拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。

父の死との向き合い方

あなたへ

 

先日、無事に、

父の見送りを済ませることが出来たことを報告します。

 

あの日の帰り道には、雪が降りました。

 

予定時刻通りの納骨であれば、雪が降る中での納骨でしたが、

何故だか、1時間ほど、予定が早まり、

雪が降り出す前に、済ませることが出来ました。

 

あの日起きた不思議な時間の流れは、

父の計らいだったのかも知れません。

 

あれからの私は、空を見上げては、

最後に父へ伝えた想いを、何度も反芻していました。

 

私には、此処に生きている父へ、見せたかった景色がありました。

それは、あなたを見送ってからの私たちのことを、

とても心配してくれた父への、恩返しになるはずでした。

 

父に残されていた時間に追いつくことが出来ないまま、

私は、父から与えられてばかりで、

なにひとつ、恩返しをすることが出なかったと、

叶わなかった想いを、そっと、あの子に話すと、

静かに、話を聞いてくれたあの子は、

思いもよらない言葉をくれました。

 

それは、

あの子が私にくれた、父の死との向き合い方でした。

 

私、頑張るよ

 

目を閉じた父へ、最後に、そう伝えることが出来たのは、

ずっと、側に寄り添ってくれていたあの子のお陰です。

 

今、此処に流れる時間が、

現実とは受け止めきれないままに、

何処かで、いつものように、

父が待っていてくれるような気がしてしまうけれど、

最後に、父へ誓った約束を叶えるために、

私は、また此処から、歩き出さなければなりません。

 

静かで、温かな父の記憶を、この胸に刻み直して。

 

ねぇ、あなた。

もしも、そちら側で、父に何か困ったことを見つけたら、

父のことを宜しくね。