2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
あなたへ 「つくる」の仕事をしていたあなたの姿に憧れて、 そして、 鮮やかに生き続ける、記憶の中のあなたの笑顔を追いかけて、 あの子は自分の歩む道を見つけました。 「つくる」は同じでも、つくるものが、少し違う。 あの子が今、真っ直ぐに歩んでいる…
あなたへ 人生、こんなものですよ この言葉が、あの子と私の中に深く根付いたのは、 間も無く、この場所へ引っ越そうとしている頃のことでした。 あれは、ライフラインの開通作業の日のこと。 あの日は、作業員の方と私の都合が合わずに、 事前に確認した上…
あなたへ ねぇ、あなたは知っていましたか。 死別後の再婚はね、 とても難しいと言われているそうですよ。 あの日のあなたの言葉を思い返しては、 いつか、あなたに伝えなければいけないと、思っていたことがあります。 あれは、昨年のお盆の前日のことでし…
あなたへ あなたを見送り、最初の秋に生まれた、甥っ子が、 今年、小学生になりました。 入学先は、あなたが通っていた小学校です。 毎日、元気に、学校へ通っているようですよ。 あなたの実家から随分先の、 大きな道路へ出たところからバスに乗っての登校…
あなたへ 今日はさ、ここに行かなきゃならないんだよね 面倒だな そう言って、私の顔を覗き込んだのは、昨日のあの子です。 え?な、なにか?なんて、目を逸らせば、 そんなことを言いながらも、 お母さんは、連れて行ってくれるんだよね こんなことを言いな…
あなたへ あなたを見送ってからの私は、 次の来世で、あなたと出会う日のことを、何度、思い描いただろう。 その時の私は、きっと、あの時と同じ気持ちがするんだろうな。 あぁ、この人だ やっと逢えたって。 来世での私の気持ちを思い浮かべては、 どんなに…
あなたへ もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、 私たちは、あの子の成長を見つめながら、 どんなふうに向き合っていたのでしょうか。 例えば、あの子の反抗期には、 何を話し合い、親として、どんなことを学んだのだろう。 例えば、高校を辞めたいと言…
あなたへ あなたはきっと、言うんだろうな。 それはもう、今の俺じゃないんだよ そうだな・・・ それは、抜け殻みたいなものかな 俺はね、此処にいるんだよって。 姿が変わったあなたを大切に拾い集めて、 一緒に我が家へと帰宅したのは、 あなたが息を引き…
あなたへ 通勤途中に見かけたのは、真新しい制服に身を包み、 お母さんに手を引かれて登園する幼稚園生の姿でした。 可愛いな 信号待ちに、小さく可愛らしいその姿を眺めながら、 ふと、思い出したのは、 たった一度だけ、 幼稚園には行きたくないと泣いたあ…
あなたへ 夢の中のあなたの、 強く温かだったその腕の中を思い出していました。 もし、出来れば、あのまま、もう二度と、離れたくなかったね。 今日のあなたは、何を考えていましたか。 そちら側で、寂しい思いはしていませんか。 今日の私は、晴れた空を見…
あなたへ ガラケーと呼ばれる、カメラ機能が付いた二つ折りの携帯電話を、 初めて購入したのは、 あの子が、1歳のお誕生日を迎える頃のことでした。 デジタルカメラを持ち合わせていなくても、 いつでも写真を撮ることが出来たカメラ付きの携帯電話は、 あの…
あなたへ あなたの夢を見ました。 いつもとは違うあなたの遺影のポーズに、 思わず、遺影をじっと見つめると、突然に、遺影の中から飛び出して、 あなたが此処に帰って来てくれた夢でした。 あなたが帰って来てくれたことが嬉しくて、 思わず、あなたを強く…
あなたへ 昨日は、てるてる坊主を作って、 雨が降りませんようにと願ったあの子。 天気予報では、朝から雨の予報でしたが、 今日のこちらでは、朝から曇り空が広がりました。 今朝のあの子は、曇り空を見上げながら、 てるてる坊主って凄いね なんて、呟いて…
あなたへ 専門学生になってからのあの子は、 大量の課題に追われることも多いために、 都合の良い日にだけ働けるスタイルのアルバイトをしています。 机に向かって勉強をする時間が増えたあの子にとって、 たまのアルバイトは、良い気晴らしになっているよう…
