拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

早い流れに乗って歩むコツ

あなたへ

 

とても早い流れの中を歩みながら、

どんなふうに自分の時間を確保するのか。

 

これは、最近の私の課題でしたが、

ここ最近の私は、漸く少しずつ、

そのコツを掴めるようになって来たような気がします。

 

瞬く間に過ぎ行く日々の中、さて、どうしたものかと考えながら、

早い流れに乗って歩むには、全てにおいて、

早い流れを作らなければならないのだと結論を出しました。

 

余計なことは一切考えない。

迷わず動く。

朝起きてから夜寝るまでの間を、ノンストップで動くのです。

 

努力に努力を重ねたら、更に努力を重ねて、

ここ最近の私に流れる時間の早さに負けない流れを作りました。

すると、これまでには手に出来なかった僅かな時間が確保出来る様になりました。

 

これまでには経験したことのない時間の流れの中で、

これまでには経験したことのない生活スタイルに変更したことは、

控えめに言って、キツい、疲れる、しんどい。

3Kならず、KTSです。

そこで私はこれを、KTSプログラムと名付け、毎日、実行したのです。

 

このKTSプログラムでの決まりごとはひとつだけ。

絶対に睡眠時間を削ってはならない、というものです。

 

睡眠時間を削れば、もう少しだけ、

自由になる時間を確保することは出来るのでしょう。

ですが、持続的に流れを加速させるには、

翌日に疲れを残さないことが、必要不可欠だと考えました。

 

それはきっと正解だったのでしょう。

3日坊主となることなく、

このKTSプログラムを続けることが出来ている私の時間の流れは更に加速し、

新しい朝を迎えた筈なのに、いつの間にか、夜にいるという感覚から、

月曜日にいた筈なのに、いつの間にか金曜日にいるという感覚へと変わりました。

 

え?私は本当に1週間をちゃんと過ごしたの?

 

金曜日の夜になると、こんな疑問が出て来るくらいに早い流れですが、

確かに、1週間前には知らなかったものを学び、積み重ねた私が、

ちゃんと金曜日にいるのです。

 

お陰で、漸くあの本を読み終えて、更なる本を購入することが出来ました。

 

あの子は、私に教えてくれた新しい学問の本を読み終えると、

別なジャンルの本に興味を持ち学んでいるようですが、

私は、もう少し、

あの子が教えてくれたジャンルの学問を掘り下げてみたいと思いました。

 

学ぶことが違えば、互いに別な視野が広がって、

次のあの子の帰省にはきっと、話の幅も大きく広がることでしょう。

 

次にあの子と逢える時には、どんな時間が此処に流れるのでしょうか。

今から、とても楽しみで仕方がありません。

 

 

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おじいちゃんが亡くなった時の話

あなたへ

 

昨日の私は、あなたへの手紙を書きながら、

いつの日か、そちら側のあなたから、

電話が掛かって来る日のことを思い描いていました。

 

もしも本当に、そんな奇跡のような日がやって来るとしたのなら、

あなたはどんな声を聞かせてくれるのだろう。

私は何を伝えるのかなって。

 

そんな私の中へと蘇ったのは、

おじいちゃんが亡くなった時のことでした。

 

今日は、おばあちゃんが聞かせてくれた不思議な話を、

あなたにも話してみたいと思います。

 

おじいちゃんが突然に亡くなったのは、あなたと出会う前。

そう。丁度、

大人になることは、きっとつまらないことだと、

そんなふうに、どこか大人になることを拒んだまま、

朝が来るまで笑っていた、あの頃の時期のことでした。

 

おじいちゃんのその姿とのお別れの日が近付いて、

納棺の日を迎えると、おばあちゃんが棺に入れたのは、

たくさんのテレフォンカードでした。

 

天国に着いたら電話をしてね

きっと天国は遠いから、

テレフォンカードをたくさん入れておくからね

 

安らかに眠るおじいちゃんを見つめながら、

こんなふうに声を掛けていたこと、今でもよく覚えています。

 

誰かからの電話が掛かってくるには、

あまりにも遅い時間に鳴った一本の電話に驚きながらも、

受話器を取ると、直ぐに電話が切れてしまったのだと、

おばあちゃんがこんな話を聞かせてくれたのは、

無事に葬儀を終えて、暫くが経った頃のことでした。

 

