拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

500の手紙

あなたへ こうして、あなたに初めて手紙を書いたのは、 あなたを見送ってから、 間も無く2年を迎える頃のことでしたね。 あれから、ゆっくりと、文字を綴りながら、 今日は、あなたに500通目の手紙を書きます。 遺した人が、この先、どんな人生を送るのか、…

最期の気遣い

あなたへ 県外で暮らしていた、あなたのお父さんの妹。 あなたの叔母さんが、亡くなっていたと知らされたのは、 年が明けてからのことでした。 昨年の年末にね 突然に、喪中の葉書が届いてね 私たちも、びっくりしたのよ そんな話を聞かせてくれたのは、あな…

マスク

あなたへ あれは、10年程、前のことだったでしょうか。 新型インフルエンザが大流行し、 この辺りのお店では、 どこでもマスクが売り切れだったことがありましたね。 あの年の休日、家族3人で、 マスクを探しに、出掛けた日のことを、覚えていますか。 あの…

あなたが育った町

あなたへ 今度、うちの会社で、 交通量調査をすることになったよ 1日だけ、アルバイトやってみない? 現場は俺と同じところだから、何も心配ないよ あなたのこんな話から、 交通量調査のアルバイトをすることになったのは、 あの子が、間も無く2歳になろうと…

紳士服専門店

あなたへ 紳士服専門店。 私にとって、縁遠いそこへ、初めて入ったのは、 あなたとの結婚が決まった頃のことでした。 スーツ買いに行きたいんだけれど、一緒に選んくれる? そんなあなたの言葉に頷いて、 紳士服専門店に入ったのも、 誰かのスーツを選んだの…

自分へのご褒美

あなたへ 一難去ってまた一難。 こんな言葉があるけれど、 一難がまだ去っていないのに、また一難。 こんなこともあるんだね。 あなたを見送ってからの私は、 幾つくらいの困難を乗り越えて来たのだろう。 その度に、どうにか乗り越えて来た私ですが、 こん…

コトバ -彼女-

「彼がいない寂しさは 少しずつ 薄れていくものなのかなって思っていたよ それなのに いつまで経っても 寂しさは消えないんだ」 『うん』 「笑っていてもね フッて彼の顔が浮かんで寂しくなるの この楽しい気持ちを 彼と共有することは もう出来ないんだなっ…

話がしたいけれど

あなたへ 何日間、あなたと話をしていないだろう。 じっと、カレンダーを見つめて、指を折ってみる。 5年間 + ・・・えっと・・・ やっぱり、やめた。 あなたを見送ってからの私は、いつの頃からか、 あなたと話をしていない間の日数を数えることを、途中で…

名言

あなたへ 私が、歩みたい道をみつけたのは、 あなたを見送り、どのくらいが経った頃だったでしょうか。 とても険しい道のりに、 この道を歩むことは、間違えではないのかと、 時々、後ろを振り返りながらも、 もう後戻りなど出来ないと、何度も自分を奮い立…

コトバ -言葉に出来ないもの-

例えば あの時とかあの時 それから あの時も 彼を見送ってからの私には 度々不思議な出来事が起こった それらのほんの一部だけを 言葉に表現しながらも その殆どは この胸の中へと納めたまま 誰にも話してはいない いや 話すことも文字にすることも出来なか…

餅ピザ

あなたへ お正月のお餅、どんなふうにして食べてます? まだ幾つか余っているんです それなら、餅ピザがお勧めよ 絶対に息子さんも喜ぶわよ そう言って、餅ピザの作り方を教えてくれたのは、職場の方でした。 余ったお餅を使って、餅ピザに挑戦したのは、昨…

月のうさぎ

あなたへ 昨夜は、眠る前に、ベランダに出て、月を眺めていました。 漆黒に浮かぶ丸い光に、 ふと、思い出したのは、幼い頃のことでした。 あれは、私が幾つくらいの頃だっただろう。 あなたと出会うずっと前の、幼かった私には、 月の中に、うさぎが見えて…

家族写真

あなたへ 今のあの子はね、 髪の質は、私に似ているけれど、髪型の好みはあなた似。 鼻は私似って言われるけれど、輪郭も目もあなた似。 指は私に似ているけれど、手が大きなところはあなた似。 骨格は、私に似ている気がするけれど、筋肉がつき易いところは…

あなたが待っていてくれた言葉

あなたへ あなたの夢を見ました。 家に帰って来てくれたあなたを、ギュッと抱きしめて、 想いを伝える夢でした。 愛してる って。 そうしたらね、 あなたは、嬉しそうに、耳元で言ったの。 やっと言ってくれたね って。 思えば、 夢の中で、私の想いを声にし…

甘い誘惑との戦い

あなたへ 早起きが苦手だった私が、時々、寝坊をしながらも、 朝の静かな時間を楽しむようになったのは、 1年と少し前のことでした。 時期によって変わる日の出の時間に、季節を感じたり、 朝の優しい空色を眺めたりと、 そこに小さな幸せをみつけながら、過…

コトバ -冬- 2020

冬の色を 覚えていますか 冬の音を 覚えていますか 冬の匂いを 覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 冬の澄んだ空気の匂いを 覚えていますか 一緒に過ごした三番目の冬 出会ってからの月日を見つめながら 同じ未来を思い描いた あの日のふ…

年越し蕎麦

あなたへ なんで大晦日には、蕎麦を食べるんだろうね これは、先日の大晦日に、 蕎麦を食べていた時のあの子の言葉です。 うん、そうだね なんでだろうね 本当にね・・・ 大晦日の日に、蕎麦を食べることに対して、 なんの疑問も持ったことがなかった私は、 …

未知なる世界の扉を開けた日

あなたへ Windows7のサポートが終了します 家のパソコンに、こんな表示がされたのは、 いつ頃のことだっただろう。 まだ期間もあることだし、大丈夫。 そんなふうに自分に言い聞かせながらも、 パソコンに関する知識が全くない私は、非常に焦っていました。 …

年の初めの素敵な1日

あなたへ 昨日は、あなたの実家へ新年の挨拶に行って来ました。 毎年のこの時期、あなたの実家辺りでは、 雪が積もっていることも多いけれど、 今年は雪もなく、私の運転技術でも、安心して、辿り着くことが出来ました。 皆で集まる新年。 今年も、とても賑…

2020年

あなたへ 新しい年が始まりました。 あなたが見ることの出来なかった2020年、始まりの日は、 青空が広がりました。 今年は、あの子にとって、 夢に向かって、大きな一歩を踏み出す年です。 今年のあの子は、どんな成長を見せてくれるのでしょうか。 とても楽…