拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

最後の8月

あなたへ 今年も、夏が終わります。 今日は、8月最終日。 夏の終わりを惜しみながら、空を見上げ、 3人で見た空を思い出していました。 最後に、あなたと一緒に、同じ空を見たのは、 病室から見た空でしたね。 空調が効いた病院内、 窓際のベッド、 家族3人…

コトバ -応援-

ねぇ あなたはどんなふうに生きたい? 鏡の向こう側 突然の問いかけに戸惑いながら 私は答えた どんな生き方が出来るのだろう 私には何が出来るのだろう と は?何言ってるの? 何が出来るか じゃなくて どう生きたいかって聞いたのよ 鏡の向こう側 私と同じ…

3つ目の香り

あなたへ 自宅で、初めて、 あなたにお線香をあげた日のことを、思い出していました。 あれは、告別式を終え、 その姿を変えて、漸く、自宅へと戻って来た日。 自宅へ帰って来たあなたに、初めて、お線香をあげて、 手を合わせながら、泣いたのでした。 私は…

コトバ -買い物カゴの中-

例えば 焼きそば 茹でうどん 冷やし中華 豆腐 納豆 それから プリン ゼリー ヨーグルト スーパーで買い物をしながら 3個で1セットのものが多いように感じたのは いつのことだっただろう 1セットで家族3人分 それは我が家にとって 丁度良い数だった 私の買い…

朱夏

あなたへ 朱夏という言葉を知ったのは、つい先日のことでした。 人生には、青春だけでなく、 朱夏、白秋、玄冬と、 それぞれ、四季に例えた言葉があることを、先日、初めて知りました。 この言葉に当てはめるなら、 私は、今、朱夏という夏の季節を歩んでい…

特等席

あなたへ ここ数日のこちらでは、雨が多く、 とても不安定な天気が続いています。 眠る時も必須だったエアコンは、 気が付けば、日中のみの出番となり、 夜になれば、 薄い毛布に、心地良さを感じます。 夏の終わりに、少し寂しさを感じながらも、 この時期…

コトバ -心の距離-

この温もりを感じるようになったのは いつからだろう また今日も 右手をそっと握り締めて ただ静かに そこにある空気を捕まえたよ 彼を想い 不意に心が痛くなった時 ここにいるよ とでも言いたげに 右手がふわりと温かくなるんだ それはあの日 握り返しては…

何かが足りない気持ち

あなたへ 何かが足りないなって思ったんだ 足りない何かって、なんだろうなって考えていたら、 私だったのだと、こんな話を聞かせてくれたのは、 私たちが出会ってから、 どのくらいが経った頃だったでしょうか。 なんで隣にいないの?って思ったんだって。 …

青春

あなたへ 例えば、高校生が主人公となった映画やドラマを観ている時 例えば、中学生の頃を振り返った時 あの子は時々、青春という言葉を口にします。 中学生の頃、 こっそりと高校生活への憧れを抱いていたあの子。 あぁ、俺、青春してるなぁ 高校生になった…

お母さんの幸せの場所

あなたへ 3人の子育てをした、あなたのお母さん。 一番下の息子には、特に手を焼いてね 本当に、大変だったのよ 今、あなたの実家で、お母さんと暮らす、 あなたの弟の話を聞かせてくれたのは、 先日のお盆に、あなたの実家へ行った時のことでした。 色々と…

コトバ -心霊写真-

毎年のお盆に 彼の実家の地域で行われる花火大会に出掛けるようになったのは あの子が生まれ どれくらいが経った頃からだっただろうか 彼の家族と皆で一緒に花火を観に行くことが いつの頃からか恒例の行事となっていた 彼が息を引き取ったあの年も 彼の家族…

お盆過ぎのそちら側

あなたへ お盆明けの日。 きっとあなたは、 雲に乗って、この街を見下ろしながら、そちら側に帰るのだろう。 そんな気がしたのは、いつだっただろう。 雲の上には、そちら側でのあなたの友達がたくさんいてね、 楽しそうにしているあなたの姿が見えた気がし…

盆明けの日

あなたへ あなたを見送ってからの私にとって、 お盆の期間は、唯一、とても早足で過ぎてしまう時間。 もっと、ゆっくりでいいのにさ、 どうしてこんなに、あっという間なんだろう。 そんな私の言葉に、 あなたは、どんな返事をしてくれたのでしょうか。 あな…

コトバ -盆の入り- 

おかえりなさい 今日の日をとても楽しみにしていたよ もしも今 目の前にあなたの姿が見えたのなら 本物かどうかを確かめるように きっと私は 何度もその頬に触れてしまうのでしょう そんな私のされるがままになりながら あなたは そろそろ気が済んだ?なんて…

お盆 -2019-

あなたへ この時期の連日の暑さに、 うんざり顔のあなたを思い出していました。 暑さが苦手だったあなた。 帰宅時間に合わせて、冷蔵庫で冷やしておいた濡れタオルは、 とても喜んでくれましたっけ。 冷蔵庫の前で、冷えたタオルを首に当てて、 幸せそうな顔…

思い出話

あなたへ これまでのあなたの命日には、 あなたのことについて、あまり多くのことを語らなかった私たちですが、 今年の命日には、あの子と2人で、 たくさん、あなたの話をしました。 あなたが息を引き取ったあの日、 2人でたくさん泣いたことや、テレビから…

あなたを想う日 -2019-

あなたへ 今日のあなたは、 どんなことを考えて、そちら側の1日を過ごしていましたか。 私はただ、あなたのことを考えていました。 この温もりを、絶対に忘れない そう誓って、最後にあなたのその手を握りしめた、あの日から、 丁度、5年が経ちました。 あな…

スイカの香り

あなたへ 先日買った、あなたへのプレゼント。 3種類の香りのお線香のうち、 スイカの香りのお線香は、夏になってからのお楽しみだよ。 あの日の、そんな私の声は、 あなたのところまで、届いたでしょうか。 梅雨明けの、眩しい太陽に目を細めながら、 そろ…

コトバ -夏の音- 2019

今年もまた夏が来たよ 照りつける太陽に目を細めながら 空の彼方へ 夏が来たことを知らせてみる 今年の梅雨明けは 例年よりも遅かったらしいよ 気が付いたら7月が終わっててさ もう8月だって 待ちわびた夏の音を聞きながら目を閉じると 彼と出会った最初の夏…

言葉のない3秒間

あなたへ どうして、こうも忙しいのかと、 なんだか、ため息が出てしまう今日この頃。 近頃の私の職場は、とても忙しく、 夕方には、疲れ果てて、 抜け殻のようになって帰路につくことも、しばしばでした。 会社からの帰り道、スーパーの前で、 出入り口を塞…