拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたの姿が最後にしてくれたこと

あなたへ 不意に届く香りというは、 心の奥底に仕舞っていたはずの記憶を、 半ば強引に引き出す力を持っているものなのかも知れませんね。 あの日の私に不意に届いたのは、焼香の香りでした。 思いもしなかった場所で見つけた香りに、 思わず立ち止まった私…

必要のない教えは全部捨てなさい

あなたへ 必要のない教えは、遠慮せずに全部捨てなさい これは、巣立ち前のあの子に話したことのひとつでした。 私たちは、たくさんのことをあの子に教えて来ましたね。 それら全ては、 あの子が幸せな人生を歩むことが出来るようにと願いながら、 教えたこ…

あなたのごめんねの声

あなたへ 瞑想なるものに私が初めて出会ったのは、 いつの頃のことだったでしょうか。 あの、不思議な感覚を忘れることが出来ないままに、 あれからの私は、眠る前になると時々、 誘導瞑想に挑戦をしてきましたが、 何度挑戦してみても、途中で眠ってしまっ…

時代の流れを見つめながら

あなたへ このお菓子、販売終了になっちゃうんだね なんだか、寂しいな あなたを見送ってからの私は、何度くらいこうして、 インターネットで見つけた定番のお菓子の販売終了のお知らせに、 寂しい気持ちを感じて来ただろう。 中には、頻繁にあなたへお供え…

我が家の記念写真

あなたへ 昨夜の私が眠る前に眺めていたのは、 先月のあなたのお誕生会の日に、あなたと2人で撮った記念写真です。 ねぇ、あなたは気付いていましたか。 クリスマスパーティやお誕生会。 あの子の入学式や卒業式。 あの子の成人式の日。 それから、 あの子の…

大切な人に最後に求めるもの

あなたへ あなたが最後に親御さんと手を繋いだのはいつですか? あなたが次に親御さんの手を握るのはいつだと思いますか? それはね、親御さんが亡くなった時なんですよ これは、先日の私が偶然耳にした言葉です。 この言葉を聞きながら、私は、 あなたが我…

この1週間の私

あなたへ 今日の私は、なんだかとても疲れています。 前回のあなたへの手紙を書いてからの私は、 大きな課題に向き合いながら、日々を過ごしていました。 私にとっての大きな出来事が起こったのは、2月29日のことでした。あの日の私は、閏年に関する思い出を…

閏年 -2024-

あなたへ 今日は、2月29日。 今年は、閏年です。 今日の私は、閏年に関する思い出を振り返っていました。 4年前の閏年の私は、あの子の予定狂わせの呪文にかかり、 あの子の専属運転手となって、慌ただしく1日を過ごしていました。 あの日は、本当は、やりた…

速達便

あなたへ 空を見上げて、小さく呟いた私の言葉たちは、きっと風に乗って、あなたのところまで、運ばれて行くんだろうな 私がこんなふうに考えるようになったのは、いつの頃からだっただろう。 春の柔らかな風に、夏の爽やかな風に、秋の涼やかな風に、冬の冷…

満月の夜に

あなたへ ねぇ、あなた今夜はスノームーンと呼ばれる満月なんですって一緒にお月見しない? あなたにこんな声を掛けたのは、一昨日、あなたへの手紙を送ってからのことでした。 あなたへの手紙を送信した私の目に飛び込んで来たのは、スノームーンという見慣…

22歳

あなたへ この世界に誕生したあの子が、初めて私たちにくれた小さな温もりを、あなたは覚えていますか。 あの子は、この世界に誕生した日から、毎日、少しずつ成長しながら、毎日、毎日、今しか感じることのできない可愛さを、私たちに見せ続けてくれました…

私が持つ特別な力の使い方

あなたへ あぁ、そっか。 私には、特別な力が備わっていたんだな。 蘇った記憶を辿りながら、 自分が持つ力についてを認めたあれからの私が探したのは、 いつかの私が探したあなたチャンネル。 例えば、自分には出来ないと思い込んでいた事柄が、 実は出来る…

特別な1日

あなたへ 何気なく手帳をめくりながら、 これまでの自分が歩んだ日々を振り返っていました。 とても素敵なことがあった日 ただ穏やかに過ごせた日 新しいことを思いついてワクワクした日 1日が楽しくて仕方がなかった日 落ち込んで立ち止まった日 答えが見つ…

涙の色

あなたへ ここ最近のこちらでは、温かい日が続いていましたが、 今日のこちらでは、とても寒く、冷たい雨が降りました。 降り続く雨を見つめながら私が思い出していたのは、 あなたを見送ってから知った様々な涙の色でした。 枯れることのない悲しみの涙の色…

紙の世界とインターネットの世界

あなたへ すいきんくつ【水琴窟】〈名〉 地中に埋めたかめに水を張り、その水面に水滴を落として、 その時に立てる微妙な音を楽しむ装置。 ふみばこ【文箱】〈名〉 はがき、びんせん、封筒などの手紙用品を入れる箱。ふばこ。 今日の私が、何気なくパラパラ…

