拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2014年7月31日(木)16時36分

あなたへ 16時36分 6年前のこの時間の私は、仕事をしていました。 6年前のこの時間のあなたはね、 病院内のコンビニエンスストアで、買い物をしていたの。 あなたは、覚えていますか。 丁度、6年前のこの世界には、 あなたには、あなたの時間が、 私には私の…

言葉に出来ないままに

あなたへ あなたに手紙を書きながら、 これまでに、 私は、何度こうして、手を止めたでしょうか。 あなたへの、たくさん想いを抱えたままで、 一段と、大きく聞こえるようになった蝉の鳴き声を聞いていました。 あなたに、伝えたいことは、山ほどあるのに、 …

2

あなたへ 俺ね、2がいちばん好きな数字なの 唐突に、こんな話を聞かせてくれたのは、 あの子が、高校生の頃のことでした。 理由は、よく分からないけれど、 数字の中で、2が、いちばん好きなのだと、 こんなあの子の話を聞きながら、 私の中で蘇ったのは、い…

KANATA

あなたへ 幽霊の夢を見たよ 眠りから覚めたあの子が、聞かせてくれたのは、 つい数分前まで見ていた夢の話でした。 あの子が通う学校の先生が、心霊スポットへ行ったところ、 幽霊がついてきてしまった。 その夢は、こんなシチュエーションから始まったそう…

コトバ -隔てるもの-

彼が此処にいないなんて嘘だよ 目を閉じれば 必ずそこにいてくれる彼に 必死で手を伸ばしたことは これまでに何度あっただろう 瞼の向こう側にいる彼が 消えてしまわないようにと ギュッと目を閉じたことは これまでに何度あっただろう 次に目を開いた瞬間に…

蝉の鳴き声

あなたへ ここ数日の私は、なんだか、 とてもぼんやりと過ごしていました。 曇りや雨の日が続いているせいでしょうか。 理由もなく、心が晴れないままに、 厚い曇り空を眺めてばかりいたような気がします。 日照時間と心は、関係があるらしい。 こんなことを…

あの頃のあなたをみつける瞬間

あなたへ 専門学生になってからのあの子の登校時間は、 高校生の頃に比べると、随分とゆっくりの時間になりました。 私が出勤する頃は、まだボサボサ頭に、パジャマ姿のあの子。 髪をセットして、着替えたあの子の姿を見るのは、 学校から帰って来た、夕方の…

相合傘

あなたへ あの時も、 あの時も、 あの時も、 手を繋いで歩いたね。 雨音を聞きながら、 結婚する前の私たちのことを思い返してみれば、 雨の日の記憶がないことに気が付いたのは、 作日のことでした。 曇り空の日は、覚えてる。 ほら。 あなたが行ってみたい…

雨の日

あなたへ 先日、久し振りに、少しだけ晴れ間が見えたものの、 こちらでは、連日、雨音が聞こえます。 雨音を聞きながら、 家族3人で過ごした、あの家での時間を、思い出していました。 また雨か って、残念そうなあなたの声と、 窓の外を覗くあの子の姿。 今…

夢で繋がっていると確信した日

あなたへ 午前中に、みっちゃんの用事があるから、 明日は午後から実家に行くみたいだよ これは、夢の中のあなたの言葉。 あなたを見送り、 どれくらいが経った頃だったでしょうか。 あなたの実家へ、皆で集まる予定だった日の前日に、 夢の中のあなたが、 …

愛を伝えるやり方

あなたへ その温かな手を離さなければならなくなってから、 私は、何度、あなたの夢を見ただろう。 夢の中で、あなたがくれた、 ひとつひとつの甘い時間を思い出していました。 あなたと手を繋いで、公園を散歩した日のこと。 ただ、黙って、私を抱き締めて…

シロップ漬けのパイナップル

あなたへ 家族3人で、初めて、バイキングのお店で、 食事をした日のことを覚えていますか。 あの日、あなたがお皿いっぱいに持ってきたのは、 パイナップルでした。 とても嬉しそうに、 パイナップルばかりをお皿に乗せて運んで来たあなたが、 なんだか、と…

あなたが見ていないもの

あなたへ 台風 豪雨 疫病 あなたを見送ってからの私たちは、 どれだけの恐ろしいものを見て来たでしょうか。 この辺りでも、大きな被害があった台風が来たのは、昨年のことでした。 地球史上最大級。 こんな言葉に怯えながら、迫り来る台風への不安に、 私は…

七夕の願いごと -2020-

あなたへ そちら側のあなたが たくさんの幸せに恵まれますように あの子の人生が 素晴らしいものでありますように このまま真っ直ぐに歩めますように 来世でも きっと あなたと結ばれますように 来世でも またあの子と 3人家族になれますように そして、 コ…

確かな証拠を拾い集めながら

あなたへ 私たちは、運命の出会いだったね。 だって、私は、あなたと出会った時に、感じたもの。 この人だ やっと、逢えたって。  私が、こんな話をした時に、あなたは、笑っていたね。 ねぇ、あなた。 あなたは、どう感じていたのかな。 私と出会ったあの…