拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

またね

あなたへ


あなたの夢を見ました。


そこには、2つの道がありました。


どちらへ進んでいいのか分からずに、
立ち止まった私の横に並んだあなたが、


こっちだよ


そう言って、
進むべき方を教えてくれる夢でした。


近頃、迷いのある私。


その夢は、
あなたが、導こうとしてくれているようにも、感じました。


あなたは、私が、迷い、悩んでいる事を、
知っているのでしょうか。


久しぶりに、あなたの夢を見た気がします。


夢の中、あなたがいなくなってからの、
小さな悩みを打ち明けると、
そこには、あなたらしい、シンプルな答えがありました。


その答えに、
隣にいるのは、あなたなんだなって、
胸が温かくなりました。


夢から目が覚めた私は、
もう一度、あなたに逢いたくて、
目を閉じてみたけれど、そこには、もう、
あなたはいませんでした。


あなた、またね。


またいつか、逢いに来てくださいね。

 

 

 

 

 

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あの子の髪型

あなたへ


高校生になってからのあの子は、
毎朝、髪をセットして、登校するようになりました。


あの子が通う学校では、
校則が比較的緩く、髪型などは自由なようです。


セットの仕方も、随分と慣れてきたようですが、
髪型が決まらないと、なかなか鏡の前から動こうとしないあの子。


ヘアアイロン貸して


早くしなさい


やばい こんな時間だ


余裕持って早く起きないからでしょ


起きるまで起こしてよ


何度も起こしたでしょ


なんて、
毎朝、大騒ぎです。


鏡の前で、必死に髪をセットするあの子の姿を見ながら、
あなたの、高校時代の写真を思い出しました。


丁度、今のあの子くらいの年のあなたも、
髪型をバッチリと決めて、写真に写っていましたね。


あなたが、高校生の頃も、あの子と同じように、
毎朝、納得が行くまで、
鏡と向き合っていたのでしょうか。


私が会った事のないあなたを想像し、
思わずひとりで笑いながら、思い出しました。


思えば、私も、そうだったなって。


私も、あの子くらいの年の頃には、
毎朝、自分の納得が行くまで、
鏡と向き合っていたんでしたっけ。


新しい髪型の研究、ピンの留め方。
あの頃の私もまた、今のあの子と同じでした。


それは、私達が、出会う前の事。


同じ空の下、
私たちはきっと、同じような道を辿って、
成長してきたんですね。


あの子もいつか、
今の自分を、懐かしく思う日が来るのでしょう。

 

毎朝のあの子には、困ったものですが、
仕方がない。


明日から、もう少しだけ、早く起きるとしましょう。


あの子が、思う存分、今の自分と向き合えるように。

 

 

 

ひまわりの約束

あなたへ

 

どうして君が泣くの まだ僕も泣いていないのに
自分より 悲しむから つらいのがどっちか わからなくなるよ

ガラクタだったはずの今日が ふたりなら 宝物になる

そばにいたいよ 君のために出来ることが 僕にあるかな
いつも君に ずっと君に 笑っていてほしくて
ひまわりのような まっすぐなその優しさを 温もりを 全部
これからは僕も 届けていきたい ここにある幸せに 気づいたから

遠くで ともる未来 もしも 僕らが離れても
それぞれ歩いていく その先で また 出会えると信じて

ちぐはぐだったはずの歩幅 ひとつのように 今 重なる

そばにいること なにげないこの瞬間も 忘れはしないよ
旅立ちの日 手を振る時 笑顔でいられるように
ひまわりのような まっすぐなその優しさを 温もりを 全部
返したいけれど 君のことだから もう充分だよって きっと言うかな

そばにいたいよ 君のために出来ることが 僕にあるかな
いつも君に ずっと君に 笑っていてほしくて
ひまわりのような まっすぐなその優しさを 温もりを 全部
これからは僕も 届けていきたい 本当の幸せの意味を見つけたから

                  ひまわりの約束/秦基博

 

 

これは、あの日、初めて耳にした歌でした。


あなたを看取った日の夜、
テレビから聴こえたこの歌に、
あの子と2人、大泣きしたのでした。


あの日は、家に帰ってからも、
あの子と2人で、何度も泣いたけれど、
泣いても、泣いても、何故か涙がスッと乾き、
それは、何だか、あなたが涙を拭ってくれているようにも感じました。


お父さんが、そうしているのかな


そう言っては、何度も泣いた日。


でも、テレビから、この歌が聴こえた時だけは、
違いました。


止めどなく溢れる涙は、いつまでも、
いつまでも、流れ続けました。


映画の主題歌であるこの歌は、
ドラえもんと、のび太君の事を歌ったものだそうです。

 


でも、何故でしょうか。


あの日から、2年と10ヶ月が経とうとしている今でも、
私にとって、この歌詞は、特別な意味に聞こえてしまいます。


きっと、偶然だよ
何度、そう思ってみても、


なんだか、


あなたが・・・

 


あの日、大泣きする、私達の側で、
あなたも泣いていたのでしょうか。


側にいたい と。