拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

6月

あなたへ

 

6月が半分を過ぎました。

カレンダーを見つめながら、ふと、思い出したのは、

かつて、一緒に働いていた先輩の言葉。

 

もう、6月だって

今年も半分が終わっちゃうわね

これからすぐに、夏が来て、お盆が来て、

毎日暑いねって話していたかと思えば、すぐに、お正月が来るのよ

 

毎年の6月には、

先輩のこんな言葉を聞いて、笑っていました。

 

そっか。今年も半分が終わるんだね。

 

今年が終わる頃の私は、何を見ているのだろう。

あの子は、どんなあの子になっているのかな。

 

ねぇ、あなた

何処かで見ていてくれた?

あの子も、私も、頑張っているよ

 

冬の空を見上げながら、あなたにそんな報告をする、

今よりも、ほんの少し、自信に満ちた、私たちを想像してみます。

 

次の冬空を見上げる頃には、

今の私たちには、まだ見えない景色を見ていたい。

 

過去は変えられないけれど、未来は、自分で作るものだもの。

頑張らなきゃね。

 

今は丁度、梅雨の中休み。

青い空と、爽やかな風は、私に、明るい未来を想像させてくれました。

 

 

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記憶の奥に眠っていた出来事

あなたへ

 

ふと思い出した昔話をします。

 

これは、私が高校生だった頃のお話です。

私には、高校の3年間、同じクラスだった友達がいました。

お互いの自宅が、そう離れていなかったこともあり、

いつの頃からか、その子と一緒に、登下校をするようになりました。

 

今日、お茶して帰らない?

 

学校帰りには、寄り道をしたりと、

どこにでもある、普通の高校生活を送っていたある日のことでした。

 

その日は、学校のすぐ側にある喫茶店で、

お茶をしてから帰ろうと約束をしていた日でした。

校門を出て、間も無くのところで、別な友達と会った私たちは、

暫しの談笑をしていましたが、

その時の私は、いつもなら、絶対にしないような行動をとったのでした。

 

ねぇ、早く行こうよ

 

何故だか、私は、強引に、

お茶をする約束をしていた友達の手を引いて、

喫茶店の方へと歩き出したのです。

 

歩く私に引っ張られるように、その場から離れた友達。

それまで談笑していた子も、

またねと手を振って、その場から離れて行きました。

 

その直後です。

目の前の道路で、接触事故を起こした車が、

先ほどまで私たちが立っていた場所へ、突っ込んで来たのでした。

 

あと3秒遅ければ、私たちのいつもの日常は、

もう、そこにはなかったのでしょう。

 

実は、あの出来事が起こる1年ほど前に、

いつも登下校を共にしていた友達の家族が亡くなりました。

 

あの時の私は、何の根拠もないままに、

亡くなった家族が、友達のことを守るために、

自然に近い形で、私を動かしたのではないかと考えました。

 

いえ、そう確信したと言っても良いでしょう。

だって、普段の私なら、

話の途中で、強引に引き上げるだなんて、考えられませんでしたから。

 

思い返してみても、そんな強引なやり方をしたのは、

あの時、一度きりのことでした。

 

とても不思議な体験をしながらも、

これまで、一度も思い出すことがなかったのは、

車に乗っていた方にも怪我はなく、

誰も傷付かずに済んだからだったのだと思います。

 

きっと、あなたは何処かに存在し、

私たちが考えているよりも、

ずっと力強く、守ってくれているのかも知れないな。

 

記憶の奥に眠っていた不思議な出来事を思い返しながら、

やはり、目には見えない力は、存在するのだろうと、

改めて、考えさせられました。

 

 

 

スーパーマーケット

あなたへ

 

会社帰りに、スーパーで買い物をして帰って来ました。

ひとりで店内を回りながら、ふと、思い出したのは、

先日、あの子と一緒に買い物をした日のことでした。

 

そうだ

アレも見てみない?

 

気が付けば、いつもよりも、たくさん入ったカゴの中。

あの日の買い物は、いつもよりも、長くの時間が掛かりました。

 

隣に誰かがいれば、足を止める場所も多くなり、

買い物に掛かる時間も変わる。

 

先日、あの子が一緒に買い物をしてくれたことから、

そんな感覚を思い出してしまった私は、

なんだか少し、寂しくなりました。

 

ひとりよりも、少しだけ、時間が掛かるスーパーでの買い物は、

とても楽しくて、幸せな時間。

 

スーパーでも、何処でも、一緒に行こうね

 

結婚が決まったばかりの頃の、あなたの声を思い出します。

誰かと一緒に、スーパーで買い物をするって、こんなに楽しいものだったんだ。

一番初めに、それを教えてくれたのは、あなたでした。

 

ひとりで買い物をする時は、短時間で済む代わりに、

そこに、笑い声はありません。

今日の私は、ただ、淡々と、品物をカゴへと入れながら、

あっという間に、買い物の時間は終わりました。

 

これから、私はずっと、ひとりぼっち。

 

小さなため息を吐きながら、

どうすることも出来ないままに、私はまた、

ひとりでの買い物の時間に慣れていくのでしょう。

 

でも、ふと、思いました。

 

今の私がこんなに寂しいのは、

きっと、とても幸せな時間を知っているからなのだろうって。

 

 

 

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