拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

生かされているということ

あなたへ


俺は生きているんじゃなくて、
生かされているんだなって思ったよ


あなたが、そんなことを言った日のことを覚えていますか。


あれは、あなたが交通事故に遭った時のことでした。


ほんの少しの言葉を話せるようになった、
幼いあの子と行動を共にすることが多かった私は、普通自動車。
あなたは、軽自動車に乗って行動することが多かったあの頃。


その日に限って、仕事に出掛けるあなたに、
今日は、私の車で出勤して
何故か、私は、そんなことを言ったんでした。


分かった
そう言って、特に疑問を持った様子もなく、私の車で出勤したあなた。


あの日、帰宅時間を過ぎても帰って来ないあなたから、
事故で病院に運ばれたと連絡が入ったんでした。


車は、廃車にせざるを得ないほどに大破し、
あなたは、一旦、病院へ運ばれたものの、
幸いにも軽傷で済み、その日のうちに、帰宅することができました。


お相手の方は、トラックで、無傷だということに安心しながら、
もしも、こちらが軽自動車だったら、
大怪我では済まなかったかも知れないという話をしましたね。


何故、あの日だけ、
私は、あなたに普通自動車での出勤を、お願いしたのだろう


そんなことを言った私に、あなたは言ったんでした。


俺は生きているんじゃなくて、
生かされているんだなって思ったよ と。


朝、目が覚めて、
いつも通りの1日を、
当たり前のように過ごせる毎日の奇跡に感謝しながら、
時々、あの日の、あなたの言葉を思い出します。


生かされている
ということ。


私は、いつか、
その理由を見つけることができるでしょうか。