拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

目標

あなたへ


昨日より、ほんの少しだけ、頑張ろう


これは、先日、空を眺めながら立てた目標です。


いつか、あなたは、言いましたね。


ひとつずつだよ と。


それは、時々、焦りすぎてしまう私に、
言ってくれた言葉でした。


あの日、空をぼんやりと眺めながら、
そんなあなたの言葉を思い出していました。


一度に、全部はできないんだよ
ひとつずつだよって。


あなたを見送り、
いつでも、どこか焦っている私は、
何をどうしていいのかも分からないままに、
急ぎ足で、どこか、辿り着く場所を、
見つけようとしていたのかも知れません。


あの日、立ち止まる事が出来て、良かった。

 

不思議ですが、
ほんの少しだけ立ち止まることが出来た私は、
ここからまた頑張れるような気がしました。
焦らず、一歩ずつ、ここからまた歩んで行きたいと思います。

 

 

www.emiblog8.com

 

 

 

温もり

あなたへ


あれから、1年が経ちました。


今でも、はっきりと覚えています。
私の右手に感じた、あなたの手の温もりを。


あれは、昨年の丁度、今頃の事。


突然に、車の調子が悪くなりました。
仕事帰りに、心細さを感じながら、
車屋さんまで辿り着き、
見てもらったけれど、
古い車が故に、
部品を交換しても、直る保証は出来ないという説明で。


車の知識が、全くない私にとって、
あの出来事は、
それまで、なんとか保って来た私の心が、
折れそうな程の出来事でした。


あの日は、
これ以上、自走しない方がいいとの、
車屋さんの言葉から、
車を預けて、自力で帰ったのでした。


雨が降っていて、とても寒い夜でした。

 

やっとの思いで家に帰ると、
突然に、移動手段を失った私は、
泣き出したいような、途方も無い気持ちで、
あんなにも、
あなたに頼りたかった日はありませんでした。


どうしよう


そんな言葉しか出ないまま、
混乱した頭で、
必死に今後の段取りを考えながら過ごしたあの出来事は、
それまでの私の、
最大の試練だったと思います。


そんな出来事があった2日後、私は、夢を見ました。


真っ白な世界の中、ただ、座る夢。


私が、ひとり、膝を抱えて座っていると、
そこに、あの子が来て、すぐ側に座り、
続いて、あなたが来て、すぐ側に座り、
家族3人、丸くなって座る夢でした。


あなたは、こちらを見て、穏やかに笑っていましたね。


逢いたかった


思わず、あなたの手を握ると、
その手は、とても温かかった。


それは、あなたが側にいてくれた頃の、
大きくて、温かな、
とても安心出来る、大好きなあなたの手でした。


夢から目が覚めると、
あんなにも、焦っていた事が嘘のように、
私の気持ちは落ち着いていました。


そして、
そこからは、何もかもが、
順調に進んでいきました。


最悪の状態から、
全てが良い方に転がって行った出来事。


そこには、
見えない力が働いているようにも感じました。


あれから、1年が経ちました。


今でも、はっきりと、
あの日感じた、あなたの温かさを覚えています。


あなたが、守ってくれたんですね。

本当にありがとう。

 

 

 

小さな旅

あなたへ


慌ただしくも、楽しかった連休が終わり、
今日からまた、いつもの生活に戻りました。


今年の私のお休みは、
カレンダーより、ちょっと短い、4連休でした。


この連休には、あの子と、小さな旅に出掛けました。


いつか、3人で行こうね


そう話していた公園を覚えていますか?


毎年、3人で、初詣のお参りに行っていた神社の裏手にある公園。


いつかの初詣の帰りに、
この裏には、公園があるんだよって、
そう、あなたは、教えてくれましたね。

いつか、3人で行こうねって。


あの辺りは、
深夜にしか行った事がなかったから、
景色を気にしたことはありませんでしたが、
昼間に見ると、緑が多く、
とても、綺麗なところでした。


いつか、3人で行こうね


そう話していた公園には、
花がたくさん咲いていて、
静かで、とても素敵なところでした。


園内を散歩しながら、あの子の学校の話や、友達の話。
それから、あなたの話をしながら、
ゆっくりとした時間を過ごしました。


そして、あの子の、お腹空いた の言葉から、
周辺を探索し、
予想外の素敵な場所を見つける事も出来ました。


思えば、あなたを見送り、
こんなふうに、ずっと行きたかった場所へ出掛けたのは、
これが初めてかも知れません。


だって、
あなたと、3人で行きたかった場所は、
ずっと、避けてきたもの。


でも、何故でしょうか。
急に、行ってみたいと思いました。
あの子と一緒に。


行きたい場所へ行く事の出来たこの連休。
とても、楽しかった。


何というか・・・
久しぶりに、ワクワクしました。


日が暮れる頃、自宅に戻ると、
あの子が言ってくれました。


楽しかったね

今日は、ありがとうって。


出来るだけ、見ないようにして来た、
3人で見たかった素敵なもの。


あの子に見せてあげる事が出来て、良かった。


私は、また一歩、
小さく踏み出す事が出来たでしょうか。