拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

あなたより1年長く生きた日

あなたへ

 

丁度、1年前のことを思い出していました。

 

あの日の私は、空を眺めながら、

ただ、あなたのことを想っていました。

 

日々の生活の中の当たり前は、

決して、当たり前ではないと、

改めて、

健康で毎日を過ごせることに、感謝しながら、

ここからは、

あなたが生きることが出来なかった時間なのだと、

背筋が伸びる思いで、あなたのことを想ったのでした。

 

あなたよりも、1日長く生きることが出来たあの日、

私の瞳には、たくさんの小さな素敵なものが映りました。

 

これからも、

見つけるであろう素敵なものや、初めて見るもの。

全部拾い集めて、

あなたにも、見せてあげたいと、

そんなふうに考えていたのでした。

 

あれから間も無くに、初めて見たものが、

よりにもよって、オケラという虫であったことは、

今、思い返してみても、なんだか笑ってしまいます。

 

きっと、次に、私の瞳に映る初めてのものは、

素敵なものに違いないと信じていた私にとって、

とても、衝撃的な出来事でした。

 

笑ったり、泣いたりと、相変わらず、忙しない私ですが、

振り返ってみれば、

新たな挑戦をしてみたり、

思いつきで、

知らない道を歩きながら、素敵な場所を見つけることが出来ました。

 

あなたと行きたかった場所へ出掛けたり、

知らない人の笑顔に、元気を貰ったこともありました。

 

気が付けば、

ちょっと、笑っちゃう出来事や、

素敵なことがたくさん詰まった1年間を過ごしていました。

 

それから、ずっと、早起きが苦手だった私が、

早起きを楽しむようになったのも、

思えば、この1年の間でのことでした。

 

あなたよりも、長く生きたこの1年間、

あの頃の私が考えていたよりもずっと、

成長出来たように感じています。

 

来年、再来年のこの日の私は、

どんなものを見ているのだろう。

 

今の私には、まだ、みつけることが出来ない、

もっと素敵なものを、みつけることが出来ているのでしょうか。

 

すっかりと、秋の模様へと変わった空を眺めながら、

1年前と同じ場所で、

あなたのことを想っていました。

 

ねぇ、あなた。

そこから見た、今の私は、どんなふうに見えますか。

 

あなたよりも、1年長く生きることが出来た今の私は、

ちゃんと、真っ直ぐに、歩むことが出来ているでしょうか。

 

 

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どこが好き?

あなたへ

 

ねぇ、あなた

私のどこが好き?

 

思えば、そんなこと、

一度も聞いたことがなかったね。

 

どうしてだろう。

 

出会った頃の記憶を辿ってみれば、

あの頃の私は、

お互いが、好きであるのが、当たり前かのように感じていたのでした。

 

私たちは、きっと、

運命の出会いだから、惹かれ合うのが当たり前なんだよ

なんてね。

 

初めから、特別なあなただったから、

私のどこが好きかなんて、

聞こうとは、思わなかったのかも知れません。

 

私は、あなたが好き

あなたも、私を好きって言ってくれる

 

私には、それが全てで、

いつでも、あなたが隣にいてくれたから、

それで、充分だったのだと思います。

 

あなたがいる、そちら側と、

私がいる、こちら側。

 

もう、その手に触れることが出来なくなってしまったから、

初めて、聞いてみたくなったのでしょうか。

 

私のどこが好き?って。

 

あの頃の私は、そんなことを聞いてみようだなんて、

考えたこともなかったけれど、

やっぱり、聞いておけば良かったな。

 

ねぇ、あなた

私のどこが好き?

 

もしも今、あなたの声が聞けるのなら、

どんな答えをくれるのだろう。

 

出来ればね、

あの頃には、聞いたこともないような、

甘い台詞を聞いてみたい。

 

もう、二度と、触れ合うことが出来ない代わりに、

今日は、

そっと、心を結んでみたいの。

 

 

 

あの子の友達

あなたへ

 

自転車のパンク修理

釣竿の手入れ

 

これは、あなたを見送ってから、間も無くのあの子が、

出来るようになったことです。

 

あの子には、ちょっと不思議な友達がいます。

 

あなたも知っている、

あの子が幼い頃から、仲が良かった近所の子。

 

私には、教えることが出来なかった、

自転車のパンク修理の仕方や、

釣竿の手入れの仕方。

 

それは、きっと、

父親から教わりながら、出来るようになるものなのでしょう。

 

それらを教わる前に、

居なくなってしまったあなたに変わるかのように、

あの子の友達が、あの子に教えてくれたのでした。

 

不思議なんだけど、

時々、お父さんに似てるんだよね

 

いつかのあの子は、その友達について、

あなたに似ていると、話してくれたことがありました。

 

あなたを見送るまでは、

そんなこと、感じたこともなかったのにと、

あの頃のあの子は、言ったのでした。

 

あの子達は、

小学生の頃に出会い、中学までを共に過ごしました。

 

今は、別々な高校へ通う2人ですが、

今でも、とても仲良し。

 

お互いに、特別な友達としての絆が生まれたようですよ。

 

ふと、あなたを見送ったばかりの、あの子の友達のことを思い出したのは、

先日、あの子と電話で話す、友達の声が、

私のところまで聞こえたからでした。

 

え?今の声、あの友達?

 

驚く私に、

 

そうだよ

大人の声になったでしょ?

 

なんて、笑ったあの子。

 

電話口から聞こえたのは、あの頃、家に来て、

あの子に、自転車のパンク修理の仕方を教えてくれていたその声とは、

まるで別人のように、大人へと近づいた声でした。

 

あの頃と、今の声を重ね合わせながら、

あなたを見送ってから間も無くの、

不思議な友達だねと、

あの子と話し合っていたことを、思い出していました。

 

あの子の特別な友達は、

少しだけ、あなたに似たものを持った、

面倒見の良い、とてもいい子です。

 

これから、大人になって、

お互いに見る景色が変わっていっても、

今のまま、ずっと、仲良しでいられるといいですね。