拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

コトバ

コトバ -春- 2022

春の風を覚えていますか 春の色を覚えていますか 春の匂いを覚えていますか その髪を揺らす爽やかな空気を その瞳に映る鮮やかさを 鼻を擽る甘い香りを 覚えていますか 一緒に過ごした5番目の春 玄関に並んだ小さな靴 庭先に転がった緑色のボール 見つけたも…

コトバ -冬- 2022

冬の色を 覚えていますか 冬の音を 覚えていますか 冬の匂いを 覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 冬の澄んだ空気の匂いを 覚えていますか 一緒に過ごした 5番目の冬 家族3人で迎えた 初めての新しい年を 覚えていますか 慌ただしい毎日…

コトバ -1年後の私へ-

今そこにいる貴女は どんな景色を見ていますか 空を見上げて 1年後の私へ問い掛けてみる これまでの私が 相変わらずそうであったように きっと1年後の私も 相変わらず 前を向いたり 後ろを向いたりと 忙しなく 自分のペースで歩む私だろうけれど 1年前の私が…

コトバ -秋- 2021

秋の色を覚えていますか 秋の音を覚えていますか 秋の風を覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 その肌で感じた温度を 覚えていますか 一緒に過ごした5番目の秋 3人で見た最初の秋を覚えていますか 爽やかな風と秋に染まる景色 ベビーカー…

コトバ -2014年8月7日のあなたへ-

あなた!頑張って! 泣きながら叫んだこの声は きっと あなたの耳に届いていたんだね まだ一緒にいたいよ 私のお願いを聞いてくれたあなたは きっと最後の力を振り絞って 戻ってきてくれたんだね ありがとう その手を そっと握り締めて あなたの温もりを感じ…

コトバ -夏の音-2021

今年もまた夏が来たよ 空を見上げて そっと目を閉じてみる 夏の音に耳を澄ませながら 彼と出会ってからの夏を 順番に思い出すのが 夏の始まりの私の恒例となった この記憶の中を歩くように 幾つもの夏の彼に逢いに行く 初めて出会った夏 2番目の夏 3番目の夏…

コトバ -翼を持つキミ-

格好いい翼だね 青空の下 気持ち良さそうに飛ぶその姿に 声を掛けてみる 空を飛べるキミなら 彼がいる場所への行き方を 知っているのかな 彼は今 どんな場所にいるのだろう ねぇキミは見たことある? 彼が今いる世界を 神の使いとも呼ばれるキミのその瞳には…

コトバ -空へ-

元気でいますか 何処かで笑っていますか 真っ直ぐに空に手を伸ばして 目を閉じてみる そこから何が見えますか 今日は何をしていましたか あの夏からの私は 何度こうして 彼に問いかけてきただろう 空を見上げては 泣いてばかりいた私だったけれど いつの頃か…

コトバ -あの春のキミ送るエール-

あれから5年が経ったんだ あれからの毎年 この時期になると あの日のことを思い出す 恐らく あの日の私は この人生の中で唯一 死に近い場所にいたのだろう 今振り返ってみても この人生の中で あれほどに 私が私でなくなってしまった日を知らない あの時 少…

コトバ -波- 2021

彼に逢いたい 彼の声が聞きたい 何処にいるの?寂しいよ 彼の分まで頑張ろう いつか彼に逢えたら たくさんのいい報告が出来るように 頑張ろう それは寄せては返す波のように 繰り返す私の気持ち 逢いたい 頑張ろう 逢いたい 頑張ろう 繰り返し 繰り返し やっ…

コトバ -春- 2021

春の風を 覚えていますか 春の色を 覚えていますか 春の匂いを 覚えていますか その髪を揺らす爽やかな空気を その瞳に映る鮮やかさを 鼻を擽る甘い香りを 覚えていますか 一緒に過ごした4番目の春 あの頃の景色を覚えていますか あなたと出会って4番目の春…

コトバ -キラキラと光る風に乗せて-

爽やかに吹く風は 淡い色を持っていて キラキラと光り 風が吹く度に 開いては閉じる 小さな花たちは 開く度に色を変えるの 彼がいる世界は きっと そういう世界 風に乗せた私の想いは やがて キラキラと光る風へと引き継がれて 彼のところまで運ばれていくの…

コトバ -冬- 2021

冬の色を 覚えていますか 冬の音を 覚えていますか 冬の匂いを 覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 冬の澄んだ空気の匂いを 覚えていますか 一緒に過ごした4番目の冬 2人きりで過ごした 最後の冬を覚えていますか 間も無く生まれる小さな…

コトバ -クリスマスプレゼント-

メリークリスマス とても小さな声で そう声を掛けてみる 今夜の私の声は きっと彼には届かないだろう だって 1年の中で いちばん小さな声だもの そうして 彼には気付かれないように そっと クリスマスプレゼントを置いた 明日の朝 どうか彼の枕元に このプレ…

コトバ -クリスマスパーティー-

クリスマスパーティーの準備を整えながら 部屋中を見回してみる もしも運命が違っていたら 今日の此処には どんな時間が流れていたのだろうかって あれから7回目のクリスマスパーティー 思えば あの頃よりも 随分 形が変わったな 住む場所が変わり あの子の…

