拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

桜の木が並んだ土手の上 -2024-

あなたへ

 

長い修理期間を経て、先日、漸く車が戻って来ました。

やはり、自分の車は良いものですね。

 

いつの間にか、自分にとって、

しっくりと来るようになっていた運転席に満足しながら、

今日の私は、久し振りにお出掛けをしました。

 

行き先は、桜の木が並んだ土手の上です。

 

先日の私は、あの辺りの桜たちが満開を迎えるのも、あと少しだと、

こんな手紙を書きましたが、

あれから間も無くに満開を迎えました。

 

既に散り始めを迎えていますが、まだまだ見頃。

ピンク色の景色も、風に乗ってヒラヒラと舞う花びらも、

とても綺麗でした。

 

自分のペースで、のんびりと歩きながら思い出していたのは、

あの子の笑顔ばかりがたくさん詰まった、昨年の春の始まりでした。

毎日、バタバタと過ごしていたけれど、本当に楽しかったなって。

 

昨年の私には、

のんびりと、桜の景色を楽しむ時間などなかったけれど、

本当に、特別な春の始まりでした。

 

あれから次の桜の季節を迎え、

またのんびりと桜の景色を楽しむ時間がやって来たのだと、

あれからの時間の経過を、改めて感じました。

 

今日のこちらでは、綺麗な青空が広がり、

とても暖かく、お花見日和でした。

ピンク色に染まった土手の上は、とても賑やかでしたよ。

 

家族連れやご夫婦。

それぞれに桜の景色を楽しむ人たちを眺めれば、

もしもあの夏の運命が違っていたらと、

見ることの出来なかった景色を思い描いてしまった私ですが、

僅かに俯けば、

何故だか、ふわりと暖かな風が私を包み込んで。

 

ねぇ、あなた。

大丈夫よ。

私はもう、泣いたりはしないから。

 

本当は、あなたと一緒に歩きたかったあの場所で、

今年の私は、密かに持っていた小さな夢をひとつ、

叶えることが出来ました。

 

ピンク色と黄色の組み合わせは、やっぱりとても素敵。

 

あなたにも見せてあげたかった景色を、

またひとつ、大切に集めることが出来ました。

 

 

 

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