拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

夏が好きな理由

あなたへ


こちらでは、梅雨が明け、今年も夏が来ました。


休憩中にね、
外に出たら、夏の音が聞こえました。
日差しが強くて、空が綺麗で、
今日も、素敵な雲を見つけました。


夏が好きな私と、夏が苦手だったあなた。
私たちは、正反対でしたね。


俺は、暑いのが嫌いなんだ
なんて言っていたけれど、
どの夏のあなたも、
たくさん、笑っていましたよ。


いつか、あなたに聞かれましたね。
夏のどこが好きなの?って。


あの時は、ただ、夏が好きってだけで、
上手く答えることが出来なかったけれど、


きっとね、


私が、昔からずっと、夏が好きだったのは、
あなたと出会う、ずっと前から、
あなたと出会える季節だって事を、
知っていたからなのかも知れません。


この世に誕生する前の私達が、


夏に逢おうね
絶対だよ


そう、約束して、この世に生まれて来たのかな なんて。


こんな事を言ったら、
また、あなたに笑われてしまうかな。

 

 

 

 

コトバ -彼色の魔法-

空虚なこの心に
鮮やかな虹が架かるのを見たんだ


あの日 私は彼に恋をした


夕日が赤く染まるように
私色に彼色が染まる


ゆっくりと
静かに
色鮮やかに


私の目に映る景色は
少しずつ違って見えたんだ


彼色に染まっていく私の目に映る景色は
全てが素敵で
色々なものを この瞳に映してみた


通り過ぎる車
すれ違う人たち
電線にとまる雀
庭に見つけた天道虫


何気ない日常が
この瞳に美しく映る事


それを私は 彼色の魔法と呼んだ


いつくもの季節を共に過ごし
いつも側にいるよと誓った彼は
突然に遠くへ逝ってしまった


私をその色に染めた彼は 遥か遠く
手を伸ばしても 届きそうにはないけれど


その手の温もりも その声も
ちゃんと覚えているよ
大丈夫


彼色の魔法は解けないまま


空を見上げる私の瞳には
やっぱり今でも
この世界が
少し違って見えるよ


私をその色に染めたままにしてくれたんだね

 


彼色が染まった この瞳に映る景色が
ずっと鮮やかでありますように

 

 

 

 

映画鑑賞

あなたへ


先日、テレビで放送された映画の録画を観ました。
ゆっくりと映画を観たのは、あの子も私も、
久し振りです。


映画が好きだったあなた。
こちらにいた頃は、夜、あの子が眠ると、
よく映画を観ていましたね。


映画館は、気が散るからと、自宅での映画鑑賞が好きで、
テレビで放送された映画の録画や、DVDをレンタルしては、
色々な映画を観ていましたっけ。


アクション、冒険、サスペンス、SF、歴史。

ホラー映画も好んで観ていたあなただったけれど、
ホラー映画だけは、私は、付き合えず、別な部屋へと避難したんでした。


それでも、漏れてくる効果音が怖くて、
音を小さくしてって頼んだら、イヤホンを使って鑑賞してくれましたね。


観終わった後には、
怖かったよ
耳元で音が聞こえるんだよ
なんて、当たり前の事を言うあなたが可笑しかった。


社会科が苦手だった私。
歴史に関する映画を一緒に観た時には、
あなたの優しい解説付きでした。


習ったはずだよ
なんて、笑いながら、説明してくれたあなたの解説は、
私が、過去に受けてきた、どの先生の授業よりも、
いちばん分かりやすかった。


お陰で、ほんの少し、歴史に興味を持てるようになりました。
もう少し、早く出会っていれば、
社会科のテスト、赤点ギリギリではなかったのにな なんて、
私の言葉に、笑われましたっけ。


久しぶりの映画鑑賞に、
あなたと一緒に過ごした、たくさんの時間を思い出していました。


今回観た映画は、
過去に戻って、大切な人を助けるという、
あなたが好みそうな内容だったけれど、
その結末は、
大切な人を助ける事が出来、自分が死んでしまうという、
なんとも、言葉にし難いものでした。


もしも、あなたも一緒に、映画を観ることが出来たのなら、
この映画を観終わった後で、
自分ならどうするか、とか、
最後の結末をどう考えるかなんて、
話し合ったのかも知れませんね。


あなたの答えは、

なんとなく、分かります。


私の答えは、


そうですね・・・
多分、あなたと同じだと思います。