拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2017-01-01から1年間の記事一覧

歩み -2017-

あなたへ もうすぐ、今年が終わります。 あなたが知らない2017年。 この1年で、私たちの環境は大きく変わり、振り返ってみれば、あの子にとっても、私にとっても、とても、成長できた年だったと思います。 初めて見たもの初めて感じたこと挑戦したこと発見し…

年賀状

あなたへ 楽しみにしていたクリスマスが過ぎ、今年も残り僅かとなりました。 毎年のこの時期になると、家族3人揃って、年賀状を書きましたね。 3人で、デザインを考え、パソコンで、編集してくれるのは、あなた。使う写真を選ぶのは、私の役割でした。 時間…

サンタクロース

あなたへ あの子が、サンタクロースは、私たちなのだと気が付き始めたのは、あの子が、幾つくらいの頃だったでしょうか。 あなたを見送り、初めて、あの子と、2人だけのクリスマスを迎えた年から、クリスマスプレゼントは、あの子自身に選んでもらうようにな…

クリスマスパーティー

あなたへ 今日は、クリスマスイブ。毎年、この日は、我が家でのパーティーの日ですね。 あなたへの招待状は、ちゃんと届いたでしょうか。 今年は、お付き合いで頼んだケーキが加わり、クリスマスケーキが2つになりました。 毎年定番のチキンやサラダ。それ…

招待状

招待状 明日、クリスマスパーティーを開きます。今年は、例年よりも、ちょっぴり豪華な食事を予定しています。 是非、来てくださいね。 日時:2017年12月24日(日 )19時より 場所:家族の部屋にて 軽装でお越しください。 あなたの妻、あの子より //

コトバ  -クリスマスツリー-

もうすぐクリスマスだよ 白い息を吐きながら見上げた空に光る たくさんの星に3人で見たイルミネーションを思い出したよ いつか大きなクリスマスツリーが欲しいねって言ったら彼は笑って言ったんだ どこに置くのって 決して広いとは言えなかった3人で暮らした…

スキンケア

あなたへ 毎晩、お風呂上がりにするスキンケア。先日、ふと、この化粧品を使い始めたきっかけを、考えていました。 あの子の妊娠と共に、少しずつ、肌質が変わっていった私。 それまでの私は、大きな肌トラブルなく、困ることは、あまりなかったけれど、出産…

最後の家族写真

あなたへ 最後の家族写真を撮った日のことを覚えていますか? あれは、あなたがそちら側へ旅立つ11ヶ月程、前のことでしたね。 あの子のリクエストで、遠方まで、遊びに行くことになった私たち。仕事が忙しい最中、あなたは、予定を調整し、休みを取ってくれ…

新しいテレビ

あなたへ 近頃、調子が悪かった我が家のテレビ。暫く、なんとか誤魔化しながら視聴していたものの、思い切って、テレビを買い換えようと決めたのは、テレビが大好きだったあなたの顔が浮かんだからでした。 何処に行く時も、一緒だったあなた。 あの子と2人…

この瞳に映る景色

あなたへ もしも、あの時、少しだけ運命が違っていて、今も変わらずに、家族3人で過ごす毎日が此処にあったら、私たちは今、どんな時間を過ごしていたでしょうか。 あれから、3年と4ヶ月。 もしも、少しだけ、運命が違っていたら、私は、あなたから何を学び…

朝焼け

あなたへ こちらでは、随分と日の出が遅くなりました。 出勤時間が早かったあなた。 寒くなってきた今頃に、あなたは、この時期の美しさを教えてくれましたね。 日の出が遅くなる今頃の時期になると、あなたの出発時間は、薄暗い時間帯。まだ暗い時間から、…

手帳

あなたへ こちらでは、今日から、12月になりました。手帳のスピンを今月に挟みながら、この11ヶ月の出来事を見返してみました。 私の予定、あの子の予定が書き込まれたこの手帳には、あなたの予定だけ、書くことがなくなってしまったけれど、あなたとの思い…

記念樹

あなたへ 毎年、あなたの実家から届くキウイフルーツが、今年も届きました。 あなたの実家の庭にあるキウイフルーツの木が、あなたの記念樹だと知ったのは、あなたのお父さんが、そちら側へ旅立ち、間も無くの頃でした。 あなたが生まれた時に、お父さんが植…

黒のダウンジャケット

あなたへ 近頃のこちらは、随分と寒くなって来ました。 先日、夕方から、外出予定だったあの子が、出掛ける前に、着て行く服を迷いながら、これ、どうかな?って、私に着て見せたのは、あなたのお気に入りだった、黒のダウンジャケットでした。 これ、すごく…

夜の広場

あなたへ 先日、雨が降る寒い日に、武道のお稽古場まで、あの子を迎えに行った夜のことでした。 少し早く着いた私は、車内から、静かな夜を眺めました。 厚い雲に覆われた夜空。フロントガラスに、静かに当たる雨。 暖房を掛けた車内で、あなたを待っていた…