声の歴史

あなたへ もしもあの夏の運命が違っていたのなら、 あの夏から10の年齢を重ねていたあなたが、此処にいるはずでした。 此処にいるあなたは、どんなあなただったのだろうかと、 逢えなかったあなたについてを様々に思い描く私ですが、 ふと、気付いたことがあ…

日常に溶け込む挨拶

あなたへ あなた おはよう 今日もいつも通りに、 あなたへの朝の挨拶から私の1日は始まりました。 おはよう 行ってきます ただいま おやすみ いつから慣れてしまったのか、 その声が聞こえないままに、あなたへのいつもの挨拶をすることが、 私の中での日常…

幻だったかのように感じてしまう瞬間

あなたへ 私に笑い掛けるあなたの姿。 私を呼ぶあなたの声。 その大きな手に包まれるように繋いだ手の温もり。 小さなあの子を愛おしそうに見つめるあなたの姿。 幼かったあの子と楽しそうに遊ぶあなたの姿。 あの頃の瞬間、瞬間にいた、 あなたひとつひとつ…

立ち止まる勇気

あなたへ 少しだけ、息抜きをしてみようかなって、 ふとこんな気持ちにさせてくれたのは、不意に届いた春の匂いでした。 ここ暫くの間、日々を忙しなく過ごしていた私は、 いつの間にか、ゆっくりと変わり行く季節を感じる余裕が、 なくなっていたのかも知れ…

バレンタイン -2024-

あなたへ 今日はバレンタインデーです。 今年も、私からの変わらぬ愛を受け取ってくれたでしょうか。 先日のあなたの誕生日の日に浮かんだ、 あの、お菓子の件を忘れることが出来ないままに、 今年のバレンタインは、あの頃のあなたが好きだった、 別なチョ…

2年の時を経て

あなたへ 私は、やっとここまで来れたのだと、強い達成感を感じながら、改めて、まじまじと鏡を見つめたのは先日のことでした。 この冬の私は、例のアレをフル活用しながら、寒い冬を元気に過ごしています。例のアレとは、かつてあの子から、デブパンツと笑…

22年前の記憶

あなたへ 何気なくテレビを見た私の目に飛び込んで来たのは、 生まれたての小さな赤ちゃんを抱いているシーンでした。 あの子にもこんな頃があったなって、記憶を辿れば、 鮮明に蘇ったのは、あの子が生まれた日のことでした。 初めて抱いた小さな小さなあの…

ありがとうの日 -2024-

あなたへ この世界に生まれてきてくれて、ありがとう。 私と出会ってくれて、ありがとう。 あの子と出会わせてくれて、ありがとう。 いつも、そっと静かに寄り添ってくれていることも、 私たちを守ってくれていることも、全部ありがとう。 こうしてあなたの…

招待状

招待状 明日、あなたのお誕生会を開きます。 あなたの好きなお食事を用意して待っています。 是非、来てくださいね。 日時:2024年2月5日(月)19時より 場所:家族の部屋にて 軽装でお越しください。 今年からは2人きりのお誕生会ですね。 あなたと2人きりのお…

私が体験した怖い話

あなたへ ねぇ、あなた。 ここ最近の私は、見えない力や世界についてを考えていましたが、 間違えて、決して開けてはならなかった記憶の蓋までもを開けてしまったようです。 どうにかもう一度、記憶の蓋を閉じようと努力してみたものの、 忘れようと思えば思…

見えないものを感じ取る力

あなたへ 先日の私は、 これまでの私の身に起こった様々な不思議な出来事を思い出しながら、 私は随分と変わったなと、こんな気持ちで自分の歩みを振り返りましたが、 そんな中で、ふと思い出していたのはあの子の言葉でした。 この部屋はね、変な匂いがした…

猫になったあなた

あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたが猫になって、この世界へと戻って来てくれた夢でした。 思えば、あんなに可愛い姿で逢いに来てくれるのは、 これが初めてのことでしたね。 ふわふわで、とても綺麗な薄い茶色の猫。 あなたは猫の姿だけれど、お喋り…

目に見えない力

あなたへ 私はいつから、何の疑いもなしに、 ただ、あなたの力を感じ、信じられるようになったのだろう。 私はいつから、 自分の中へと流れ込んでくるあなたからの想いであろう言葉を、 素直に受け取れるようになったのだろう。 あなたと共に、この世界で過…

今、此処に感じる気持ち

あなたへ あぁ、そっか。 子育て、終わっちゃったんだな。 あの子が巣立ち、少しずつ、少しずつ、 ひとりの生活にも慣れてきた私ですが、 不意に自分の中に見つけたこんな気持ちと向き合うのは、 これで何度目だろう。 誰かの足音に、 ふと、あの子のただい…

夜のひとりピクニック(風)

あなたへ 冬には忘れてしまうかも知れないからと、 冬が来る前に夜のピクニック(風)へと出掛けたのは、 冷たい風を感じ始めた頃の私でしたが、 冬を迎えても、しっかりと夜のピクニックを覚えていたのは、 あの時間が私にとって、とても楽しかったからなの…