拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたが起こす不思議な出来事

あなたへ あなたを見送ってからの私たちの目の前で起きた、 不思議な出来事の数々を思い出していました。 例えば、あの時とか、あの時。 そう、それから、あの時も。 それらはいつでも、 偶然に偶然を重ねたような出来過ぎた出来事。 目の前に繰り広げられる…

突然に溢れ出す気持ち

あなたへ あなたと出会えて、本当に良かった。 突然に、こんな気持ちが胸の中いっぱいに溢れ出したことは、 もう、これで何度目だろう。 あの夏に、あなたと出会うことが出来たから、 この胸の中には、 あの子が見せてくれた素敵な景色たちを集めることが出…

今度の約束 -2024-

あなたへ 今度、連れて行きたい場所があるんだ 今度、こんなところへ行ってみようよ あの頃のあなたがくれた今度の約束には、 いつでも私を幸せにする魔法が掛かっていました。 今度は私が、あなたに魔法を掛けたくて、 こうして届けるようになった今度の約…

コトバ -春- 2024

春の風を覚えていますか 春の色を覚えていますか 春の匂いを覚えていますか その髪を揺らす爽やかな空気を その瞳に映る鮮やかさを 鼻を擽る甘い香りを 覚えていますか 寒い冬を過ぎ やがて 暖かな春を迎えれば あの子との 外遊びの幅も広がって行きました …

私が暮らす場所

あなたへ 凄く綺麗だね どこで撮ったの? これは、昨夜のあの子から届いたメッセージです。 昨日撮った写真を、早速あの子に送ったらね、驚いていましたよ。 こんな場所があったんだねって。 私が暮らすこの辺りは、 何もない場所なのだと、ずっとそう思って…

桜の木が並んだ土手の上 -2024-

あなたへ 長い修理期間を経て、先日、漸く車が戻って来ました。 やはり、自分の車は良いものですね。 いつの間にか、自分にとって、 しっくりと来るようになっていた運転席に満足しながら、 今日の私は、久し振りにお出掛けをしました。 行き先は、桜の木が…

社会人2年目

あなたへ 今日で巣立つ実感が湧かないよねと、あの子と一緒に笑った時間。 私の腕の中を、綺麗な花でいっぱいに埋め尽くしたあの子の笑顔。 電車のドアが閉まる音と、車内から、笑顔で手を振り続けてくれたあの子の姿。 こうして思い出してみても、あの日に…

たくさんの桜の景色

あなたへ ここ最近の私は、非常に忙しい日々を送っていました。 これは、自分のミスによるものです。 予定を入れ間違えたことに気が付いて、 修正しようとした時には、時すでに遅し。 私の予定は、あり得ないくらいに、詰まってしまったのです。 少しだけ迷…

生まれ変わりの不思議な話

あなたへ 先日の私は、とても不思議な話を耳にしました。 それは、そちら側には、時間という概念が存在しないから、 どの時代に生まれるのかを選ぶことが出来るのだという話でした。 例えば、私たちが生きる今を現在時間とした時に、 此処から100年後に生ま…

真新しい朝を感じながら

あなたへ 先日の私は、明け方よりも少し前の時間から外出をしました。 目的地へと向かう途中、信号待ちで空を見上げれば、 直ぐ側に朝が来ていることに気が付いて。 朝だよ! おはよう! 真新しい朝を感じてみれば、自然と言葉が出てきて、 自分の声を反芻し…

年を重ねる -2024-

あなたへ 家族。そして、あなたやあの子。 思えば、この世界に誕生してからの私は、 常に誰かが側にいる環境の中で、誕生日を迎えて来ましたが、 今年は生まれて初めて、ひとりで誕生日を迎えました。 あの子が巣立つということは、 誕生日もひとりで迎える…

あなたの姿が最後にしてくれたこと

あなたへ 不意に届く香りというは、 心の奥底に仕舞っていたはずの記憶を、 半ば強引に引き出す力を持っているものなのかも知れませんね。 あの日の私に不意に届いたのは、焼香の香りでした。 思いもしなかった場所で見つけた香りに、 思わず立ち止まった私…

必要のない教えは全部捨てなさい

あなたへ 必要のない教えは、遠慮せずに全部捨てなさい これは、巣立ち前のあの子に話したことのひとつでした。 私たちは、たくさんのことをあの子に教えて来ましたね。 それら全ては、 あの子が幸せな人生を歩むことが出来るようにと願いながら、 教えたこ…

あなたのごめんねの声

あなたへ 瞑想なるものに私が初めて出会ったのは、 いつの頃のことだったでしょうか。 あの、不思議な感覚を忘れることが出来ないままに、 あれからの私は、眠る前になると時々、 誘導瞑想に挑戦をしてきましたが、 何度挑戦してみても、途中で眠ってしまっ…

時代の流れを見つめながら

あなたへ このお菓子、販売終了になっちゃうんだね なんだか、寂しいな あなたを見送ってからの私は、何度くらいこうして、 インターネットで見つけた定番のお菓子の販売終了のお知らせに、 寂しい気持ちを感じて来ただろう。 中には、頻繁にあなたへお供え…