きっとね、あれは、じいちゃんからの電話だったんだよ

天国はきっと遠いからね

話す前に電話が切れてしまったんだね

でもきっと、無事に天国に着いたんだと思うよ

 

あの日のおばあちゃんは、こんなふうに話を締め括ったのでした。

 

あの頃の私は、とても不思議な気持ちで、

おばあちゃんの話に耳を傾けていましたが、

おばあちゃんがそう感じたのなら、きっとそれは、本物だったのでしょう。

 

説明のつかない不思議な出来事ってきっと、

何の証拠もなくたって、

伝えたい相手には、ちゃんと伝わるように出来ているのよ。

 

おじいちゃんが亡くなっても、

私が知るおばあちゃんは、何も変わることなく、

いつでも笑顔のおばあちゃんだったけれど、

本当は、ひとりで泣いていた日もあったのかも知れません。

 

どうすることも出来ない胸の痛みと向き合いながら、

寂しさを感じた日もあったでしょう。

 

それでもきっと、あの一本の電話は、

おじいちゃんがこの世界から居なくなってしまった先を歩んだおばあちゃんの、

大きな支えとなり、

いつでも、おばあちゃんの人生に、

そっと寄り添い続けたものであったのだと思います。

 

あの時は、テレフォンカードが足りなかったんだよ

 

あら、もっとたくさん入れておけば良かったですね

 

きっと、今頃の2人は、

そちら側で、あの頃のことを振り返りながら、

こんな話をして、笑っているのかも知れませんね。

 

 

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昔の人の携帯番号

あなたへ

 

060から始まる電話番号が開放されるのだと、

こんなニュースを目にしたのは先日のことでした。

 

思えば、電話と言えば自宅に設置された電話が一般的だったのは、

随分と昔の話。

 

ひとりにつき1台の携帯電話は当たり前という時代へと移り変わりましたが、

ひとりで複数台の携帯電話を所有することも、決して珍しくはないのでしょう。

 

思えば社会人になったあの子も、自分の携帯電話と、

会社から支給されている携帯電話の2台を所有しています。

 

時代はどんどん進化するんだなって、こんな気持ちで、

見慣れない060という数字を見つめながら、

ふと、私が思い出していたのは、いつかのあの子の声でした。

 

090から始まる電話番号を使っている人ってさ

昔の人ってイメージがあるよね

 

気が付けば、随分と長く使っている私の携帯番号を、

昔の人の携帯番号だとあの子に笑われたのは、

いつの頃のことだっただろう。

 

この世界では、時代の移り変わりと共に、

あなたが知らなかった景色へと、どんどん変わり行きますが、

それに伴って、価値観も変わり行くものなのかも知れません。

 

これを機に、携帯番号を新しいものにしてみようかしらなんて、

なんだか、新しい携帯番号が気になってしまった私ですが、

やっぱり、辞めておこうかな。

だって、今の私が使っている携帯番号は、

あなたと一緒に、変えたものだから。

 

ねぇ、あなたは覚えていますか。

 

まだ小さかったあの子と家族3人で、家電量販店へと出掛けたあの日、

携帯電話コーナーを見て回りながら、

新しい機種に変えようか

それなら、電話番号も新しいものに変えようかって、

思い付きでこんな話になって、2人で新しい携帯番号へと変えたのよ。

 

あの後の私たちに待っていたのは、家族や友人知人、会社の人なんかに、

連絡先が変わったことを知らせなければならないという作業でしたが、

あの、少しだけ面倒な時間も、こうして振り返ってみれば、

なんだか楽しかったですね。

 

あの日、あなたと2人で変えた携帯番号は、

今も変わらずに、私の手の中にあります。

 

ねぇ、あなたは、

今でも私の携帯番号覚えているのかな。

 

もしも、このまま一生、

この携帯番号を使い続けたとしたのなら、

いつの日か、一度くらい、そちら側から電話をくれるのかしら。

 

そんな期待を込めて、私は、

いつかのあの子曰くの、

昔の人のイメージの携帯番号のままでいようかなと思っています。