拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アルバムに挟んだお守り

あなたへ キミがひとりで歩めるようになる日まで、ずっと一緒だよ 生まれてきてくれて、ありがとう パパとママは、キミのことが大好きだよ こんな言葉で締め括った未来のあの子への手紙を、 アルバムにこっそりと挟んだのは、 あの子が生まれてから、どれく…

人生とは

あなたへ 人生って、なんだろう。 あなたにとって、人生とは、どんなものでしたか。 もしも今、そちら側のあなたへこんな問いかけをしたのなら、 あなたは、どんな答えをくれるのでしょうか。 この世界での人生を全うし、 別な世界にいる今のあなただからこ…

新しい携帯電話

あなたへ 最近、携帯電話の調子が良くないんだよね こんなあの子の声が聞こえて来たのは、 秋の爽やかな風を感じるようになってから、どれくらいが経った頃だったでしょうか。 iPhoneの新しい機種が発売され、絶妙とも言えるタイミングでのあの子の言葉に、 …

偶然重なる出来事たち

あなたへ 先日、食事の準備に取り掛かるために卵を割ると、 黄身が2つ出てきました。二卵黄です。 なんだか、良いことがありそうだな なんて、こんなことを考えながら、 もうひとつ卵を割ると、更に、黄身が2つ出てきました。 あっ、また2回だ 思わずこん…

今のあの子からあなたへの愛の形

あなたへ 私たちの結婚式で配ったプロフィールを見つけたのは、先日のことでした。 そこに詰まっているのは、あの子が知らない、私たち2人だけの時間。 あの頃の私たちの足跡を、興味津々で眺めていたあの子は、 やがて、あなたの言葉を見つけました。 友達…

あなたが知っている私の姿

あなたへ ここにある本を、全部読んでみたい。 ふと、こんな気持ちを思い出したのは、 先日、本屋さんへと立ち寄った時のことでした。 探しもののために本屋さんへと立ち寄ったあの日。 結局、探していたものは見つからなかったけれど、 その変わりに、不意…

全部良かった日

あなたへ 今朝の私は、あなたへの手紙を送り終えると、 早速、あの子を起こしに行きました。 何度くらい声を掛ければ起きてくれるだろうかと、 実は、ちょっとドキドキしていましたが、 意外と、すんなりと起きてくれました。 朝は、食欲がないあの子ですが…

徹夜

あなたへ おはよう。あなた。 起きてる? いえ、そちら側では、眠るという時間は、ないのでしょうか。 こちら側の今は、朝の4時前です。 こんな時間にあなたへの手紙を送るのは、 思えば、初めてのことですね。 え?そんな時間に、何をしているの?って、 今…

特別な1枚

あなたへ 先日、撮ったばかりの、あの子の写真を眺めていました。 これは、リーゼントにバッチリ決めた、 昭和時代を彷彿とさせるようなあの子の写真です。 この写真を撮った日のあの子は、 とても真剣に勉強へと向き合っているように見えていましたが、突然…

不思議な建物のままで

あなたへ あれから、時々、思い出していた、 あの不思議な建物の話を、今日は、あなたにも話してみたいと思います。 先日出掛けた、川沿いの堤防。 あの場所の続きの道で、実は、不思議な建物を見つけました。 敷地内の雑草が伸び、手入れのされていないその…

雨の日の空を眺めながら

あなたへ 今日のこちらでは、雨が降りました。 厚い雲に覆われた空を、ぼんやりと眺めながら、 色々なことを考えているような、何も考えていないような、 僅かな時間ではありましたが、 今日の私は、こんな、ゆっくりとした時間を過ごしました。 雨の日には…

コトバ -1年後の私へ-

今そこにいる貴女は どんな景色を見ていますか 空を見上げて 1年後の私へ問い掛けてみる これまでの私が 相変わらずそうであったように きっと1年後の私も 相変わらず 前を向いたり 後ろを向いたりと 忙しなく 自分のペースで歩む私だろうけれど 1年前の私が…

あの場所の続きの景色

あなたへ いつか、あの場所に行ってみたい ひとりで散歩に出掛けるようになった私が、 やがて、こんなことを考えるようになったのは、いつのことだっただろう。 あの場所。 それは、いつかのあなたが連れて行ってくれた場所です。 あなたは、覚えていますか…

愛しみながら

あなたへ あなたにお線香を上げて、手を合わせること 返事をくれないことを知りながら、遺影に向かって、声を掛けること そして、 少しも減らないあなたのマグカップの中身を捨てて、 新しいコーヒーを淹れ直すこと 日常の中に溶け込んだこれらのひとつひと…

あの子の成長を振り返りながら

あなたへ あんな時もあったな こんな時もあったなって、 あの子の成長を、ゆっくりと振り返りながら、 そこにいるあなたの姿が、鮮明に蘇りました。 それは、 あの子が生まれた日から、毎日、毎日、 あの子の頬を、そして、あの子の髪を撫でては、 優しく微…