながら、

ただ遠くを目指していたあの頃の私の青春の1ページのずっと先には、

あなたが待っていてくれたんだなって。

 

萎んでしまったワクワクの代わりに、

私は、掛け替えのない大切なものを集めることが出来たようです。

 

 

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