拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ズルい男

あなたへ

 

なんかさ、あなたってズルいよね

 

あなたの顔を見つめながら、思わずこう呟いたのは、先日のことでした。

 

あなたって、私が知りたいことを教えてもくれなければ、

私が期待したものもくれない。

 

そして、不意に寂しくなって、その顔を見つめてみても、

ただ黙って穏やかな顔を向けてくれるだけなくせに、

あなたは時々、不意に、その想いを届けてくれるの。

 

いつの頃からか、お告げと呼ぶようになったそれらを集めることは、

あなたのその手を離さなければならなくなった私にとっての、

大切な宝物でありながらも、

でもそれは、私が望んだ時に、

いつでもあなたと話をすることが出来るのとは違う。

あなたは、いつも一方的でさ。

 

なんか、ズルいのよ。

もう!あなたって、ズルい男よ!と、

あの日の私は、相変わらずに微笑み続けるあなたへ、

一方的に、思い付いたままの悪態を向けてみたけれど、

あなたはやっぱり、いつもと変わらずに、表情ひとつ変えることがないままに。

 

あぁ、そっか。

あなたは、私の手の届かないところに行ってしまった人なんだな。

 

私とは、違う存在になってしまったんだなって、

あの日の私は、思い付くままの悪態を勢いよく吐いた後で、

本当は何もズルくはないあなたを、ただただ、長い時間、見つめ続けたのでした。

 

お告げだって、素敵な出来事だって、

あなたが見せてくれるものである筈なのに、

そんな人生も悪くはないと、ちゃんと納得だって出来た筈なのに、

私は不意に何度でも、あなたの声が聞きたくなってしまう。

 

神様みたいなあなたじゃなくて、

人間のあなたと一緒に歩んでいたかったなって、

こんな気持ちを見つけてしまうんだ。

 

何も教えてくれなくても良いし、

不思議な力を使えるあなたじゃなくて良い。

 

雪マークを消すことが出来ないあなたと一緒に、

予報通りの空を見上げながら、

うわー!雪じゃん!なんて騒ぐ人生の方が、良かったな、なんてさ。

 

今日の私は、あなたに手を合わせながら、ふと、

あなたをズルい男と呼んでみた日のことを思い返していました。

 

この人生をしっかりと生きたい私と、あなたと一緒に歩みたかった私。

 

相変わらずに、私の感情は、日々、

振り子のようにゆらゆらと揺れ動くけれど、あれからの私はまた、

しっかりと自分にとっての前を見つめられる私として、

日々を歩むことが出来ています。

 

思えば私は、いつの頃からか、

この人生をしっかりと生きたいと考えられるようになりましたが、

力強く歩めるようになればなる程に、実は胸の奥に感じる痛みもまた、

力強いものになるものなのかも知れないなと、

今日の私は、こんなことを考えていました。

 

 

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最近の私の心配ごと

あなたへ

 

雨が降ったり止んだりと、安定しないここ最近のこの辺りですが、

雨が止めば、聞こえて来るのは、秋の音。

 

夏の終わりを感じさせるそれは、

私にとって、寂しさを助長するものでもありますが、

そんな気持ちもしっかりと感じ切ってみれば、

秋の音もまた、心地の良い音へと変わり行きます。

 

秋の音が聞こえる夜にも、すっかり慣れて来たここ最近では、

静かで、良い音だわよねと、つい、耳を傾けてもしまうのですが、ちょっとですね。

最近、気になることがあるのです。

 

なんというか、最近、秋の音がですね、

とても近くから聞こえるような気がしているのです。

 

秋の深まりと共に、その存在を主張するかのように、

しっかりと聞こえるようになって来た秋の音ですが、

なんだか、非常に、その存在を主張し過ぎているような気がするのです。

 

恐る恐る、部屋の中を見回してみても、

その姿は確認出来ません。

 

ですがやはり、非常に近い場所から、

秋の音が聞こえるような気がしてならないのです。

 

