拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

今、伝えたいこと

あなたへ

 

俺なんかと一緒でいいの?

 

何故だか、

いつかのあなたの言葉を、思い出していました。

 

いつ、どんな時に言われた言葉だったのか、

思い出すことが出来ないままに、

その時、

私がどんなふうに答えたのかを、思い出そうとしていました。

 

ただ、ひたすらに記憶を辿ってみましたが、

その時の私が、はぐらかしてしまったのか、

ちゃんと、あなたに想いを伝えたのか、

どうしても、

思い出すことが、出来ませんでした。

 

あなたは、いつかの私の答えを、

覚えているでしょうか。

 

どうしても、あの頃の私の答えを思い出すことが出来ないから、

今、ここで、私の気持ちを伝えてもいいですか。

 

私は、あなたが良かったの。

あなたは、どんな時でも、すぐ側にいて、寄り添ってくれていたね。

 

楽しい時も、

辛い時も、

悲しい時も、いつも、隣にいてくれた。

 

私にとって、あなたの隣は、

とても安心できる場所だったよ。

 

出来れば、もっと、

ずっと、一緒にいたかったね。

 

一緒に、同じ朝を迎えて、

一緒に、同じ夜を見て、

あの子が少しずつ成長する姿を、

あなたと一緒に見守りたかった。

 

でもね、何年一緒にいるか、じゃなくて、

きっと、

誰と、どんな時間を過ごしていたか、なんだと思うよ。

 

だから、

あなたが今、何処にいるかは、私には、あまり関係なくて、

あなただから、こんなに想うことが出来るんだよ。

 

それにさ、

あなたが、私の側に寄り添ってくれているのは、

きっと、何処にいても関係ない。

 

私が辛い時、そっと、手を差し伸べてくれること、

その姿が見えなくても、知ってるもの。

 

だからもう、

俺なんかって、

そんな言い方しないで。

 

だってあなたは、私の宇宙一なのだから。

 

 

 

青色

あなたへ

 

空を眺める夢を見ました。

 

何の感情もなく、

灰色の空を、ただ眺めていた私の耳元に聞こえたのは、

あなたの声でした。

 

青に染めてあげるよって。

 

そうして、私が見上げる灰色の空は、

鮮やかな青色へと変わっていきました。

 

空って、こんなに綺麗だったんだね

 

私は、その青色に見惚れて、

ずっと空を見上げていました。

 

とても、不思議な夢でした。

 

あなたを見送る前の私には、

もう、戻ることが出来ない

 

そう気が付いたのは、先日のことでした。

 

あの頃の私は、あの日、

あなたと一緒に、死んでしまった。

 

何の抵抗もせずに、それを静かに受け入れた私に、感情はなく、

ただ、静かに、

この瞳に映る景色の色が失われていくのを、眺めていました。

 

それなのに、

なんだか、笑っちゃうよ。

 

あなたが此処にいないから、

あの頃の私も、もう此処にいないのに、

あなたはまた、私に色を見せてくれた。

 

私の瞳に映るもの全ての色が失われ、

灰色の世界へと変わっていったはずなのに、

あなたは、夢の中で、

私が見ていた灰色の空を、青色に変えてくれたね。

 

青色は、あなたの色。

 

一度、色を失った私が見る景色に、

一番初めに、あなたの色が染められたのです。

 

私は、きっともう、

あの頃の私に戻ることなど、出来ないのでしょう。

 

あんなふうに笑うには、

知らなくてもいいことを、知り過ぎてしまったもの。

 

心に負った傷は、きっともう、治らない。

 

それでも、いつか、

またあんなふうに、笑ってみたいと思ってしまったよ。

 

だって、

あなたが染めてくれた青色が、とても綺麗だったから。

 

 

 今日のこちら側の空は、

夢の中で、あなたが見せてくれた空と、

とてもよく似た空でした。

 

だからね、ふと、思ってしまったのです。

いつか、あの頃の私と、よく似た私に出会うことが、

出来るのかも知れないなって。

 

あなたは、とても不思議ですね。

 

どんなに離れていても、

こうして、いつでも私を助けれくれるの。

 

どうすれば、私が前を向くのか、

ちゃんと知っているあなたにしか、出来ないやり方で、救ってくれる。

 

一度、色を失った私に、

一番初めに、あなたが見せてくれた空の色、

絶対に忘れないよ。

 

 

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コトバ -あの日、死んでしまった私へ-

あなたは私の中の何処かに隠れて

眠っているんだと思っていたよ

 

何処に隠れているのだろうって

ずっと探していたよ

 

でも もう私の中に

あなたはいなかったんだね

 

あなたはあの日

誰にも知られないまま

彼と一緒に死んでしまったんだね

 

この5年間

そのことに気付いてあげることが出来なくて

ごめんね

 

明るくて

単純で

楽しいことが大好きで

 

嫌なことがあっても

寝たらすぐに忘れちゃうようなあなたは

私だったね

 

すぐに膨れるくせに

彼が機嫌を取りにくれば

屈託のない顔で笑っていたね

 

とても単純なあなたは

とても

可愛かった

 

私たちはもう一緒にいられないんだね

 

今まで

ありがとう

 

私はあなたと一緒にいることが出来て

とても楽しかったよ

 

きっと あなたは今

彼の側にいるのでしょう

 

せめてあなたは

あの頃と同じように笑っていてね

 

無理して成長しようだなんて思わなくていい

あなたはそのまま

何も変わらなくていいんだよ

 

私なら大丈夫

心配しないで

 

あなたがいなくても なんとかやれてるよ

 

分かってる

人前では ちゃんと笑ってるよ

 

見た目には誰も気付かないはずだよ

私の中のあなたが

もう此処にいないなんてさ

 

だから心配しないで

 

そちら側の彼のこと

よろしくね