あなたへ 夏休みや冬休み、そして、春休み。 長いお休みに入ると、必ずと言っていい程に、 生活リズムが大幅に狂ってしまうあの子。 早い時間に布団に入っても、なかなか眠ることが出来ないままに、 明け方になってしまうことが、新学期の始まりの恒例でした…
あなたへ とても、いい人生だった この人生の最期の時は、 そう思いながら、目を閉じたい。 いつか迎えに来てくれたあなたの手を取りながら、 ねぇ、あなた とても良い人生だったのよ あなたと出会えたから、こんなに素敵な人生を送れたのよって、 そんなふ…
あなたへ 先日、押し入れの中を掃除しながら、見つけたのは、 あなたが使っていた、ハンズフリーのイヤホンマイクでした。 これ、お父さんのだよね? 俺が貰ってもいい? あの子は、なんだかとても嬉しそうに、 あなたのイヤホンマイクを手に取りました。 勿…
あなたへ 愛しむ これは、いとおしむ、いつくしむの他に、 「おしむ」とも読むことが出来るのだそうです。 「愛しむ」は、惜しむ、よりも、 愛情が篭った意味合いを表す文字なのだそうです。 見つけたばかりの文字を見つめながら、 あの夏のあなたに向けた私…
あなたへ これで、最後ね 春休みの少し前、 あの子のこんな言葉と共に渡されたのは、 1年生最後の模型の作品でした。 1年間を通して、様々なことを学んできたあの子の最後の作品は、 初めて作ったそれよりも、随分と進化し、 発想も、とても豊かで面白い作品…
あなたへ あの頃のあなたは、 どんな未来を思い描いていましたか。 あの頃のあなたが思い描いた私たちは、 今、此処にいるでしょうか。 此処は、あなたがいない世界。 此処に生きるあの子と私は、 あの夏のあなたから見たら、どんなふうに見えるでしょうか。…
彼に逢いたい 彼の声が聞きたい 何処にいるの?寂しいよ 彼の分まで頑張ろう いつか彼に逢えたら たくさんのいい報告が出来るように 頑張ろう それは寄せては返す波のように 繰り返す私の気持ち 逢いたい 頑張ろう 逢いたい 頑張ろう 繰り返し 繰り返し やっ…
あなたへ 親が子供に与える影響って、大きいと思うよ 俺はね、お母さんが言ってることは、 殆ど全部、正しいと思っているよ これは、先日のあの子の言葉です。 何気ない雑談から、私が幼少の頃の思い出話を語ると、 親が子に与える影響の大きさについて、 あ…
あなたへ 春眠暁を覚えず こんな言葉がありますが、 最近の私は、眠くて、眠くて、仕方がありません。 自律神経の乱れ メラトニンの分泌量 肝臓の疲労 この時期に眠くなる理由は、様々にあるようですが、 私が、この時期に眠くなってしまうのは、 春の暖かな…
あなたへ あれ?ピンクの蝶々だ ピンク色はね、珍しいんだよ 唐突に、隣から聞こえたのは、こんなあなたの声でした。 あなたの夢を見ました。 それは、あなたと2人で、ドライブを楽しみながら、 ヒラヒラと舞う、ピンク色の蝶々を見つける夢でした。 夢の中…
あなたへ ここ最近の私が、密かに怯えているのは、地震についてです。 様々な地で、大きめの地震のニュースが目につくようになったのは、 ここ数ヶ月のこと。 この辺りでも、大きめの地震があったのは、まだ寒い頃のことでした。 携帯電話の警報音、テレビか…
あなたへ 先日のあの子は、あなたの夢を見たと話してくれました。 お父さんの夢を見たって言うよりも、 夢の中で、お父さんを見たって言った方が良いのかな こんな言葉から始まった、あの子の夢の中の話。 その夢は、 あの子が友人との遊びから帰って来たと…
あなたへ 桜の花が満開を迎えましたと、 あなたへこんな手紙を書いたのは、先日のことでした。 今年のこちらでは、桜の花が満開を迎えると、間もなくに、 強い風と共に激しい雨が降りました。 この時期の雨は、花散らしの雨と呼ばれるそうですが、 その言葉…
あなたへ 今日はエイプリルフールだから、 あなたに、素敵な嘘をついてみたい。 こんな悪戯な心に、なんだか少し、ワクワクしながら、 どんな嘘をついてみようかと考えてみたけれど、 結局、何も思いつかないままに、 あなたがついてくれた、優しい嘘を思い…