拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

今、私がやるべきこと

あなたへ

 

恋人がいない時や

出会いがない時は

自分磨きをしなさい

 

こんな言葉があるでしょ?

 

私は今、次にあなたに会えた時に、

とびきりのいい女として出会うために、自分磨きに精を出しています。

 

なんて言ったら、

あなたは、どんな顔で笑うのでしょうか。

 

私たちが、再び、生まれ変わり、

出会った日のことを想像してみて?

 

ずっと、ずっと、先の未来。

 

別々な場所で生まれ育った私たちが、初めて出会うのは、

きっと、あの日によく似た暑い夏の日。

 

その日の空には、

眩しい太陽と青空によく似合う、可愛い雲が浮かんでいるの。

 

あの夏と同じように、偶然を装って出会った私たちは、

まず初めに、どんな話をするのでしょうか。

 

その声も瞳も、初めてのはずなのに、

この人だって感覚は、きっと、あの夏よりも強く、

私はあなたに、すぐに惹かれてしまうのでしょう。

 

その時のあなたは、どんなことを考えているのだろう。

 

あなたの瞳には、私は、どんなふうに映るのでしょうか。

魅力的に、見えるでしょうか。

 

いえ、魅力的でなくてはなりません。

 

だって、またあなたの口から聞きたい言葉があります。

俺と付き合ってって、あの時みたいにね。

 

出会って、たったの数時間で、そんなことを言うなんて、

なんて軽い人なんだろうって、

私はきっと、あの時と同じことを考えながらも、

あなたの言葉に頷き、

きっと、この人が最後の恋の相手だと確信するのでしょう。

 

そうして、その瞳を真っ直ぐに見つめた私に、

あなたは気付いてくれるでしょうか。

この人が、運命の人に違いないと。

 

なんて、こんなことを言ったら、

あなたに笑われるのでしょうか。

 

いや、それはどうかな

 

なんて、ほんの少し、首を傾げながら、

今にも吹き出しそうなあなたの顔が浮かびます。

 

でも、私たちの再会の日には、

そんなこと、言っていられないかも知れませんよ。

 

だって、その時の私は、

あなたがこれまでに会ったこともないような、

史上最高のいい女だもの。

 

きっとあなたは、私を誰にも渡したくないはずよ。

 

なんてね。

 

精一杯、強がってみる。

 

本当はね、

今すぐ、あなたに逢いたいんだ。

 

その温かな手を、今すぐに感じたい。

 

あの日、桜の木が並ぶ土手の上で見かけた、

とても素敵な老夫婦を忘れることが出来ません。

手を繋いで、咲き始めた桜を眺めながらゆっくりと歩く姿は、

見ているだけで、温かな気持ちになりました。

 

本当は、あの日ね、

あの土手を歩きながら、

ほんの少しだけ、泣いてしまいました。

 

あなたに逢いたい・・・

 

俺も逢いたいよ

そう言ってもらえるような素敵な女性になれるように、

私は、この一生を掛けて、

自分自身を磨き続けようと思います。

 

きっとね、それが今、私のやるべきこと。

 

だから、きっと、

次にあなたと出会う私は、史上最高のいい女になっているはずだから、

絶対に、離さないでね。

 

 

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どうにかなるさ

あなたへ

 

お母さん!

俺の質問に答えて!

 

突然、興奮気味に私の部屋に入ってきたかと思えば、

私に、幾つかの質問をしたあの子。

 

2+2は?

 

4+4は?

 

8+8は?

 

16+16は?

 

最初に浮かんだ野菜の名前は?

 

 

人参

そう答えた私に、あの子は、

怖い!

怖いよ!と大騒ぎ。

 

話を聞けば、これは、最後の質問で、

ほとんどの人が人参と答えてしまうというもの。

 

インターネットの動画で、この不思議な現象を見つけたあの子は、

早速、私に試してみたようでした。

 

これだよ

 

そう言って、あの子が見せてくれた動画には、

足し算を答えた後で、私と同じように、

人参と答える姿が映っていました。

 

何これ?