我が家の記念写真

あなたへ 昨夜の私が眠る前に眺めていたのは、 先月のあなたのお誕生会の日に、あなたと2人で撮った記念写真です。 ねぇ、あなたは気付いていましたか。 クリスマスパーティやお誕生会。 あの子の入学式や卒業式。 あの子の成人式の日。 それから、 あの子の…

大切な人に最後に求めるもの

あなたへ あなたが最後に親御さんと手を繋いだのはいつですか? あなたが次に親御さんの手を握るのはいつだと思いますか? それはね、親御さんが亡くなった時なんですよ これは、先日の私が偶然耳にした言葉です。 この言葉を聞きながら、私は、 あなたが我…

この1週間の私

あなたへ 今日の私は、なんだかとても疲れています。 前回のあなたへの手紙を書いてからの私は、 大きな課題に向き合いながら、日々を過ごしていました。 私にとっての大きな出来事が起こったのは、2月29日のことでした。あの日の私は、閏年に関する思い出を…

閏年 -2024-

あなたへ 今日は、2月29日。 今年は、閏年です。 今日の私は、閏年に関する思い出を振り返っていました。 4年前の閏年の私は、あの子の予定狂わせの呪文にかかり、 あの子の専属運転手となって、慌ただしく1日を過ごしていました。 あの日は、本当は、やりた…

速達便

あなたへ 空を見上げて、小さく呟いた私の言葉たちは、きっと風に乗って、あなたのところまで、運ばれて行くんだろうな 私がこんなふうに考えるようになったのは、いつの頃からだっただろう。 春の柔らかな風に、夏の爽やかな風に、秋の涼やかな風に、冬の冷…

満月の夜に

あなたへ ねぇ、あなた今夜はスノームーンと呼ばれる満月なんですって一緒にお月見しない? あなたにこんな声を掛けたのは、一昨日、あなたへの手紙を送ってからのことでした。 あなたへの手紙を送信した私の目に飛び込んで来たのは、スノームーンという見慣…

22歳

あなたへ この世界に誕生したあの子が、初めて私たちにくれた小さな温もりを、あなたは覚えていますか。 あの子は、この世界に誕生した日から、毎日、少しずつ成長しながら、毎日、毎日、今しか感じることのできない可愛さを、私たちに見せ続けてくれました…

私が持つ特別な力の使い方

あなたへ あぁ、そっか。 私には、特別な力が備わっていたんだな。 蘇った記憶を辿りながら、 自分が持つ力についてを認めたあれからの私が探したのは、 いつかの私が探したあなたチャンネル。 例えば、自分には出来ないと思い込んでいた事柄が、 実は出来る…

特別な1日

あなたへ 何気なく手帳をめくりながら、 これまでの自分が歩んだ日々を振り返っていました。 とても素敵なことがあった日 ただ穏やかに過ごせた日 新しいことを思いついてワクワクした日 1日が楽しくて仕方がなかった日 落ち込んで立ち止まった日 答えが見つ…

涙の色

あなたへ ここ最近のこちらでは、温かい日が続いていましたが、 今日のこちらでは、とても寒く、冷たい雨が降りました。 降り続く雨を見つめながら私が思い出していたのは、 あなたを見送ってから知った様々な涙の色でした。 枯れることのない悲しみの涙の色…

紙の世界とインターネットの世界

あなたへ すいきんくつ【水琴窟】〈名〉 地中に埋めたかめに水を張り、その水面に水滴を落として、 その時に立てる微妙な音を楽しむ装置。 ふみばこ【文箱】〈名〉 はがき、びんせん、封筒などの手紙用品を入れる箱。ふばこ。 今日の私が、何気なくパラパラ…

声の歴史

あなたへ もしもあの夏の運命が違っていたのなら、 あの夏から10の年齢を重ねていたあなたが、此処にいるはずでした。 此処にいるあなたは、どんなあなただったのだろうかと、 逢えなかったあなたについてを様々に思い描く私ですが、 ふと、気付いたことがあ…

日常に溶け込む挨拶

あなたへ あなた おはよう 今日もいつも通りに、 あなたへの朝の挨拶から私の1日は始まりました。 おはよう 行ってきます ただいま おやすみ いつから慣れてしまったのか、 その声が聞こえないままに、あなたへのいつもの挨拶をすることが、 私の中での日常…

幻だったかのように感じてしまう瞬間

あなたへ 私に笑い掛けるあなたの姿。 私を呼ぶあなたの声。 その大きな手に包まれるように繋いだ手の温もり。 小さなあの子を愛おしそうに見つめるあなたの姿。 幼かったあの子と楽しそうに遊ぶあなたの姿。 あの頃の瞬間、瞬間にいた、 あなたひとつひとつ…

立ち止まる勇気

あなたへ 少しだけ、息抜きをしてみようかなって、 ふとこんな気持ちにさせてくれたのは、不意に届いた春の匂いでした。 ここ暫くの間、日々を忙しなく過ごしていた私は、 いつの間にか、ゆっくりと変わり行く季節を感じる余裕が、 なくなっていたのかも知れ…