拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

愛してる

あなたへ


あなたは、覚えていますか?
あの夜、あなたに伝えた、愛してる の言葉を。


あれは、私達が出会って、どのくらい経った頃だったでしょうか。


出会ったばかりの、初々しさから、
互いに信頼関係を築きながら、
あなたの隣に、慣れ始めた頃。


そう、
出会ってから、
3度目の季節を一緒に迎えた頃だったでしょうか。


昼間の海も好きだけれど、夜の海も好き
こんな話をした私の事を、

仕事帰りのあなたは、海までドライブに連れて行ってくれましたね。


夜の海は静かで、波の音が心地よかったこと、今でもよく覚えています。


海を眺めながら、あなたは突然に、
言ってくれましたね。
愛してるよ と。


そうして、
俺の事、愛してる?って。


あの日、初めて言葉にして伝えた、
愛してる
あなたは、覚えているでしょうか。


あの時、あなたは、言いましたね。
誰かに、こんな事言ったの、初めてだよ
なんて、ちょっと、照れながら。


私も、誰かにその言葉を伝えたのは、
あれが、最初で最後でした。


あれから、暫くの時が過ぎ、私達は結婚し、
あなたが側にいる事は、
いつでも、当たり前で、
あなたを愛している事も、当たり前でした。


あの日以来、あなたに、ちゃんと言葉で伝える事は、
ありませんでしたね。


何故だか、あの日の出来事を、鮮明に思い出していました。


あの頃の私は、
愛してる の言葉は、
一生に一度だけ、口にする言葉だと、
そんなふうに決めていました。


でも、もっとたくさん、あなたに伝えれば良かった。


そうしたら、
あなたは、あの頃みたいに、また、言ってくれたでしょうか。
愛してるよ と。


俯きがちに、照れ笑いしているあなたが、目に浮かびます。

 

 


今からでも、遅くはないでしょうか。


あなた、愛していますよ。

 

 

 

 

コトバ -彼の世界-

彼の遺影と話す夢を見たのはこれで2度目だ
彼は言った


遊びに来てみる?


そんな彼の言葉に頷くと
彼は私の手を取り
遺影の中に入れてくれた


遺影のあちら側には
彼が今いる場所があった


ここでは自分の好きな事が出来るんだよ


そう言って
彼はその場所を案内してくれた


彼の話を聞きながら
相槌を打ったけれど
私はただ彼の隣を歩く事が嬉しかった


目が覚めるといつもの朝だった


寝起きのまま
彼の遺影をじっと見つめてみた
彼の場所に繋がっているのだろうか


そこにいるの?


そんな私の言葉にも
彼はただ笑ってくれるだけで
夢の中みたいに答えてはくれないけれど
彼が向こう側で楽しんでいる事が分かって良かった


また逢いに来てね


相変わらず笑っている彼に話しかけた私の言葉は
そこから彼に届いただろうか

 

 

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金曜日

あなたへ


あの子の高校生活、初めての1週間が無事に終わりました。
何だか、ちょっと、ホッとしてしまう金曜日です。


登校初日は、ちょっぴり緊張していたあの子だけれど、
帰宅早速に、新しい友達との様子を聞かせてくれました。


早く学校に行きたいな


なんて、楽しそうにしているあの子の笑顔に、
とても安心しました。


私の生活も一変し、お弁当作りが始まりました。
いつもより、1時間の早起き。
慣れないお弁当作りは大変ですが、
楽しもうと思います。


もしかしたら、3年後には、
私の元を巣立って行くかも知れないあの子に、
手を掛けてあげられる最後の事かも知れないもの。


お弁当作りは、まだまだ勉強中ですが、
あの子が毎日、楽しみにしてくれるようなお弁当を、
作りたいと思っています。


朝から、バタバタと、
慣れない日々は、まだまだ続きそうですが、
毎朝の、あの子の元気な、
行ってきますの声に、元気を貰っています。


あの子の楽しそうな声は、
あなたにも、聞こえるでしょうか。

 

 

 

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