拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

空に近い場所で

あなたへ


こちらでは、日中の気温が上がり、
初夏を感じられる季節になりました。


今日は、あの子と一緒に、
夏用の制服を取りに行ってきましたよ。


あの子が高校生になり、
慣れない早起きや、お弁当作りに、
毎日、バタバタと過ごしていますが、
気が付けば、もうすぐ、衣替えの時期です。


1ヶ月と少し前。

入学したての頃は、
ちょっぴり大きめの制服姿に、
毎朝、微笑ましく、見送っていましたが、
いつの間にか、その姿も様になり、
すっかり、高校生の顔になりました。


子供の成長は、いつでも早く、
何もかもが、
あっという間に過ぎてしまいますね。


お昼には、
いつか3人で行こうと話していた、
パスタ屋さんに行きました。


あの子からのリクエストです。


ビルの最上階、窓際の席は、眺めも良く、
ほんの少し、あなたを側に感じました。


パスタを食べながら、
結婚する前の私達を思い出していました。


買い物をしながら、
あなたと2人、
当時、私のお気に入りだったパスタ屋さんに入ったけれど、
ちょっぴりお洒落なそのお店に、
なんだか、居心地が悪そうだったあなた。


今思えば、本当は、苦手だったのでしょうか。


あなたは、あの時、何も言わなかったけれど、
私に、合わせてくれていたのだと、
今更ながら気が付きました。


あの日のあなたは、お店を出た後で、
美味しかった?楽しかった?って確認し、
私の返事に、
とても嬉しそうな顔を見せてくれましたね。


いつでも、私の喜ぶ顔が見たいと、
言ってくれていたあなた。


あの子が誘ってくれた、
空に近い場所での食事に、
またひとつ、
あなたとの楽しかった時間を思い出しました。

 

 

 

 

コトバ -しあわせ-

朝 目が覚めるということ


朝日が眩しいということ


元気な
行ってきます の声が聞けるということ


空が綺麗だということ


素敵な雲の形を見つけたこと


穏やかな風に
緑が揺れる音が心地良いということ


美しい夕焼けに感動出来るということ


元気な
ただいま の声が聞けるということ


家族の笑顔が見られること


健康で毎日を過ごせること


月を見上げて
1日の終わりを確認出来ること


夜の匂いが あの頃と変わらないこと


彼を想い
またひとつ


彼の好きなところを見つけたこと


笑って1日が過ごせたこと

 


目の前にある
小さなしあわせを


精一杯

抱き締めてみた

 


ありがとう

 

 

 

 

 

 

 

 

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拝啓、空の彼方のあなたへ - 拝啓、空の彼方のあなたへ

筋肉自慢

あなたへ


近頃のあの子は、前にも増して、
筋肉を鍛えるようになりました。


自宅では、ダンベル、腹筋を欠かさずに、
時々には、ジムへも行くようになりました。


肩や腕の筋肉、腹筋。
数日ごとに、
どう? と、
筋肉を見せてくれるあの子だけれど、
何というか・・・
そこまで筋肉に興味のない私は、
時々、コメントに困ってしまいます。


そして、時には、
ちょっと触ってみてよ と、
その自慢の筋肉を私に触らせては、感想を求めてくるのです。

 

私はなんと答えれば良いのでしょうか。


凄いね
前よりも筋肉が増えたね


在り来たりな私のコメントに、
なんだか不満気なあの子。


先日は遂に、コメントに困り、

 

そこまで筋肉には、興味がないから、
少しの違いには、気が付かなくてさ


なんて返したら、


息子の筋肉には、興味持ってよね


なんて、言われてしまいました。


あなたなら、どんなふうに、
今のあの子と会話したのでしょうか。


あなたと、あの子。
2人で、筋肉を自慢し合いながら、
やっぱり2人で、私に、
どう?
なんて、聞きに来るのかも知れませんね。


そうして、やっぱりコメントに困った私に、


旦那と息子の筋肉には、興味持ってよね


なんて、言われるのでしょうか。


あの子の成長を見守りながら、
もしも、あなたが此処にいてくれたらと、
何度も考えてしまうけれど、
私達のやり取りを想像すると、
なんだかいつも、笑ってしまいます。


そうして元気を取り戻せるのだから、
不思議ですね。


あの子が使っているダンベルは、
あなたの実家から、持って来ました。


お母さんがね、
あなたが使っていたダンベルだよと、
あの子に、譲ってくれました。


きっと、若かったあなたも、
あのダンベルで、鍛えていたのでしょうね。


そうして、やっぱり、お母さんに、
どう? なんて、
筋肉を自慢していたのでしょうか。


その時のあなたのお母さんは、なんて答えたのかな。


若かったあなたが使っていたものを、
月日が経ち、

あなたの子供が使う時が来るなんて、

なんだか、不思議ですね。


あの子の筋肉は、
あなたよりも、まだまだ細く、頼りないけれど、
いつか、あなたに並び、

やがて、
あなたを追い抜く時が来るのかも知れませんね。