拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ハロウィン -2018-

あなたへ


毎年この日は、
ハロウィンを意識した食事を準備するようになった我が家ですが、
今夜は、私ひとりぼっちです。


今年のハロウィンは、出掛けるね
イベントがあるんだ
毎年、ハロウィンの食事を用意してくれているけれど、
今年は外で食べるから、ごめんね


先月、あの子から、そんな話がありました。


どうやら、この近隣で、
数年前から、この日は、ハロウィンのイベントが行われている様子。
今年、初めてそのイベントを知ったあの子は、
友達と一緒に、参加することになりました。


仮装してイベントに参加するんだよ


先月から、準備を整えながら、
ゾンビメイクをしてみたい
カラーコンタクトを入れてみたいと、
今日の日をとても楽しみにしていたあの子。


昨夜は、ゾンビメイクの練習をしました。


男の子である我が子に、
メイクを教える日が来るとは、思ってもいませんでしたが、
メイクの仕方、コンタクトレンズの入れ方をあの子に教えなから、
楽しい時間を過ごしました。


今年は、あの子と一緒に、食事は出来ませんでしたが、
例年とは、また違った楽しさがありました。


ハロウィンイベントを羨ましがる私に、


誰だか分からないくらいに仮装して、
行ってみればいいじゃん


あの子に、こんなことを言われました。


私ひとりでは、そんな勇気はありませんが、
密かに、イベント好きな私。


もしも、あなたが側にいてくれたのなら、
一緒に仮装して、
こっそり、覗きに行ったのかも知れませんね。


もしも、あなたを誘ったのなら、
私たちは、今夜、
どんな仮装を楽しんだのでしょうか。


夕方、学校から帰ったあの子は、早速、ゾンビに変身して、
嬉しそうに出掛けて行きました。

 

楽しい思い出が、たくさん出来るといいですね。


時代の流れと共に、新しいものを発見しながら、
きっと、この先も、
あなたと一緒に見てみたかった景色が、増えていくのでしょう。


あなたのいるその場所からは、どんな景色が見えますか?


遠く、遠く、離れていても、
私と同じ景色が、見えているのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

まわり道

あなたへ


あれは、前日の台風の影響で、電車が遅れた日のことでした。


学校から、気を付けて登校するようにと連絡が入った朝。
あの子は、いつもよりも少し遅くに、家を出発したのでした。


私は、いつも通りの時間に会社に出勤。
通勤途中に見かけた台風の爪痕に、
あの子は無事に学校へ行けたのだろうかと心配しながらの出勤でした。


夕方、いつも通りの時刻に帰宅すると、
間も無くに帰って来たあの子の様子が、なんだかおかしい。


私の顔を見るなり、
すみませんでしたって、
突然、頭を下げたあの子は、

1日の出来事を話して聞かせてくれました。


朝、駅に着くと、
台風の影響で遅れた電車が、何時に着くのか分からないまま、
電車を待つ人達がホームに溢れかえっていたようでした。


ホームで、色々な友達に会い、
お喋りをしながら、
今日は、学校サボっちゃおうか
どこからか、そんな悪魔の囁きが聞こえてしまったのだそう。


そうして、一旦、帰宅し、私服に着替えると、
仲間たちと、海鮮が美味しい街へと繰り出し、
新鮮な魚介類を堪能。
日が暮れるまで、楽しい時間を過ごしたようでした。


その様子を写した写真には、
1日がどんなに楽しかったのかを教えてくれるような、
生き生きとした、みんなの笑顔がありました。


台風が過ぎ去った後の、とても晴れた日。
さぞ気持ちのいい旅だったことでしょう。


1日の出来事と、反省の言葉を述べると、
どうもすみませんでした
そう言って、先程よりも、更に深々と頭を下げながら、
私好みの、ちょっと高級なアイスクリームを差し出してきたあの子。


誰に似たのか、私の扱い方が上手なあの子に、
なんだか、笑ってしまいました。


高校生になり、いつの頃からか、
自分で選んだ道に、疑問を持つようになったあの子。


頑張ろうと前を向いたり、
このままで良いのかと、急に後ろを向いたりと、

忙しないあの子ですが、
今の状況に疑問を持つのは、
今の道を、真剣に選んだからこそなのかも知れません。


あの日の私は、黙っていれば、分からなかったことを、
隠さず、話をしてくれたことを褒めただけで、
叱ることはしませんでしたが、
叱らなくとも、
自分で考え、また、前を向いて歩き始めたあの子は、
あの日から、少しずつ、何かが変わってきたような気がします。


あの日の出来事は、決して褒められたことではありませんが、
きっと、あの子にとって、
必要な、まわり道だったのでしょう。


いつでも、想像もしていなかった形で、成長を見せてくれるあの子。
今度は、どんな驚く出来事が待っているのでしょうか。


あまり、変なことはしないでね


なんて思っていますが、
あの子のことです。


きっと、また、
びっくりするようなことを仕出かしながら、
成長していく姿を見せてくれるのでしょう。

 

 

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新しい風

あなたへ


実は、私の職場では、色々なことがあり、
仲良くして頂いていた先輩たちが、
次々と、職場を去っていきました。


それは、前向きではない、悲しい形でのお別れでした。


長年、和気あいあいと楽しく仕事をさせて頂いた、年の離れた先輩たちは、
私に色々なことを教えてくださいました。


ベテラン主婦だからこその料理のアイディアは、
いつでも新鮮で、食をそそるものでした。


仕事帰りに、買い物に行く気力がない日には、
冷蔵庫には何が入っているの?
そう言いながら、
あるものだけで簡単に作れる料理を色々と教えて下さった先輩。


料理が苦手な私ですが、
今の会社に勤めるようになり、
料理のレパートリーが増えたねと、
あなたも、とても喜んでくれましたね。


何故か、男の子のお母さんばかりが集まったあの頃のメンバー。
子育てに迷った時には、
アドバイスをもらったこともありました。


そこには、先輩お母さんだからこその言葉が、
たくさん詰まっていました。


仕事以外にも、
本当に、色々なことを学ばせて頂きました。


素敵な先輩方との別れは名残惜しく、
出来れば、もう少し、一緒に仕事をしたいと願っていましたが、
これも、運命だったのか、
最終的には、
先輩にとって、幸せになれる場所が見つかりますようにと、
お一人おひとりを送り出すことしか出来ませんでした。


あれから、数ヶ月が経ち、
職場に、様々な年代の新しい方々を迎えました。


今、私の周りには、新たな風が吹き始めました。


今、周りにいる人は、自分にとって、
必要な何かを学ばせてくれる人なのよ
優しい言葉もあるけれど
キツい言葉だったり
傷付く言葉であることもあるの


でも、それは全部
その人のためになる助言なのよ
それを受け取るのか、受け取らないのかは
本人次第だけどね


そう教えてくれたのは、やはり、あの頃の先輩でした。


私が今、置かれた新たな環境。
私は、またここで、新しい何かを学ぶのでしょうか。