拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

アルバイト

あなたへ


あの子の夏休みが終わり、またいつもの生活が始まりました。


実は、あの子は、夏休みから、アルバイトを始めました。
これからは、学校、武道のお稽古、アルバイトと、
忙しくなるあの子ですが、とても張り切っています。


アルバイトを始めてから、1ヶ月と少しが経ち、
先日、初めてのお給料を頂きました。


通帳を眺めては、ひとりでに溢れてしまう笑顔。
あの日のあの子は、何度そうして、通帳を眺めていたでしょうか。


本当に嬉しそうだったあの子の顔、あなたにも見せたかった。


初めてのお給料日の気持ち、
ずっと忘れないでいてくれるといいですね。


あの子の満面の笑みを見ながら、
私は、あなたと過ごした時間の一コマを思い出していました。


あなたが、あの子くらいの年の頃に、
近所の飲食店で、
アルバイトをしていた頃の話をしてくれた事がありましたね。


俺が考えたメニューが、お店のメニューのひとつになったんだよ と。
とても、嬉しそうに。


あれは確か、結婚する前の私達の、
何気ない会話のひとつでした。

 


小さな事がきっかけで、
あなたとの何気ない時間を思い出し、胸が温かくなります。
今回は、あの子の満面の笑顔が、
私をその世界に連れて行ってくれました。


働く事は、大変だけれど、楽しいね
いつもそう言いながら、あの子は、よく、アルバイト先での出来事を、
話して聞かせてくれます。


アルバイトを始めた事で、多くを学んだあの子は、
なんだか、また、大きく成長したように思います。


頑張っているあの子を見ていると、
私まで、勇気を貰える気がします。


私は、あの子を育てているようで、
実は、あの子に育てられているんだなと、改めて感じた今日この頃です。

 


こちらは、随分と涼しく、すっかり秋らしくなりました。
夏の音から、秋の音に変わり、
ちょっと、物悲しい気もしますが、
夏が終わると、暑さが苦手だったあなたの、ホッとした顔が浮かびます。