コトバ -秋- 2020

秋の色を覚えていますか 秋の音を覚えていますか 秋の風を覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 その肌で感じた温度を 覚えていますか 一緒に過ごした4番目の秋 ふたりだけで見た 最後の秋を覚えていますか 産婦人科でもらった あの子のエ…

コトバ -幸せな人-

私は とても幸せな時間を知っている 好きな人が出来たの 友人にそう報告する直前の 胸の奥が擽ったい瞬間を知っている 好きな人からの連絡を待つ時間は なんだかソワソワと落ち着かなくて 着信音が聞こえた時には ほんの少しだけ胸の奥がキュッてなる そんな…

コトバ -カウントダウン-

7 6 5 4 3 2 1 0 これは誰にも話したことのない 8月8日で止まるカウントダウン 私の中に このカウンターが設置されたのは 彼が亡くなった翌年のことだった カウントダウンが始まると 私にまとわりつく夏の暑さに 息が出来なくなるような苦しさを覚える 目の…

コトバ -夏の音-2020

今年もまた夏が来たよ 待ちわびた青空を見上げながら 空の彼方にいる彼に 夏の始まりを報告する 梅雨明けの太陽が やけに眩しく感じたのは ずっと 雨や曇り空ばかりを眺めていたせいだろうか 夏の音を聞きながら 目を閉じると 彼と出会った最初の夏から順番…

コトバ -隔てるもの-

彼が此処にいないなんて嘘だよ 目を閉じれば 必ずそこにいてくれる彼に 必死で手を伸ばしたことは これまでに何度あっただろう 瞼の向こう側にいる彼が 消えてしまわないようにと ギュッと目を閉じたことは これまでに何度あっただろう 次に目を開いた瞬間に…

コトバ -初夏の風-

初夏の爽やかな風が頬を撫でる 間も無くやって来る夏の季節に 心が躍る 今年はどんな夏になるのだろう ただただ 夏が待ち遠しくて 初夏の爽やかな風を感じるこの季節になると 意味もなくワクワクとした気持ちでいっぱいだったのは あの夏を迎えるまでだった …

コトバ -春-2020

春の風を 覚えていますか 春の色を 覚えていますか 春の匂いを 覚えていますか その髪を揺らす爽やかな空気を その瞳に映る鮮やかさを 鼻を擽る甘い香りを 覚えていますか 一緒に過ごした三番目の春 あの頃のふたりを覚えていますか 同じ将来を思い描いたあ…

コトバ -彼女-

「彼がいない寂しさは 少しずつ 薄れていくものなのかなって思っていたよ それなのに いつまで経っても 寂しさは消えないんだ」 『うん』 「笑っていてもね フッて彼の顔が浮かんで寂しくなるの この楽しい気持ちを 彼と共有することは もう出来ないんだなっ…

コトバ -言葉に出来ないもの-

例えば あの時とかあの時 それから あの時も 彼を見送ってからの私には 度々不思議な出来事が起こった それらのほんの一部だけを 言葉に表現しながらも その殆どは この胸の中へと納めたまま 誰にも話してはいない いや 話すことも文字にすることも出来なか…

コトバ -冬- 2020

冬の色を 覚えていますか 冬の音を 覚えていますか 冬の匂いを 覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 冬の澄んだ空気の匂いを 覚えていますか 一緒に過ごした三番目の冬 出会ってからの月日を見つめながら 同じ未来を思い描いた あの日のふ…

コトバ -同じ空の下-

大変でしたね 辛い思いをしましたね 今はたくさん泣いていいと思います 我慢なんて必要ありません 空を見上げながら 名も知らない方へ問いかけてみる 食事はとっていますか 眠れていますか 夜は冷えるので暖かくして下さいね その気持ち よく分かりますだな…

コトバ -秋-2019

秋の色を 覚えていますか 秋の音を 覚えていますか 秋の風を 覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 その肌で感じた温度を 覚えていますか 一緒に過ごした3番目の秋 海辺で過ごした 2人の時間を覚えていますか あの日 あなたに伝えたのは ず…

コトバ -母へ-

私が 貴女を始めて お母さんと呼んだ日を 知っていますか あれは彼の告別式を終え 間もなくのことでしたね 庭の畑 貴女が大切に育てた野菜を 一緒に収穫しながら まるで世間話でもするかのように 不意に言ってくれたのでした あなたは嫁ではなく娘だからね …

コトバ -5年-

彼を見送ってから 5年と1ヶ月ほどが経った 彼を想いながら生きてきた この5年間という月日を振り返りながら 私は初めて 長かったと感じた 彼を見送ってからの月日に対して こんなふうに 何かを感じるのは初めてのことだ 相変わらず この月日を もう と表現す…

コトバ -あの日、死んでしまった私へ-

あなたは私の中の何処かに隠れて 眠っているんだと思っていたよ 何処に隠れているのだろうって ずっと探していたよ でも もう私の中に あなたはいなかったんだね あなたはあの日 誰にも知られないまま 彼と一緒に死んでしまったんだね この5年間 そのことに…