拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

新しいテレビ

あなたへ


近頃、調子が悪かった我が家のテレビ。
暫く、なんとか誤魔化しながら視聴していたものの、
思い切って、テレビを買い換えようと決めたのは、
テレビが大好きだったあなたの顔が浮かんだからでした。


何処に行く時も、一緒だったあなた。


あの子と2人だけで、電気屋さんに行くのも、
家電製品を自分たちだけで選ぶのも、初めてのことでした。


あの子と一緒に、真剣に選んだテレビは、
きっと、あなたも気に入ってくれるような、
とてもいいものを見つけたけれど、
密かに、とても心配だったのは、テレビの接続。


店員さんに、接続方法を、教えてもらい、
意外に簡単そうだと話しながら、帰宅した私たちは、
ちょっと、緊張しながらも、早速、取り付けに掛かりました。


テレビが映るまでには、そう時間は掛からずに、スムーズに進み、
映ったね
なんて、ふたりで、喜んだところで、
あの子は、夕方からのアルバイトへと、出掛けて行きました。


問題は、レコーダーとの接続でした。
何度、配線を確認しても、合っているはずなのに、レコーダーが使えない。


家にひとり、取り残された私は、
テレビとレコーダーの説明書を広げて、どのくらいの時間が経った頃でしょうか。


もう!出来ないよ!
なんて、ひとりで騒ぎ、
配線と説明書を交互に眺め、途方に暮れた私は、
あなたの顔を見ながら、


ねぇ、あなた、出来ないよ
どうして、出来ないんだと思う?
あなただったら、きっと、すぐに出来たのに


なんて、思わず、長い独り言。


一旦、諦め、洗濯物を取り込んだところで、
ふと、リモコンの、今まで触ったことがなかったボタンが気になったんでした。


そして、よく分からないままに、ボタンを押すと、
問題が解決し、すぐに、レコーダーが使えるようになりました。


あの時、どうして、急にリモコンが気になったのでしょうか。


私には、どうしても、あなたが、教えてくれたように、感じてしまいます。


だって、店員さんとは、配線の繋ぎ方しか話していなかったもの。
取り扱い説明書だって、配線のページしか、確認しなかったもの。


あなたを見送ってから、時々、こんなふうに不思議なことがあります。


家でひとり、出来ないって騒いだ私を心配してくれたのでしょうか。


あの時、なんだか、すぐ側にあなたがいる気がして、
逢いたい
そう呟きながら、
泣いてしまったこと。


ごめんなさい。


きっと、心配させてしまいましたね。


泣きながら見つめた、あなたの穏やかな顔に、
ようやく、気持ちが落ち着いた私は、
涙を拭いて、
何事もなかったかのように、

アルバイトから帰って来たあの子を、笑顔で、迎えることが出来ました。


初めて、テレビの接続に挑戦した私たちですが、
きっとまた、あなたが助けてくれたんですね。


ありがとう。

 

 

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