オレンジ色のバッグ

あなたへ あなたを見送ってから、ずっと、私には、触れられないものがありました。 あなたの仕事用の、オレンジ色のバッグ。 毎日、あなたと一緒に、仕事に出掛けていたそれは、あまりにも特別である気がして、ずっと、向き合えないでいたあなたの遺品でした…

ハロウィン

あなたへ 今日は、ハロウィンです。毎年のこの日、我が家でも、ハロウィンを意識した夕飯を楽しむようになったのは、いつの頃からだったでしょうか。 あれは、初めて、ハロウィンのメニューに挑戦した年のことでしたね。 ジャック・オー・ランタンをイメージ…

Sボード

あなたへ あなたについて、誰かに聞かれたとしたのなら、 私は、まず、こう答えると思います。 あなたは、なんでも出来る人だった あなたは、器用で、頭が良くて、勘の良い人でした。何をしても、すぐに出来てしまうあなたのことが、 羨ましくて、ほんの少し…

コトバ -秋-

秋の色を 覚えていますか秋の音を 覚えていますか秋の風を 覚えていますか その瞳に映った景色その耳で感じた季節その肌で感じた温度を覚えていますか 一緒に過ごした初めての秋 少し肌寒い夕暮れにふたりで寄り添ったこと 私の温度を 覚えていますか 自然が…

あなた

あなたへ ねぇ あなた ねぇ あなた なんでもないただ、呼んだだけ 私は、あなたと出会って、何度、あなたの名前を呼んだでしょうか。 あなたのこと、こう呼んでもいい? 出会ったばかりの私たちは、そんな初々しい会話がありましたね。 初めて、あなたの名前…

大人の味

あなたへ あなたの好みのコーヒーは、砂糖を多めに入れた、甘いコーヒー。あなたと一緒に、コーヒーを飲んでいた頃の私は、あなたの半分程の砂糖を入れたものが好みでしたが、今は、砂糖を入れず、ミルクだけで飲むようになりました。 そして、あなたを見送…

あなたにしか出来ないこと

あなたへ 俺の字、汚いよね 先日、宿題をしていたあの子の一言から、あなたが書く、字の話になりました。あなたの字は、均等で、真っ直ぐで、とても、綺麗な字でした。 俺が小学生の頃、親父に教わったんだ そう話してくれたのは、あの子が小学生の頃でした…

帽子

あなたへ 先日、あの子の部屋を何気なく見渡すと、高いところに飾ってある、あなたの帽子が目に留まりました。 何故だか分かりませんが、自分の居場所は、ここだと言わんばかりに、そこにあるように見えたその帽子は、ひっそりと、あなたを待っているように…

新しい手帳

あなたへ 先日、来年用の手帳を買いました。 新しい手帳を買うと、まずは、2月5日のページを開く私は、毎年のこの時期、あなたの誕生日を知った日のことを思い出します。 あなたと出会って、初めての秋。翌年用の可愛い手帳を買ったばかりの私は、あなたに見…

パラレルワールド

あなたへ あれは、あなたと一緒に、パラレルワールドが描かれた映画を観た後のことでした。 パラレルワールドが、本当にあったら、面白いね 何気なく言った私のこんな一言から、 あなたは、パラレルワールドはあると考えているのだということを、 話して聞か…

前髪が上手に切れた日

あなたへ 先日、前髪を切りました。 あの日、ハサミとコームを準備した私は、鏡の前で、目を閉じて、前髪を切ってくれていた時の、あなたの事を思い出していました。 目を閉じた私のすぐ前に座るあなた。私の前髪を指で挟んだあなたの手の感触。そっとハサミ…

アルバイト

あなたへ あの子の夏休みが終わり、またいつもの生活が始まりました。 実は、あの子は、夏休みから、アルバイトを始めました。これからは、学校、武道のお稽古、アルバイトと、忙しくなるあの子ですが、とても張り切っています。 アルバイトを始めてから、1…

来世

あなたへ 来世って言葉があるでしょ?またいつか、生まれ変わるってこと。 思えば、あなたとは、そのことについて、話したことがなかったような気がしますが、あなたは、前世や来世について、どんな考え方だったのかな。 私はね、前世や来世って、あるんじゃ…

3度目の夏

あなたへ 8月最終日の今日は、雨降りの1日でした。あれから、3度目のこの夏は、曇りや雨の日が多く、夏らしくない夏のまま、気が付けば、随分と日が短くなりました。このまま、秋を迎えるようです。 空を眺めては、あなたを想い、寂しい気持ちだったのは、天…

コトバ -弱虫の抜け殻-

平坦で石ころのひとつも落ちていない道のど真ん中でうずくまった 彼が守ってくれていた世界はもう何処にもないのに怖くて踏み出せない一歩に私は自分の足を呪った 自分の居場所はここではないと分かっているのに一歩が踏み出せない私は弱虫だ 坂道でもなく石…