拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

プリクラ

あなたへ


押入れの掃除をしながら、
あなたと一緒に撮った、たくさんのプリクラを見つけました。


あなたが写真嫌いだと知ったのは、
今度、一緒にプリクラ撮ろうよって、何気なく誘った日のことでした。


俺、実は写真嫌いなんだ


そう言いながら、
自分の写真は、あまり持っていないことや、
撮られるより、撮る方が好きなこと、
プリクラは、まだ1枚も撮ったことがないことを話してくれましたね。


あなたと一緒に、プリクラを撮ったのは、
あれから、間も無くの頃でした。


あなたにとって、生まれて初めてのプリクラは、
とても硬い表情。
真顔で映ったあなたの顔が、なんだか可笑しくて、可愛かった。


あれから、プリクラの機械を見つける度に、
一緒に撮ろうとあなたを誘ったんでした。


また?
なんて言いながら、
あなたは、いつでも、私のお願いを聞いてくれました。


こんなにたくさん、一緒に撮ってくれたんだね


あなたと撮ったプリクラを並べて、
あの頃のあなたのことを思い出していました。


写真が嫌いだったあなた。


今日は、プリクラ撮らなくていいの?
いつか、あなたから、そんなふうに言ってくれた日は、
いつもプリクラ撮ろうって言うから、
もう、写真慣れたよ
って、あなたは、笑っていましたっけ。


あなたとのプリクラが1枚増える度に、嬉しくて、
家に帰ると、よくこうして並べていたんでした。


あの頃、たくさんプリクラを撮ろうってお願いして、良かった。


だって、こうして眺めているとね、
あの頃の私たちが、どんなふうに過ごしていたのかを、
鮮明に思い出すことができるもの。


初めて、プリクラを撮った日は、
あなたの手を引っ張って、機械の側まで行きましたね。


え?本当に撮るの?って言いながら、
ひとつも嫌そうに見えなかったあなたの顔。


あの時のあなたの手の感触も、
あなたと初めてのプリクラが、
どんなに嬉しかったかも、今でもよく覚えています。


いつの頃からか、
この機械では、まだ撮ったことがなかったよね
なんて、たくさん並んだプリクラの機械の中から、選んでくれるようになりましたね。


今日は、これにしようって、
あなたが選んでくれるのが嬉しくて、
あなたの隣で、溢れ出してしまう笑みを隠すのが大変だったことを思い出して、
何故だか、ひとりで俯いてしまいました。


私の隣に映る、たくさんのあなた。


たくさん、我儘を聞いてくれてありがとう。


あの頃のことを思い返しながら、胸がキュンてなりました。


あなたは、どこにいても、
私に、何度でも恋をさせてくれる人。


ずっと、ずっと、
大好きだよ。