拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたが起こす不思議な出来事

あなたへ

 

あなたを見送ってからの私たちの目の前で起きた、

不思議な出来事の数々を思い出していました。

 

例えば、あの時とか、あの時。

そう、それから、あの時も。

それらはいつでも、

偶然に偶然を重ねたような出来過ぎた出来事。

 

目の前に繰り広げられるドラマチックな展開を見つめながら、

そして時に、ロマンチックな展開を見つめながら、

何度驚いてきたことでしょうか。

こんなことってあるの?って。

 

出来過ぎた展開に驚きながらも、

そこにあなたの力を信じることが出来たのは、

微かにあなたらしさのようなものを感じることが出来たからでした。

 

ねぇ、あなた。

私ね、気付いちゃった。

 

例えば、困った出来事が起こった私たちを助けてくれる時や、

そっと静かに、私への想いを伝えてくれる時のあなたって、

実は、とても楽しんでいるでしょう?

 

思えば、映画好きだったあなた。

 

あの頃のあなたが好きだった映画は、

例えば、

ラスト5分間に注目!

とか、

衝撃のラストシーン!

みたいな大どんでん返しが巻き起こるようなストーリーでした。

 

なんというか、

私たちが困った出来事に遭遇した時に巻き起こった展開は、

あの頃のあなたが好んでいた映画のような展開に、

とても似ているような気がするのです。

 

困った出来事に試行錯誤する主人公の目の前に繰り広げられる衝撃のラストシーンに、

乞うご期待!

みたいな紹介文を付けたくなるような展開は、

これまでに何度起こっただろう。

 

そして、あなたがそっと静かに私への想いを伝えてくれる時にも、

そこにはいつでも、あなたらしさが隠れているの。

 

ねぇ、あなたは覚えていますか。

あの子が眠った後で、2人でテレビドラマを観ながら、

今後の展開を予想した幾つもの夜を。

 

謎が詰まったテレビドラマは勿論のこと、

ラブストーリーの今後の展開を予想する時も、

あなたがする予予想は、いつでも私の想像を遥かに超えていて。

とても楽しそうに話して聞かせてくれたあなたが描くストーリーには、

いつでも素敵な結末が待っていたのでした。

 

きっとね、私たちのこの人生の中には、

あなた監修の短編映画みたいな時間が散りばめられているのよ。

 

そう。だからきっと私たちは、

目の前で起こる出来過ぎた展開に、

何の証拠がなくとも、あなたの力を感じることが出来たのだと思います。

 

ふと、映画好きだったあなたを思い出してみれば、

目の前で起こるドラマチックな展開に驚く私たちの姿を見て、

あなたはきっと、何処かで楽しんでいるのかも知れないなって、

そんな気がしてしまいました。

 

あの夏からのあなたは、私たちとは存在する世界が違うけれど、

あなたはあなたのやり方で、きっと楽しみながら、

私たちの人生に寄り添ってくれているんだね。

 

ねぇ、あなた。

これからも、私たちの目の前で繰り広げられるあなた監修のストーリーを、

楽しみにしているよ。

 

でも、ひとつだけ、お願いがあります。

 

ホラー映画仕立てのストーリーだけは、絶対にやめてね。

 

 

 

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