怖い!

 

あの子とひとしきり騒ぐと、

何故か、最後は、2人で大爆笑してしまいました。

 

これは先日、自分の部屋で、ひとり、

深刻な悩みを抱え、小さくため息を吐いていた時の出来事。

 

あの子と笑っているうちに、

なんだか、ひとりで真剣に悩んでいたことが、

酷くちっぽけなものに思えてきて、

あの子と一緒に、たくさん笑いました。

 

何故か、あの子はいつでも、私の元気がない時に限って、

こんなふうに、スッと側に寄ってきては、

一瞬で、私を元気にしてくれます。

 

あの時、あの子が声を掛けてくれなければ、

きっと、私はあのまま、

不安な気持ちを抱えたままで、今日を過ごしていたのでしょう。

 

今日の空が綺麗だったことや、

少しずつ変わる季節の花の色にさえ、気付くことが出来ないまま、

この瞳には、何も映らずに、今日を終えていたのかも知れません。

 

あなたを見送り、

何度も、あの子が教えてくれた、笑うことの大切さ。

 

また今回も、あの子のお陰で、

不安な気持ちだけを、あの時間に置いたまま、前に進むことが出来ました。

 

あの日、

あの子と一緒に笑いながら出した結論は、

 

どうにかなるさ

 

たくさん笑った先には、

こんな簡単な答えが、待っていてくれました。

 

 

 

いつかの公園

あなたへ

 

携帯電話の機種を変えた私たちは、

そのカメラ機能を存分に楽しむために、

連休中には、絶対に公園へ行こうと話し合っていました。

 

いつもは行かない公園に行こう

きっと、お母さんが気に入る場所だと思うよ

 

そう言って、あの子が案内してくれた公園は、

いつか、あなたが連れて行ってくれた公園でした。

 

あれは、あの子がまだ幼かった頃。

 

私が気に入りそうな公園を見つけたと、

あなたが一度だけ、連れて行ってくれた場所。

 

あの頃、あなたと幼いあの子と、家族3人で見た景色を眺めながら、

あの日のことを思い出していました。

 

少し肌寒い夕暮れ時、

幼いあの子の歩幅に合わせて、ゆっくりと歩きながら、

素敵な場所だねと話したこと。

 

今度は、もっと早い時間に、

ゆっくりと散歩したいねと話したこと。

 

外国のお庭のようなデザインのその場所を、

一目で気に入った私でしたが、

道も、公園の名前も分からないまま、

日々の忙しさから、いつの間にか、記憶の隅に置き去りになっていたあの公園。

 

あれから、二度と行くことがなかったあの場所は、

あの頃のまま、とても素敵なところでした。

 

中学生の頃に、

自転車で、友達と来たことがあると話してくれたあの子には、

家族3人で、あの場所を散歩した記憶は、残ってはいませんでした。

 

不思議ですが、あの頃のあなたが、

きっと気に入るはずだと連れて行ってくれた場所へ、

今度は、あの子が同じように、

私をあの場所へと、連れて行ってくれました。

 

きっと、気に入ると思うよ

 

あの頃のあなたと、同じことを言いながら。

 

 

今年のゴールデンウィークは、

例年よりも、長いお休みだったこともあり、

あの子と、たくさんの時間を過ごせたように思います。

 

あなたと一緒に過ごした場所へ連れて行ってくれたあの子のお陰で、

またひとつ、あの頃の幸せのカケラをみつけることが出来ました。

 

夢のような連休は終わりを迎え、

また、日常生活が始まりました。

 

毎朝、起こすのが大変なあの子との戦いや、お弁当作り。

 

バタバタと過ぎる朝も、

ホッと一息をつけば、寝る時間になってしまう短い夜も、

どんなところにも、きっと、

小さな幸せのカケラは、待っていてくれるのでしょう。

 

1日1日を大切に、

いつも通りの日常に隠れた、小さな幸せのカケラを拾い集めながら、

ここからまた、ゆっくりと、歩んでいこうと思います。

 

 

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