拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたと私だけに見える景色

あなたへ あなたと2人で過ごした時間や、家族3人で過ごした時間。 そして、あの子と2人で過ごした時間。 私が歩んで来た道のりを振り返った時に、 胸の中へと鮮明に蘇った記憶を見つめる私ですが、 それら全ては、私の感覚で捉え、集めた記憶たち。 例えば同…

コトバ -心が結ばれる瞬間-

何気なく見上げた空に またひとつ 空に描かれた 大きなハートを受け取った 広い空を見上げた瞬間に ハート型を見つけた時はきっと 遠く離れた彼と 心がひとつに結ばれた瞬間なのだろう 足を止めて見つめた形は やがて 風と共に緩やかにその形を変えて 見慣れ…

25年の恋

あなたへ ねぇ、あなたは気付いていましたか。 今年の夏で、私たちが出会ってから、25年を迎えました。 25年前の今頃の私は、 あなたと出会ってから20日を迎えた私でした。 この20日間の間に、私は、何人の友人に報告をしただろう。 実はね、好きな人が出来…

夜のアイスクリーム

あなたへ アイスクリームが食べたい! 眠る前の時間であるにも関わらず、 こんな衝動に駆られたのは、先日のことでした。 突然に湧き上がってきた欲望に、 臨戦態勢だったはずの私の中に浮かんだのは、あなたの声。 たまにはいいんじゃない?って。 いやいや…

本当の夏の長さ

あなたへ 夏って、こんなに長かったかな 連日、夏の暑さを感じながら、 初めてこんな気持ちを見つけたのは、 あの子が生まれてから、何番目の夏のことだっただろう。 夏の季節になると毎年、高熱を出し、数日間を寝込んで過ごすことが、 いつの頃からかの恒…

マスク生活

あなたへ 長きに渡り、外出の際にはマスクの着用が必須だったこちら側ですが、 ここ最近では、屋外を歩く時はマスクをせずに、 屋内へ入る時だけ、マスクの着用へと変化して来ました。 そんな生活にも漸く慣れて来た私ですが、 慣れるまでの間には、 これま…

ひとりでお盆を迎える予行練習

あなたへ 未来を思い描きながら、 小さな胸の痛みを感じた日のことを思い出していたのは、お盆の前日。 提灯を組み立てていた時のことでした。 未来には、いつでも想像を超えた素敵な景色があるものなのだと、 これまでの私は、様々な出来事からこんな視点を…

お盆の思い出 2023

あなたへ 楽しい時間というのは、 いつでもあっという間に過ぎ行くものですね。 楽しみにしていた時が過ぎ去り、またこの家に1人になった私は、 このお盆に過ごした時間をゆっくりと思い返していました。 お盆の初日に目が覚めると、いつもとほんの少しだけ…

お盆 -2023-

あなたへ 今頃のあなたは、何をしているところだろう。 もう、そちら側を出発したのかな。 それとも、出掛ける準備を整えているところかしら。 ねぇ、あなた。 明日は何時頃、こちらに着く予定ですか。 今日の私は、ソワソワと落ち着かない気持ちで、 何度、…

あの子からの2つ目の贈り物

あなたへ いつにしようかと考えながらも、 なかなか、その日を決められずにいましたが、 今日の私は遂に、アレを使いました。 アレ、とは即ち、母の日にあの子がくれた、2つ目の贈り物です。 あの日のあの子が、電話を切った後で私に贈ってくれたのは、 ド…

あなたを想う日 -2023-

あなたへ あなたのその手の温もりを最後に感じたあの日から、9年が経ちました。 今日の私は、静かに空を見上げながら、あなたを想いました。 今日のあなたは、どんな景色を見ていましたか。 あなたを見送ってから、何番目のこの日からだっただろう。いつの頃…

最後の献立表

あなたへ これは、ずっとここに貼っておいてね いつかのあの子の声を思い出しながら、 暫くの間、私が見つめていたのは、我が家の冷蔵庫のドア。 長きに渡り、 もはやそれが我が家の冷蔵庫のドアの色の一部であるかのように馴染んでいたのは、 あの子が中学3…

時間を戻すことが出来ない理由

あなたへ そっか。 だからきっと、この世界では、 時間を戻すことが出来ないんだね。 あの日届いたあなたの想いを反芻しながら、 この夏に置いていくと決めた私の想いを、改めて見つめてみました。 どうしても、やり直したい日があります あの夏からの私が抱…

コトバ -夏の音 2023-

今年もまた夏が来たよ 空の彼方へ小さく呟いて 本格的に聞こえ始めた夏の音に 耳を傾けながら 彼がいた夏の記憶を順番に辿ってみる 出会った日の彼の声と笑顔 彼の大きな手に包まれた感触 彼と家族になって初めて迎えた夏 あの子の成長を見つめる彼のたくさ…

夏休みの始まりに思い描いた未来

あなたへ 我が子が社会に出ると、 夏休みや冬休み、春休みの感覚が薄れて行くのだと、 かつての職場の先輩が、こんな話を聞かせてくれたことがありましたが、 あの頃の先輩の言葉の意味が、漸く、私にも分かったような気がします。 朝から元気に自転車に乗っ…