季節の音というのは、

家の中という私にとっての安全な場所から楽しむから良いのであって、

それがもしも家の中から聞こえる音であるならば、

私にとっては恐怖の音以外の何者でもありません。

 

まさかとは思いますが、この家の中へ、

知られざる侵入者がいるということはないでしょうかと、

最近の私は、こんな気持ちで、

あなたの顔を何度も見つめてしまいますが、

あなたは、いつも通りに穏やかな顔をこちらに向けてくれるだけで。

 

ねぇ、あなた。もしもです。

もしも、秋の音を鳴らす何者かが、この家の中へと侵入しているとするのなら、

私が気付く前に、外へと連れて行っておいてくれませんか。

 

もしもあなたへ、こんなお願いをしたとするのなら、

あなたは、聞いてくれるのかしら。

 

 

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ジャノメでおつかい

あなたへ

 

あぁ、言いたい!あなたに言いたい!

 

突然にこんな気持ちを抱えてしまったのは、

天気予報を見つめたことがきっかけでした。

 

ここ最近のこちらでは、雨続き。

天気予報を確認すれば、相変わらずに、傘マークがばかりが並んでいて。

 

ずっと雨か。って、天気予報に並んだ雨マークを見つめながら、

何気なく小さく呟けば、私の中へとふと浮かんだのは、

幼い頃に歌った記憶のある、童謡でした。

 

♪~あめあめふれふれ

かあさんが

じゃのめでおむかえうれしいな~♪

 

この童謡は、きっと、幼かった頃のあなたも、

歌ったことがあるのではないでしょうか。

 

幼い頃振りに思い出したこの歌を、何気なく胸の中で反芻した私は、

ふと、幼い頃に持っていた疑問を思い出したのでした。

 

ところで、どうして雨の日にミシンを買いに行くの?と。

 

幼かった頃の私は、この歌を、

♪~あめあめふれふれかあさんと

ジャノメでおつかいうれしいな~♪

と、歌っていました。

 

幼かった頃の私の、この歌の解釈はと言えば、

雨の日に、お母さんと一緒にミシンを買いに行く歌なのだと思っていたのでした。

ほら。ジャノメミシンってあるでしょう?

 

幼いながらに、ジャノメミシンという言葉を知っていた私は、

何故、わざわざ雨の日に、ミシンを買いに行くのだろうかと思っていたのです。

 

あの歌を、こうして改めて思い返してみれば、

非常に不可思議な歌詞だなと思いました。

そうして調べてみれば、全然、違う歌詞ではありませんか。

 

じゃのめでおつかい、ではなく、

じゃのめでおむかえ、という歌詞であり、そして、じゃのめ、とは、

和傘のことであったことを初めて知りました。

 

どうやら、雨が降ると、お母さんが傘を持って迎えに来てくれて嬉しい、

という歌であり、そして更に、歌詞は5番まであることも知りました。

歌詞を読み進めてみて初めて、登場人物が、男の子であることも知りました。

 

私はずっと、雨の日に、

お母さんと一緒にミシンを買いに行く女の子の歌だと思っていました。

 

色々と驚きました。

 

因みに、この歌の題名は、あめふり、

という題名であることも、実は初めて知りました。

 

ねぇ、あの歌さ、ジャノメミシンの歌だと思ってたよ

あなたもそうでしょう?

 

もしも今、あなたにこんな話をすることが出来たのなら、

あなたは、どんな言葉を返してくれるのでしょうか。

 

あの歌を、ミシンを買いに行く歌だと思い込んでいた幼かった頃の私ですが、

あれから、随分と年齢を重ね、

漸く、本当のことを知ることが出来ました。

 

こうして思い返してみれば、

あの子が幼かった頃に、私があの子に歌って聞かせていた歌はと言えば、

直ぐに口ずさむことの出来た、

私の好きなアーティストの歌でしたが、

うろ覚えの童謡を、あの子に教えなくて良かったなと、

今更ながら、こんなことも、考えてしまいました。

 

 

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