拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

新たな夢

あなたへ


先日、あの子が通う高校では、
新しく入学する子たちの入学試験が行われました。


1年前、必死に、勉強と向き合っていたあの子の姿を思い出していました。


絶対に、受かってみせるよ
そう言って、
見ているこちらが心配になる程に、一生懸命だったあの子。


無事、受験が終わると、
あの子と共に、ホッとしたこと、よく覚えています。


あれから、1年が経ち、
あの子は、新たな夢を叶えるために、
一歩前へと進むことが出来ました。
近頃の私は、そんなあの子のお手伝いをしています。


大抵のことは、自分で出来るようになってきたあの子。
本当に困っていることにしか助けを求めなくなって来たあの子のお手伝いは、
大掛かりになることが多く、
ここ最近は、自分の時間も取れないほどでしたが、
あと少しで、ひと段落がつきそうです。


その時には、また、あの子と共に、
ホッとした気持ちになるのでしょうが、
あの子はきっと、また新たな夢を見つけるのでしょう。


あの子は、ひとつ夢を叶えると、
いつの間にか、新たな目標を見つけ、
いつでも、前を見て、走り続けています。


あの子が、夢を叶えるたびに、見守って来た私ですが、
あと何回、こんなふうに、あの子の側で、
夢を叶えるお手伝いが出来るでしょうか。


ここ最近の私は、
忙しさから、ちょっと疲れていますが、
キラキラしたあの子を見ていると、
なんだか、とても嬉しくて、幸せな気持ちになります。


ひと段落まで、もう少しです。
しっかりと、あの子のお手伝いをしたいと思います。

 

 

 

2月

あなたへ


今日で、2月が終わります。
この1ヶ月には、我が家の楽しいイベントが、詰まっていましたね。


あなたのお誕生日。
今年のパーティーも、とても楽しかったですね。


前日から料理の仕込みをしながら、とても楽しみにしていました。
毎年、定番の唐揚げは、いつもよりも、いい出来栄えで、
今日の唐揚げは、特に美味しいね と、あの子が絶賛してくれました。


バレンタインデー。
あなたにチョコレートをお供えしながら、
初めて、あなたにチョコレートを渡した日のことを考えました。


あの日のあなたの笑顔は、
何年経っても、色褪せることなく、そこにありました。


あの日、
あなたは、何処かで、あの頃みたいに、
ありがとう と笑ってくれていたのでしょうか。


あの子のお誕生日。
お誕生日おめでとう の言葉に、


色々と、ご迷惑をお掛けしますが、
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。


なんて、突然、ご丁寧な挨拶をしてくれたあの子。


いえいえ、こちらこそ。
生まれて来てくれて、ありがとうございます。
迷惑なんて、いくらでも掛けていいんだよ。


食事の前に、2人で頭を下げながら、改まった会話は、
なんだか、可笑しかった。


私にとって、2月が、特別な月に変わったのは、
思えば、あなたに出会ってからでした。


2月生まれのあなたに出会えたから、特別な月に変わり、
あなたに出会えたから、
2月生まれのあの子に、出会うことが出来ました。


あなたに出会えて、良かった。


来年は、どんなパーティーにしようか。
来年は、どんなチョコレートを選ぼうか。
来年は、どんなふうに、成長したあの子に会えるだろうか。


そんなことを考える2月の最終日でした。


今年も、とても楽しかったですね。

 

 

 

 

 

16歳

あなたへ


生まれて来てくれて、ありがとう


生まれたての小さなあの子を、
愛おしそうに見つめるあなたの顔を思い出します。


初めて、あの子を腕に抱いた日。
なんて可愛い子が、私たちの元に来てくれたのだろうと、
2人で、感動しましたね。


私たちの大切な子。


その腕に抱いた、小さなあの子の温もりを、
覚えていますか。


あの子の成長を見守りながら、
私たちも、一緒に成長して来ましたね。


あの子の小さな成長を見つけることは、
私たちにとって、最大の喜びでした。


ひとつひとつ、あの子の成長を感じる度に、
一緒に喜びましたね。


大きくなったね って。


最後に、あなたのその瞳に映ったあの子の姿は、
まだ幼さの残る12歳のあの子でした。


あの頃の、あの子の笑顔を覚えていますか。
まだ、高く可愛らしかったあの子の声を覚えていますか。


あの頃のあの子は、
あなたを見送ると、
あなたの代わりに、私を守ろうとしてくれました。


学校での出来事を、面白おかしく話して聞かせてくれながら、
私に、笑うことを思い出させてくれました。


そうして、
13歳になったあの子は、
部活へも、武道へも、
精一杯の情熱を傾けるようになりました。


初めてトロフィーを頂いて帰って来た日の、自信に満ち溢れたあの子の顔。
あなたにも見せてあげたかった。


あの頃のあの子は、大きな目標を持って、
力強く、一歩前へと進み出すことが出来ました。
そんなあの子の姿は、本当に誇らしかった。


14歳のあの子は、
あなたの身長を追い越し、
小さかったあの子から、
家族3人の中で、いちばん、背が高くなりました。


お父さんと並んでみたかった


ポツリと言ったあの子の言葉は、忘れることが出来ません。


もしも、あなたが側にいてくれたのなら、
あなたの身長を越したあの子に、なんて声を掛けてくれたのでしょうか。


15歳のあの子は、
自分の進路と真剣に向き合いながら、夢を叶えることが出来ました。


義務教育を終えて、
初めて、自分の決めた道を歩み出したあの子は、
この1年で、大きく成長したように思います。


時に、迷ったり、弱気になることもあるけれど、
どんな時も、とても一生懸命なあの子。


そんなあの子の姿に、
私は、たくさんのことを学ばせてもらいました。


毎日が同じようで、違う毎日。
あの子は、少しずつ成長して来ました。


あの子の成長を感じる度に、あなたに報告して来た私ですが、
あなたのところまで、届いているでしょうか。


16年前、私たちの元に生まれて来てくれた、
あなたと私の大切なあの子は、
今日、16歳になりましたよ。


16歳のあの子の瞳には、どんな景色が映るのでしょうか。
とても楽しみですね。

 

 

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