拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたが望んだ今度の約束

あなたへ

 

日常生活の中、ふと、あなたと過ごしたあの頃の瞬間が甦った場面は、

これまでに幾つくらいあっただろう。

 

なんの前触れもなく、様々な場面が突然に蘇るけれど、

その中でも、最も多いようにも感じてしまうのは、

あなたと喧嘩をしたことです。

なんて言ったら、あなたは、どんな顔で笑うのだろう。

 

あなたと喧嘩をした数々の場面を、ふと思い出す私ですが、

何故でしょうか。

あんなにたくさん喧嘩をしたはずなのに、

その原因についての殆どを、覚えてはいないのです。

 

きっとね、あの頃の私たちって、

それほどに、とても些細なことで喧嘩をしていたのだろうなって思うのです。

 

こうして振り返ってみれば、なんだか笑ってしまいますが、

そんなところは、幼い兄弟のようでもありましたね。

 

些細なことで喧嘩をしていたあの頃の2人を思い出して、

思わず笑ってしまった私の中にふと浮かんだのは、

喧嘩が出来て良かったって、こんないつかのあなたの言葉でした。

 

そう。これは、

私たちが初めて喧嘩をした日のあなたの言葉でした。

 

蘇ったあなたの言葉を反芻してみれば、

何故だか突然に、私の胸の奥で、

これまでには見つけることの出来なかった色を持ち、

私の中に、これまでとは全く別な視点からの答えが浮かんだのです。

 

私たちがあんなにも喧嘩をしていたのって、

実は、あなたが望んだ今度の約束だったのかも知れないなって。

 

きっと、前世でも、そのまた前世でも、

この世界で出会ったはずの私たちだけれど、もしかしたら、過去世の私たちは、

喧嘩をするような関わり方が出来なかったのかも知れません。

 

例えばそれは、時代背景によるものなのかも知れないし、

もしかしたら、喧嘩が出来るほどに、

長くは一緒に居られなかったのかも知れません。

 

いつかの私は、ずっと年を重ねた前世でのあなたを夢に見たけれど、

私は、あの姿のあなたを見ることが出来ないままに、

この世界を去ってしまったのかも知れませんね。

 

私のことを看取ってね

 

これは、いつかの私が冗談のつもりであなたに言った言葉ですが、

もしもね、過去世の私があなたを置いて、

先にこの世界を去っていたとしたのなら、

あの時の本気で怒ったようなあなたの顔にも、納得出来るものがあります。

 

もしも、生まれ変わることが出来たのなら、また2人で恋をしよう

今度は、たくさん喧嘩をして、喧嘩をした分だけ、仲直りをしてみたいな

 

ねぇ、あなた。

どうしてだろう。

ふと浮かんだ言葉を文字にしてみれば、胸の奥がギュッと掴まれて、

なんだか、ひとりでに涙が溢れてしまうのです。

 

これは、ずっとずっと昔の、

今の私が知らないあなたの想いなのでしょうか。

 

きっとあの頃の私たちは、

意味のある喧嘩と、意味のない喧嘩をしていたのだと思います。

それは、あの頃のあなたが知らなかったあなたが望んだ今度の約束を、

叶えるためであったのかも知れませんね。

 

そしてもしも、私の中に浮かんだ言葉が、

あなたが望んだ今度の約束であったとしたのなら、

一見すればネガティヴにも見えてしまうあの時間の中にも、

あなたを幸せに出来る要素が含まれていたと言うことも出来るのでしょう。

 

あなたを見送ってからの私は、

あの頃のあなたと喧嘩をしていたことについてを、

様々な視点から見つめては、

その時々で様々な答えを見つけて来ました。

 

それはどれもが、あの頃の私には見つけることの出来なかった、

深い意味を持つ答えでした。

 

私が見つけてきた答えひとつひとつを見つめてみれば、

辻褄が合っていないようにも感じるけれど、

見つけた答えは、きっと全部が正解なのでしょう。

 

きっとこれからも、様々な視点から、様々に答えを見つけながら、

いつの日か、全てが繋がったひとつの答えを、

見つけることが出来るのかも知れませんね。

 

 

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